日産 NISSAN GT-R 「日本の宝ともいうべきハイパフォーマンスカー」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
4
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
4
燃費
2
価格
4

日本の宝ともいうべきハイパフォーマンスカー

2023.5.22

年式
2007年12月〜モデル
総評
日本が世界に誇るハイパフォーマンスカー。そして絶大なブランド力を持つ日本車という唯一無二の存在であるのは、日本の宝とも言えるのではないだろうか。確かに古さを隠せない部分もあるが、GT-Rらしさを残して今日まで生き残ってくれたことに拍手を送りたい気分だ。難しいところもあるだろうし、欲を言えばな部分ではあるが、ACCが装備されればこのクラスでこの値段のハイパフォーマンスカーとしては完璧の域に近いと思う。
満足している点
まずは日産が継続して販売し続けていることが嬉しいポイント。メーカーとしてもなかなかこのようなハイパフォーマンスカーをラインアップするのは難しいかもしれないが、それでも販売を続けているのがクルマ好きとしては嬉しい。また、GT-Rという独自のブランド力を持つ唯一無二のモデルであるのも好印象だ。こんな車種、日本ではほかにないだろう。モデルライフが長くて古臭さがあっても「GT-Rらしさ」がキッチリと残っているからそれでいいのだ、と思ってしまう。
不満な点
素晴らしい高性能と運転の楽しさ、そして所有欲を満たしてくれるGT-Rだが、各所に古さを隠せない部分はある。それが欠点と言えるだろう。また、現代的な水準で考えれば値段的にもライバルたちの装備的にもACCが装備されていないのはウィークポイントと言える。快適な高速道路移動を実現するためにも、ACCはクラス的に欲しい装備だ。
デザイン

4

もう15年ものモデルライフなので、大幅改良を施してもデザイン的に古いと感じてしまう人はいるかもしれない。やはりライバルとなる欧州の新しいスポーツモデルたちに、デザインの洗練度では敵わないと感じてしまう部分はある。しかし、GT-Rという独自のブランド力を持つモデルであることを考えると「これでいいのだ」と感じる。普遍的なデザイン、それがGT-RのそしてR35のブランド力を支えていると言えるだろう。
走行性能

5

モデルライフが長く基本設計が古くとも、その走行性能は現代の水準から見ても衰えてはいない。トランスアクスルにフロントミドシップに置かれたV6エンジン。基本的なパッケージが優れているのが衰えを感じさせない走行性能を実現させている。また、エンジンやサスペンション改良を続けてきたのも大きいと言えるだろう。速さはもちろんだが、より扱いやすく進化し続けているのが素晴らしいポイントだ。
乗り心地

4

NISMOなどのサーキットユースを中心に考えたスペシャルモデルはハードな印象があるが、標準車やT-specなどはコンフォートモードを選択すればGT-Rの「GT」を感じさせる。路面からの入力もしなやかに受け止め、ハイパフォーマンスラグジュアリークーペをも思わせる乗り心地を見せてくれる。同乗者から文句が出ることはないと思うが、車内に聞こえる騒音がさらに小さければ、同乗者は大満足となるだろう。
積載性

4

ボディサイズの割にラゲッジスペースは狭いし、リアシートも広いとは言えないが、性能を考えれば利便性は高いと言えるのではないだろうか。ゴルフバッグだって積めるし、大人2名で旅行をすることも可能なラゲッジスペースを持ち、リアシートも快適性はないが荷物置きとしては十分な役割を果たす。この点を見るとGT-R はスカイライン時代と同じように、GTカーとしての役割も果たせるのを実感できる。
燃費

2

ハイパフォーマンスカーであることを考えても、はっきり言って良いとは言えない。それはパワーユニットの基本設計が古いこともあるが、ミッションが未だに6段階なのも大きいものと思われる。大きく重たくハイパフォーマンスなクルマであるため、燃費性能に関しては仕方がない部分があるかもしれないが、最新のハイパフォーマンスモデルと比べると分が悪い。
価格

4

改良を実施するたびにドンドン値段が上がっていったGT-R。1000万円を切っていた値段も現在は1500万円からといった具合だ。しかし、世界的に見てもこれほどハイパフォーマンスのクルマを1500万円で購入することは出来ない。そう考えるとGT-Rはまだまだリーズナブルな存在とも言える。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
日産 NISSAN GT-R 新型・現行モデル

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