反撃の狼煙
スーパーカーと呼ぶには保守的で遊び心のないデザイン。
ランエボⅩとZ33を足してそれにセリカを掛けたような腰高日本車スタイル。
車高が高く
2007.12.21
- 総評
- 反撃の狼煙
スーパーカーと呼ぶには保守的で遊び心のないデザイン。
ランエボⅩとZ33を足してそれにセリカを掛けたような腰高日本車スタイル。
車高が高く、欧州のスーパーカーと比べるとどうもオーラが足りない。
エンジンは小さいし、価格も安すぎるし、実用的すぎる・・・4シーターなんてもっての外。
おそらく多くの人が僕と同じ考えを持っているでしょう。
スーパーカーはメーカーが自ら名乗るものではなく、世間が認めてスーパーカーと呼ぶものです。
カウンタックをスーパーカーと認めない人はほとんどいないでしょうが、GT-Rは違います。
認めない人間が一定数以上いる時点でスーパーカーではない。
911と同じく単なる高性能スポーツカー、ただ速いだけの車です。
しかし、僕にはGT-Rという車がスーパーカーである必要性がわからない。
スーパーカーはいわば「骨董品」「美術品」「コレクション」のようなもので、その価値は車の工業製品としての価値とはまた違った特別なものです。
スーパーカーとして認められるためには、スペックだけでなく様々な要素が必要になります。
スーパーカーの世界においては費用対効果は度外視されますが、工業製品は価格も含めての勝負です。
GT-Rがスーパーカーじゃないからといって、安価で高性能な素晴らしい車という評価そのものに変わりはありません(日産のマルチパフォーマンス・スーパーカーという謳い文句には悪意を感じますが)。
動力性能は公表スペックやニュルでのタイムを見れば説明不要です。
こんな速い車は日本の公道では必要ない?
GT-Rは世界戦略車ですよ。
ランエボやインプSTI等の従来の国産スポーツはもはやGT-Rの相手ではありません。
911ターボ・コルベットZ06・F430・ガヤルドといった欧米のスーパースポーツが標的です。
。
正規輸出してサーキットでこれらの車と競うためにはこのぐらいの速さは必要でしょう。
サーキットに行かないなら気軽に高速クルージングを楽しめばいいんじゃないですか?
馬力の自主規制が解除され、メーカーが排ガス基準を満たす技術力を付けた今、日本のスポーツカー冬の時代は終わりを告げようとしています。
やがてレクサスLF-Aやホンダ新NSX、マツダ新RX-7のデビューがやってくるでしょう。
欧米のスーパースポーツを食う時がやって来るかもしれません。
日本の新たなスポーツカー黄金時代の幕開けとなるGT-Rの登場を素直に喜びたい。
- 満足している点
- ・911ターボ、ガヤルド、F430を上回る動力性能。これだけでもすごいのに、車体価格はこれらの3分の1。維持費を考慮に入れてもバーゲンプライスです。
・デザインの良し悪しはともかく、方向性は間違っていない。パワーは欧米のスーパーカー並ですが、日本らしさ・GT-Rらしさは失っていない。欧州の猿真似をしても「パクリ」と一蹴されて終わりです。
・スーパーカー並の性能を持ちながら、実用性を犠牲にしなかった点は評価できます。
- 不満な点
- ・デザインが美しくない。方向性は間違ってないとは言いましたが、日産のデザイナーは何を勘違いしたのでしょうか。悪いとは言いませんが・・・何か今一歩な感じがして非常に歯痒い。惜しい。
・4WDとはいえ、やはり重すぎる。複雑な制御システムとボディ剛性・衝突安全性の強化とコスト削減が影響したんでしょうか。純粋な速さ以外の部分の完成度は高くなったんでしょうが、軽量&ハイパワーはスポーツカーの基本中の基本です。Vスペックに期待します。「速ければ重くてもいい」という方は、ニュルで好成績を残しているゾンダやカレラGTがどんな車だったかを考えてみてください。
・内装は価格相応です。質感は決して高くないですが、これぐらいの価格のスポーツカーならもっと酷い車はたくさんあるので。
・マニュアル未設定。確かにセミATの方が速く走れるんだろうが、そういう問題ではない!MTの存在意義は操る楽しさにある。それがなければ誰も面倒くさいMTなんて乗らない。
・維持費がかかる。ランフラットタイヤやらブレーキパッドやら何から何まで高すぎる。こんなに維持費のかかる777万円の車は他にないでしょう。車体価格が破格なので維持費を含めても割安ですが。
・燃費が悪いのは仕方ないでしょうね。ただ、環境云々というのは的外れです。最新の排ガス基準をクリアして販売されているわけですし、CO2排出量の割合を多く占めているのはごく少数の大排気量スポーツカーではなく圧倒的多数の大衆車です。CO2排出量を減らすには車全体の数を減らさなければならないのに、こういった少数のスポーツカーだけが過剰に責められることは理解に苦しみます。これは声を大にして言いたい。
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