日産 キックス e-POWER 「価格は気になるがe-POWERの走りが魅力」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

価格は気になるがe-POWERの走りが魅力

2021.3.14

年式

2020年6月〜モデル

総評

量販車が軽自動車、ノート、セレナ、エクストレイルに偏っていたここ数年の日産車において、キックスが新たな柱となるくらい売れているのは喜ばしく、さらに売れるよう、前述したバリエーションの追加も期待したい。

満足している点

e-POWERの電気自動車的な走りが最大の魅力だ。また日産のラインナップ全体で見ると、ノートの装備をテンコ盛りにするとキックスに近い価格となることもあり、｢それならSUVの方が面白い｣という観点でキックスを選ぶという手もある。

不満な点

日産のブランドイメージとキックスの実力を総合して感じる価格の高さはやはりに気になる。また小さなことだが、合皮のシートがクロスより高級な合皮なのに安っぽさを感じる点は早急に改善してほしいポイントだ。

デザイン

3

俗に日産顔と呼ばれているVモーショングリルの効果なのか、コンパクトSUVにしては強い存在感を感じるが、それ以外特に目立つ部分はない。その代わり万人向けに仕上がっており、「嫌い」という人も少ないだろう。

走行性能

3

先代ノートから改良された1.2リッターエンジンを発電専用に使う2モーターハイブリッドのe-POWERを搭載するだけに、SUVながらアクセル操作にシャープにレスポンスし、静かな電気自動車的な走りを楽しめる。

乗り心地

3

普通に乗っていると目立ったよさも悪さもなし。しかし、大きな凹凸や悪路では衝撃をシッカリと吸収してくれ、日産車らしいクルマの強さを感じるのは〇。ダンパーに手を加えると日常域での乗り味もググっと向上するだろう。

積載性

3

ヴェゼルには及ばないものの、コンパクトSUVとしては広いラゲッジスペースを確保しており、4人分の荷物も十分飲み込む。ただ、タイヤハウスの張り出しが大きいため、幅の広い荷物を積みにくいのは少し残念だ。

燃費

3

総合した実用燃費は18km/Lから20km/Lと良好だ。しかし、エンジンを発電専用に使うというe-POWERの構造上、120km/h制限の高速道路のようなペースの速い使い方をすると燃費の低下が大きいのも事実なので、高速道路ではプロパイロットに任せた遅めのペースで巡行するのがいいだろう。

価格

2

カーナビ以外フル装備で275万9900円からという価格は決して高くない。しかし、ゴーン体制終盤に低下した日産のブランドイメージが回復してないのを考えると、若干高い印象だ。販売を考えると廉価グレードや安価なガソリン車も欲しい。