色眼鏡をかけては良さがわからない
デビュー直後さらっと試乗し、つい先日もう一度試乗をしました。
最近、幹線道路などを流しているとよく姿を見るようになり
2007.10.17
- 総評
- 色眼鏡をかけては良さがわからない
デビュー直後さらっと試乗し、つい先日もう一度試乗をしました。
最近、幹線道路などを流しているとよく姿を見るようになりましたね。
ドライバーは50代くらいの方が多く、かつての憧れに、あるいは昔の相方に
もう一度…という方々でしょうか。
若い世代に見向きもされなくなったと言われて久しいスカイラインですが、
この車の生い立ちを振り返れば、昔から若い世代にばかり好まれていたわけではないと思います。
そもそもスカイラインを「若者向けのスポーツカー」とくくるのは、私はちょっと違うなと。
長い間BMWを仮想敵としていたことからもわかるように、走行性能に優れたアッパーミドルクラスの車であって、若者が簡単に手が届く車ではなかったはずです。
GT-Rのイメージが強過ぎて、それ以外のモデルが不当に低く評価されるのはいかがなものかと思います。
そもそもGT-Rは別種と言っていい車で、一緒くたに考えるレベルではないはず。
さて12代目のV36型ですが、今売られている日本車の中で、走りの良さについては
1、2を争うほどの出来栄えだと思います。
久々に本来のスカイラインらしい姿ではないかと。
やや注文がつく所はありますが、グランドツーリングカーとして充分合格で、魅力あるモデルに
なっていると思います。
おじさん達だけ楽しんでるのはもったいない車ですね(笑)。
なお燃費についてはディーラーの平均記録をそのまま入れました。
- 満足している点
- ・最初に写真で見た時は代わり映えしないスタイルだと思ったが、現物を見てビックリ。エッジの立ったフロントフェンダー、モチーフは先代と同じなのに造形は全然違うリア周りなど、先代のプレーンな印象から変わって迫力あるスタイルになっていた。写真ではわかりづらいが、実際に見たら誰でも違いがわかる。デザイナーは相当の力量がある人なのではないか。フロントが衝突安全確保のせいか何なのか、真っ平らに潰れてしまったような造形なのが残念!
・とにかく重苦しかったVQ35DEが、HRになって非常に軽く吹け上がるエンジンになった。日産がこんなに高回転まで軽く回せるエンジンを作るとは思わなかった。これならトヨタの2GR-FSEと比べても全く遜色なし。サウンドもなかなかいい音で、それなりに音が入ってくるところがまたいい(私はもっと音が入ってもいいと思う)。パワーはもちろん十分。
・ハンドリングの良さは代々変わらないが、先代に比べて今回はほどよい重厚感が加わり、さらに感触がよくなった。足回りもいいのだろうが、なによりボディ剛性が上がったことがよくわかる。広い場所で振り回してみたが、ただ切れが鋭いだけではなく粘りがある応答だった。これなら高速域でも安心して走れる。ちなみに試乗車はアクティブステア非装着でした。
・ATの出来はなかなか。シフトショックも少なく、シフトダウン時の反応スピードも早い。
・居住性がなかなか心地よい。運転席は適度な包まれ感があり、後席も狭いということはない。むしろ無理に後席を広くしようとすると歴代モデル中にあった悲劇を再現するだけになるはず。
・インテリアに使われているアルミのクラスターが、無垢材やヘアライン加工とは違い、表面に和紙のような独特の仕上げをしていてこれがなかなか見た目に面白い。
- 不満な点
- ・最近の日産車によく見られる傾向だが、スロットルの踏み始めの反応が非常に過敏で、いきなりドカンと出ようとするので気を遣う。これだけ大トルクなエンジンなのだからそんなセッティングにせず、踏んだだけパワーが出るようにして欲しい。
・ATの出来そのものはいいと先に書いたが、今時5段かぁ…と思ってしまったのも事実。このクラスなら6段で、トップギアを超オーバードライブのクルージング用にして燃費を稼ぐのが常套手段のはず。MCで変更、だろうか。
・ダッシュパネルやセンターコンソールのデザインがどうもピンとこない。スポーティさよりは高級(というより上質、かな?)狙いなのはわかるが、まとまりがないだけのように感じる。特にメーター部分とセンターコンソールが、そこだけ浮いていて別のデザイン、のように感じてしまいちぐはぐな印象。
・エンジンが新しくなっても一向に良くならない燃費。このままだとトヨタにどんどん離されてしまって勝負にならなくなりますよ、日産さん!
・外板色が落ち着いた色中心なのはいいが、今の色では単に地味な色しかないとも言える。レクサスや外国車の配色を見習って欲しい。
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