2019年4月
■2019年4月
ポルシェジャパンは、は、初代ケイマンGT4クラブスポーツの初公開から3年を経て、その後継モデルとなる新しいサーキット専用車両「ニュー718ケイマンGT4クラブスポーツ」を、2019年4月5日に発売した。
「718ケイマンGT4クラブスポーツ」は、ポルシェのヴァイザッハ研究開発センターから生まれた、公道走行が可能な市販モデルに近い生粋のレーシングカー。ポルシェジャパンが主催する新シリーズ「ポルシェスプリントチャレンジジャパン(PSCJ)」への参戦を前提とした「コンペティション」モデルと、SROが主催する「ブランパンGTシリーズのFIA GT4カテゴリー」などに参戦するための「FIA GT4モデル」の2バージョンをラインナップした。
搭載されるエンジンは3.8リッター水平対向6気筒エンジンで、先代モデルを40PS上回る最高出力313kW(425PS)を発生。この出力が、6速ポルシェデュアルクラッチトランスミッションと機械式リアディファレンシャルロックを介して後輪に伝えられる。フロントの軽量なマクファーソン式ストラットサスペンションは、「911 GT3カップ」から採用され、レーシングブレーキシステムは直径380mmのスチール製ブレーキディスクを装着。溶接されたロールケージ、レーシングバケットシート、6点式シートベルトを備えつつ、車両重量は1,320kgに抑えられている。
■2019年7月
ポルシェジャパンは、718シリーズに新型「718ケイマンGT4」を追加、2019年7月19日に予約受注を開始した。
追加された718ケイマンGT4はすぐれたエアロダイナミクスとGTモデルらしいシャシー、およびエンジン性能を有する高性能モデルだ。
搭載されるエンジンは新開発の4.0リッター水平対向6気筒。高回転型の自然吸気ユニットは新型「911カレラ」に搭載される3.0リッターターボエンジンをベースとし、最高出力は先代を35ps上回る309kW(420ps)を発揮し、420Nmの最大トルクは5000~6800rpmで発生する。0-100㎞/h加速を4.4秒でこなし、最高速度は304㎞/hに達するという。エンジンの許容回転数は8000回転で自然吸気らしいリニアなレスポンス、水平対向らしいエンジンサウンドが特徴である。
新欧州サイクルでの燃費は10.9リッター/100㎞。低負荷の状態では片側バンクのシリンダーを休止して燃費を低減する、「アダプティブシリンダーコントロール」も初めて採用されている。
エアロダイナミクスについては、大型のフロントリップスポイラーと前輪に沿って流れる空気を整える「エアカーテン」により、フロントまわりの空力バランスを最適化。さらに新しくデザインされたリヤサイレンサーのカバーによってリヤディフューザーのスペースが確保され、その結果としてリヤアクスル付近で発生するダウンフォースは約30%増加。固定式リヤウイングも新デザインとなって先代モデルよりも20%多いダウンフォースが発生するという。
シャシーについては車高を30mm低くする「ポルシェアクティブサスペンションマネージメント(PASM)」の採用をはじめ、2段階で作動を完全に解除できる「ポルシェスタビリティーマネージメント(PSM)」、機械式リヤディファレンシャルを備えた「ポルシェトルクベクタリング(PTV)」を標準装備している。タイヤはポルシェ専用に開発された「ウルトラハイパフォーマンス(UHP)タイヤ」を装着。さらに「ポルシェセラミックコンポジットブレーキ」がオプションで用意されている。
■2020年2月
ポルシェ ジャパンは、「718 ケイマン GTS 4.0」を追加設定して、2020年1月16日に発表、同年2月19日に予約受注を開始した。
「718 ケイマン GTS 4.0」は、シリーズ最高峰となる「718ケイマンGT4」に搭載される最高出力294kW(400ps)と共通の4.0リッター水平対向6気筒エンジンを搭載。6速マニュアルトランスミッションとスポーツエグゾーストシステムの採用により、0-100km/h加速4.3秒、最高速293km/hの性能が公表されている。
