プジョー 3008 PHEV 「クセのないハイブリッド4WD」のユーザーレビュー

クセのないハイブリッド4WD

2021.6.6

総評

試乗するまでは、フロントをエンジン、リヤをモーターで駆動していると思っていたのですが、なんとフロントにも駆動用モーターがあり、エンジンとモーターの両方で駆動していて、トヨタ並みの複雑な制御をしているパワートレーンでした。

このパワートレーンに更に有段ミッションを追加した上で、日本人が乗っても不満が出ないように躾けていたのは、この部分だけでも高く評価できると思います。

乗り心地が硬めだったのは意外でしたが、パワートレーンが洗練されていて、RAV4PHVと比べてもそんなに価格差がないので、悪くない選択だと思います。

長期的な信頼性は微妙なので、5年で乗り換えるような買い方が良いと思います。

とはいえ、ガラスルーフやナビ、メンテナンスパック、保証延長などを付けていくとあっという間に650万を越えますが…。

あと50万安いと良いですね。

満足している点

・洗練されたパワートレーン

ハイブリッド大国の日本のハイブリッドに慣れた人でも、不満の出ないパワートレーンです。

普通のトランスミッションがあるのでエンジン始動時のショックや変速ショックがあると思っていましたが、スムーズでした。

強めの加速をしてもネガが出ず、しっかり制御されていました。

2011年からハイブリッドをやってきていたノウハウが活きているのだと思います。

とはいえ、日常領域ではほぼモーターのみの駆動なのでショックが出るようなシチュエーションは少ないのですが。

・静粛性

電動車なので静粛性が高いのは当然ですが、エンジンが走行中も静かで、エンジン始動時も音も振動もよく抑えられています。

エンジンがかかっていると分かるのは、停止時のみでこの際はハンドルやペダルからの微振動で分かります。

・ハンドリング

前後の重量バランスが良くなっているからなのか、重量の割にハンドリングが楽しく、トルク感のあるパワートレーンとの相乗効果で、乗ってて楽しいです。

もちろん、直進安定性も高く長距離も疲れないと思います。

不満な点

・乗り心地

これは、この車の魅力を大きく減らす要素だと思いました。

重くなった車重にある程度のハンドリング性能を持たせようとすると仕方ない側面はあるのですが、プジョーに期待する乗り心地を想像していると、はっきりと硬いと感じると思います。

乗り心地だけでいうと、新型2008の方が良かった気がします。

せっかくリヤサスをマルチリンクにしたのに、活かされていないのか、物理的な限界なのか、もう少し乗り心地が良いと魅力倍増なのですが。

ただし、タウンスピードしか試乗していないので、高速だとまた印象が変わるかもしれません。

・ラゲッジルームの広さ

標準車と変わらない容量（床下を除く）ですが、標準車でも床がかさ上げされていて、ボディサイズを考えるともう少し欲しいと思います。

・外部給電がない

外部給電の需要は日本でしかないので、仕方ないところですが、やはり欲しいと思ってしまいます。

デザイン

4

デビューして、時間が経っているので新鮮味は薄れていますが、個人的にはデザインで拒絶というものではありません。

走行性能

5

力強い加速で、直線番長ということもないので、乗ってて楽しいと思います。

舵はよく効き、鼻先の重さも感じませんでした。

乗り心地は多少犠牲になっていますが、フランス車らしくシートが良いので、高速で長距離を試してみたり、ワインディングを走ってみたいです。

乗り心地

4

舗装の荒いところでは、はっきり身体を揺すられるような突き上げがあり、意外でした。

というか、これがアウディやBMWだったら不満にはならなかったかもしれませんが、2008の出来が良かったので、減点要素になってしまいました。

積載性

3

床のかさ上げが微妙に気になります。

CX-5より狭いような気がします。

燃費

-

価格

3

絶対的には高いですが、RAV4PHVや次期アウトランダーPHEVを考えると、べらぼうに高い感じはしませんでした。

とはいえ、ボディサイズを考えると1割くらい安いと魅力的です。

故障経験