日産 ルークス 「先進装備を満載したスーパーハイト軽」のユーザーレビュー

先進装備を満載したスーパーハイト軽

2021.3.21

総評

これまでの軽セダンから比べると使い勝手は断然良くなりました。
後席に子供を乗せる際のドアパンチリスクや屋根に頭を当ててしまうリスクはほぼ皆無となり、雨の日でもサッと車内に入れるので、道具としてみれば非常に良いと感じます。
ベビーカーも立てて載せられ、日々の買い物の荷物も余裕を持ってリアラゲッジに置けるので、非常に楽です。
日産が宣伝している先進装備も普通車とほぼ同じものが搭載されているので、軽自動車という枠よりはワンランク上の車な感じがします。
エクステリアデザインも品がある方かと思います。
特にお気に入りのポイントは普通の軽セダンに近い乗用車ライクなコックピットです。
走りを意識したイメージで非常に気に入っていますし、ルークスは若干硬めの足回りなので、同一他社と比べると、走りを意識したセッティング担っているなと感じます。
もちろん、BOX型のスーパーハイトなので走りでは不利ですし、妥協しなくてはならない所が多いのですが、思ったよりは安定した走りを見せてくれます。

満足している点

乗用車ライクなインパネのデザイン
スーパーハイト軽唯一の電動パーキングブレーキと全車速対応型ACC、ハンズフリー電動スライドドアといった先進装備
ステップATの制御を取り入れたジャトコ製CVT
広大な荷室

不満な点

コスト制約から来るボディー剛性の低さと、重心が高いことによるロードインフォーメーションの希薄さとハンドリング性能の低さ
S-HYBRIDの制御がイマイチ
インパネが傷つきやすい
三菱版で付けられる装備がオプションでも選択できない（デジタルインナーミラー、パドルシフトなど）

デザイン

5

インパネの乗用車ライクなデザインはドライバーオリエンテッドな開発思想が垣間見えて好印象です。
外観もスマートな感じで、特にリアはミニセレナという印象です。

走行性能

3

やはり軽スーパーハイトという走りには不利な形状ですので、ハンドリング性能は軽セダンと比べれば劣ります。
ハンドル操作に対するボディの追従性はワンテンポ、ツーテンポぐらい遅れる感じですので、コーナーをクリアする際のスピードは注意が必要です。
BR06ターボエンジンは、KFエンジンに比べると吸音材や遮音材の有無もありますが、かなり静かな部類で、回してもそれほど大きくはなりません。
低速～中速域（60kmぐらい）までは、知らない間に加速していたという感じで、明らかにターボの恩恵を感じます。
高速域は100kmぐらいまでであれば、たやすく加速してくれますが、それから先の加速感は、アクセル全開でもかなり緩やかになり、NAのミライースとそれほど差がない印象です。
変速比セッティングがローギアードなので、高速は苦手なこともあるかもしれませんが、快適に走るのであれば、100kmぐらいまでが丁度良い感じです。
S-HYBRIDの制御がイマイチで、スズキのエネチャージと比べるとアシスト量や制御ロジックに雑さを感じます。
特に、下り坂などで回生によるバッテリーへの充電が行われている時にブレーキペダルを緩く踏み続けていると、停車直前ぐらいのタイミングでブレーキ抜けのような症状が一瞬発生します。
エネルギーモニターを見ると、一瞬ですが回生が止まり、何故かモーターによるアシスト側へ表示変わっていることを確認したため、おそらく、回生が停止する際のロジックが煮詰められていない気がします。
ブレーキが抜けているわけではないのですが、アシスト力が強くて弱いブレーキではそのパワーに負けてしまうためにブレーキ抜けっぽく感じられます。
これについては、回生ができなくなったタイミングでブレーキの効きの係数を上げるなど、制御ロジックの改善を望みたいですね。

乗り心地

4

若干硬めの乗り心地（よく言うと機敏に反応する）ですが、ルークスは他競合と比較して100kg程重いこともあり、乗り心地の悪さ（板バネのような感じ）は感じられませんし、バンプなどを通過しても、ちゃんといなして処置してくれます。
タイヤが新品ということもあるのでしょうが、不快感は感じない良いセッティングの足だと思います。

積載性

5

他競合で搭載されているフロントのスライドシート機能を犠牲にする代わりに、リアシートのスライド量を増やしたことの恩恵で、ベビーカーも立てて載せられますし、その状態でも買い物バッグ1つぐらいなら余裕で置けます。
ベビーカーをギリギリ入れたら後は何も入らなかったミライースと比べると雲泥の差です。

燃費

3

これまで一般道メイン（一般7：高速3）で500km位走りましたが、13km/Lぐらいです。
カタログ値の7割程度でしょうか。
郊外を一定速度で巡航すればもうちょっと伸びそうです。
ただ、タンク容量が少なめで、300～350kmぐらいに1回の給油が必要な感じですので、ミライースよりは給油の頻度が上がりそうです。

価格

3

車体と最低限必要なオプション（プレミアムグラデーションインテリア付きの快適パックA、ラバーマット、セキュリティー、シートカバー）のみとし、ナビやETC等、自分で装着したOPを入れて、車両価格の1.25倍ぐらいの費用でした。

故障経験