日産 エクストレイル 「VCターボにe-POWERの最強タッグ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
3
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
4
燃費
4
価格
4

VCターボにe-POWERの最強タッグ

2022.11.28

年式
2022年7月〜モデル
総評
ホンダ「CR-V」、SUBARU「フォレスター」、トヨタ「ハリアー」と並び、日本の、いや世界のSUVとして認知されているエクストレイルだが、4代目となって技術面で頭ひとつ突き抜けた。VCターボにe-POWERを組み合わせて燃費性能と突き詰めつつ、e-4ORCEで日常走行からスポーツ/悪路走行に至るまで安心して楽しめる。さすが技術の日産といえる一台だ。価格にしても中間グレードのXであれば十分に納得がいく。
満足している点
e-4ORCEの走行性能は非常に高い。単なる加減速でも前後モーターの協調制御によって、いつもの運転操作をするだけで前後方向の荷重移動がスムースに行えるので、車内の揺れがとても少なくなるからだ。「e-Pedal Step」では油圧ブレーキシステムとの協調により、最大で2.0m/s2が生み出せるが、その減速度をコントロールするアクセルペダルの戻し方向の制御がすばらしく、一般的なブレーキを操作する感覚で(実際にはアクセルペダルを戻しているが)、スムースな減速ができる。
不満な点
個人的にはフロントマスクのデザインが気になって仕方がない。タフギヤ感覚を謳う洗いざらしのジーンズ感から少々、遠のき、押し出しを強調し過ぎているように感じるからだ。サイドとリヤセクションは上品かつタフな印象。顔付きが少し優しくなるだけでさらに評価が高まると感じる。事実、走行性能や搭載技術に対する評価が高い一方で、市場評価では、フロントマスクのデザインにとっつきにくさを感じるという声があがっている。
デザイン

3

2000年に登場した初代エクストレイルはタフギアと称してボクシーなスタイルとともに人気を博した。4代目となる新型はその初代の直線的なラインを継承しつつ、フロントセクションでは2段構えのライト形状に、日産お得意のVモーショングリルを組み合わせ、新世代の日産デザインを牽引する。サイドラインとリヤセクションではシャープな面構成としながら、エッジを効かせてフロントセクションとの整合性を図った。タフなイメージと都会的で上質な印象をうまくミックスしたデザインだ。
走行性能

5

発電用の直列3気筒1.5LのVCターボエンジンにe-POWERを組み合わせた唯一無二のシリーズハイブリッド。目指した効果は、1/エンジン内部の圧縮比を従来の固定式から、8:1(過給することで高出力)〜14:1(グッと圧縮して高効率)の間で自在に変更できる可変式に。2/マルチリンク機構をコンロッド代わりにすることで、従来の直列1.5L3気筒エンジンよりも振動や音が少なく、より滑らかに回る。3/VCターボにより発電効率が抜群に高くなった。これが特徴だ。
乗り心地

4

e-POWERはシリーズハイブリッドであり、タイヤの回転は100%電動駆動モーターが担う。つまり走行性能そのものはBEV(電気自動車)と同じだ。まばたき(瞬き)の1000倍の早さで行う緻密な電動駆動モーター制御によって、滑りやすい雨天や雪道でも滑らかな走行フィールだ。そして、提供される乗り心地は非常に滑らかだ。前後ツインモーター方式のe-4ORCEでは、ピッチングを抑えた走りが堪能できるので、一層スムース。3列目シートに座っていても前後の揺れが少ない。
積載性

4

積載能力の高さは歴代エクストレイルの魅力だ。今回の4代目も2列目シートを使った状態で575Lと広さは十分。高さ方向にゆとりがあるのでかさばる荷物も積み込みやすい。ラゲッジルームであっても、AC電源(グレードごとの装備)を活用することができる。リモコンオートバックドアを使えば、リヤバンパー下部に足を入れることで自動でバックドアを開閉させることができる。室内各部の収納も数だけでなく、深さや場所が最適化されていて使いやすい。
燃費

4

前輪駆動のシングルモーター、前後のe-4ORCE、ともに搭載エンジンは同じ1.5LのVCターボエンジン。2次バッテリー容量にも変わりはない。カタログでのWLTC値では、シングルモーターが19.7km/L、e-4ORCEが18.3km/Lだが、実走行では両モデルともほぼ同じ値だ。WLTC値の郊外モードではシングルモーターが21.7km/Lであるのに対して、e-4ORCEは19.9km/Lと開きがある。確かに燃費数値ではシングルモーターが有利だが、得られる安心はe-4ORCEが数段上だ。
価格

4

シングルモーターのボトムグレード「S」がシリーズ最安値で3,198,800円。装備、走行性能、すべてにおいて不足なし。「S e-4ORCE」となると3,479,300円と280,500円高くなる、が筆者はe-4ORCEをおすすめしたい。日常走行での走行フィールがまるで違うからだ。安心感も高まる。もっともマルチに使いこなすなら「ProPILOT」が装着される「X e-4ORCE」(3,799,400円)がベストだ。3列シート使用を選ぶと3,930,300円となる。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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