標準装備の「PASMスポーツサスペンション」は20㎜のローダウン化とともにダイナミックなハンドリングとともに日常使用に適した快適性を兼ね備えたという。さらに独立して選択可能なPSMスポーツモードを備えた「ポルシェスタビリティーマネジメント(PSM)」、アップグレードされたポルシェトラックプレシジョンアプリを含む「ポルシェクロノパッケージ」、「ポルシェアクティブドライブトレインマウント(PADM)」、およびメカニカルタイプのLSDを備えた「ポルシェトルクベクトリング」は標準装備となる。
そのほか、サテングロスブラックの20インチ軽合金ホイールに高性能タイヤ(フロント235/35ZR20、リヤ265/35ZR20)、さらにクロスドリルディスクによって強化されたブレーキ、レッド塗装のキャリパーを装着。オプションでポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)が用意されている。
エクステリアはスポイラーリップ、スポーツデザインフロントエプロンのブラックのエアインテーク、フロントフォグライトレンズ、リヤライトレンズ、再設計されたリヤ下部バンパーに適用されるコントラストダークカラーがGTSモデル特有のスポーツ性を表現。
インテリアはスポーツシートプラスのセンターパネル、ステアリングホイールリム、センターコンソール、シフトレバー、両側ドアのアームレスト、フロントピラー、ルーフライニングにダークカラーのアルカンターラを採用。オプションのGTSインテリアパッケージを選択すると、別色のカーマインレッドまたはチョークを追加して、レブカウンター、シートベルト、ヘッドレストの「GTS」刺繍ロゴを含む、デコレーティブステッチ、およびブラックボーダー付きフロアマットの「PORSCHE」ロゴを強調することができる。トリムエレメントとセンターコンソールトリムはカーボン製となる。
スポーツクロノパッケージは標準装備。日本仕様にはリアルタイム交通情報を備えたオンラインナビゲーションモジュール、ボイスコントロール、ポルシェコネクトが標準となる。BOSEサラウンドサウンドシステムやBurmesterハイエンドサラウンドシステムはオプションとして用意される。
■2020年6月
ポルシェジャパンは、「718ケイマン」のラインアップに「718ケイマンT」を2020年6月24日に設定、同日より予約受注を開始した。
718ケイマンTは、1968年に登場した「911T」の意思を受け継ぐモデルとして開発。パワーユニットは最高出力220kW(300ps)、最大トルク380Nmの2.0リッター4気筒ターボを搭載する。1380kgの車両重量による4.6kg/psのパワーウエイトレシオにより、0-100km/h加速4.7秒の性能と、275km/hの最高速度をもたらすという。その他、機械式リヤデファレンシャルロックを含む「ポルシェトルクベクトリング(PTV)」、デュアルクラッチトランスミッションの「ポルシェドッペルクップルング(PDK)」が標準装備となる。
エクステリアはハイグロスチタニウムグレーで塗装された20インチホイールを装着するほか、車高を20㎜低く設定するPASM スポーツシャシーを装備する。アゲートグレーのミラーシェルと両サイドの“Cayman T”のロゴ、ブラッククロムメッキのツインテールパイプを中央に配置したスポーツエグゾーストシステムが718Tの特徴となる。ボディカラーは「ブラック」、「インディアンレッド」、「レーシングイエロー」、ホワイト」、「キャララホワイト」、「ディープブラック」、「GTシルバーメタリック」を設定。スペシャルカラーとして「ラバオレンジ」、「マイアミブルー」も用意されている。
インテリアでは360㎜径のモードスイッチ付きGTスポーツステアリングホイール、シンプルかつ軽量なドアプル、2ウェイ電動調整機能付きスポーツシート、グロスブラック仕上げのメーターパネルとセンターコンソールを採用。“Cayman T”のロゴはインテリア各所に見受けられる。
トランスミッションは7速PDKのみ。ハンドル位置は左右で選択可能だ。