発売当時“GT-Rキラー”(R32)の異名をとった通りのマシンだと、つくづく思わせられます。
ただし、つるしの状態(フルノーマル)では厳しいでしょう
2011.1.29
- 総評
- 発売当時“GT-Rキラー”(R32)の異名をとった通りのマシンだと、つくづく思わせられます。
ただし、つるしの状態(フルノーマル)では厳しいでしょう。
基本に忠実に、偏らないバランスの取れたチューニングを施することによって、値段以上の結果が付いてくる、そんな車だと思うのです。
1220kgの車重、4WD、SR20DET(2000ccターボ)エンジン、パワーウエイトレシオから計算しても、こんな素晴らしいチューニングカーとしての素材は、今も昔も、このパルサーGTi-R以外他にあるのでしょうか。
トップスピードのギヤ比の縛りがあるにせよ、中間加速、ミドルレンジでのハードな走行はとても刺激的で戦闘力の高い車であります。
注意しなければいけないのは、あくまでも当時の安全基準で製作された車であり、軽さの代償のリスクとして事故の際の衝撃たるや深刻なものと捉え、安全装備の装着を想定した方が良いと言えるでしょう。
それはまるで第二次世界大戦で戦った‘零戦’のように・・・ 拝。
- 満足している点
- この車に関しては、様々な評論を目にします。
WRC、Group.Aでの話題がネガティブな要素が多いせいか、やはり一般市販でも同様な評価が多いように感じられます。
実際にステアリングを握っている自身では、こんなに面白い乗り物が世の中にあったのかと言うくらい、脳内からわき出るアドレナリンが止まらない車は無い、といっても過言ではありません。
まずは何よりその、“3ドア、ハッチバック、4WD、2000ccターボ”というパッケージングです。この条件が揃う車はそうはありません。そして、何故、このようなパッケージングになったのかを考えながら走ると、意外にCピラーの剛性に分があると感じる事があるのです。
当時、日産の社内ではWRCに参戦させる車種をブルーバードSSSにするか新星パルサーにするかで内部紛争が巻き起こっており、歴史上510ブルが参戦経験があるのでブルーバードで出場するのが販売戦略的にも有効で自然だという意見も非常に良く分かりますし、もめ事になってしまっても仕方ないと思います。
しかし、ねじれ剛性もパルサーの方が勝っており、巷で良く耳にする‘ランチャーデルタ(5ドアハッチです)が連勝を重ねており、同じハッチバックだから’とする記事より以前に、しっかりと剛性テストを行った上での結論であったのです。そのように作られた車であることは、日本人として誇らしい車であると感じると同時に、そのスピリットがとても気に入っております。
WRCの勝負に負けたのは、会社が一致団結した状態になかった事が大きな敗因であると考えております。
そして何より、4連スロットルボディーのレスポンスは驚異的の一言で、まるで、水冷マルチの大型バイクのスロットルを足で踏んでいるかのようなレスポンスです。
1220kgという軽量を武器に、足回り、ブレーキ、吸排気、コンピューター、タービン、一通り手を加えるだけで、誰もが驚くようなマシンに変身するのです。
ショートホイールベースのピーキーなクイックコーナリングマシーン。
乗り手を選ぶ車。積極的に乗らないと操りきれない車。何人もの人々が通り過ぎていった、手綱を放してしまった、後悔ばかりが募るような、“魔性の車”。そんなところがたまらなく気に入っており、満足しております。
- 不満な点
- 人間という生き物はとても欲深い生き物なので、上げだしたらキリがありません。
‘足を知る’ということを肝に銘じ、あまり欲ばりな事は言わないようにしようと思います。
最高の車です。ステアリングが握れるだけでとても幸せです。
唯一挙げるとするならば、メーカーはドグミッションやNISMOのLSD等等、作り続けて欲しいというところです。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験