ポルシェ 718 ケイマン 「MRスポーツの決定版」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

伊藤 梓
伊藤 梓(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
4
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
4
燃費
4
価格
5

MRスポーツの決定版

2022.12.22

年式
2016年4月〜モデル
総評
4気筒ターボの水平対向エンジンをミッドシップに搭載し、後輪を駆動させ、ポルシェの硬質なボディに身を包んだ、スポーティな走りを骨の髄まで味わえる一台。4気筒になったことが懸念されていましたが、実際に運転してみると、パワーは十二分で、抜群の走行性能に驚きます。
満足している点
なんと言っても、その走行性能です。ボディのがっちりした剛性感と、ミッドシップレイアウトから生み出される自由自在のハンドリングは最高の一言。エンジンパワーも十分で、ターボラグをほとんど感じさせません。安定性の高さと、そのバランスの良さは、万人におすすめできます。
不満な点
スポーツカーとしても、さらにグランドツーリングカーとしても、抜群の性能を持つ718ケイマン。4気筒のエンジン音が好みでないという方もいますが、個人的にはそれも気になりません。総じてアラが見当たらず、不満のないクルマです。
デザイン

4

ポルシェらしい普遍のデザインに、現代のエッセンスが詰め込まれています。リアまわりのグラマラスな抑揚や直線的なライトのデザインなども洗練されています。インテリアは、シンプルである意味そっけない印象を受けますが、個人的にはすっきりまとまっていて好ましいと感じます。
走行性能

5

「718ケイマンを超えられるのは、もはや911しかないのではないか」と思えるほどの完成度です。ボディ剛性の高さや抜群のハンドリング、溢れるパワー感。自分の意図通りに走らせることのできるスポーツカーとして、全ての要素を兼ね備えている、文句のつけようがない一台です。
乗り心地

4

十分にグランドツーリングも楽しめるしなやかな乗り心地です。サスペンションの懐の広さもそうですが、室内がとにかく静かなので、長時間運転していても苦になりません。
積載性

4

ミッドシップレイアウトを採用しているため、フロントにもリアにも荷室スペースが確保されているのが特徴です。大きな物は積めませんが、フロントの荷室は底が深いので、718専用のスーツケースなどはすっぽり収まります。
燃費

4

WLTCモードでの燃費が公表されていないため、正式な数値は不明です。オーナーの話を伺うと10km/L前後という声もあるので、燃費には期待しない方がいいかもしれません。
価格

5

これだけの性能があって768万円から購入できるというのは驚き。911カレラの価格が1500万円からということを考えると、ある意味お買い得に感じます。オープンモデルのボクスターより安価ですが、走行性能は剛性の高いクーペであるケイマンに軍配が上がるので、それを含めて買って間違いないモデルだと思います。
伊藤 梓
伊藤 梓
自動車ジャーナリスト
クルマ好きが高じて、グラフィックデザイナーからカーグラフィックの編集者へと転身。より幅広くクルマの魅力を伝えるため、2018年に独立してフリーランスに。現在は自動車ライターのほか、イラストレーターとしても活動中。パーソナリティを務めた経験を活かし、自動車関係の動画やトークショーなどにも出演している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
ポルシェ 718 ケイマン 新型・現行モデル

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