日産 キューブ 「令和2年式のネオ・クラシック J's」のユーザーレビュー

Forest-Shadow Forest-Shadowさん

日産 キューブ

グレード:15X Vセレクション(CVT_1.5) 2014年式

乗車形式:マイカー

評価

5

走行性能
3
乗り心地
4
燃費
4
デザイン
5
積載性
2
価格
5

令和2年式のネオ・クラシック J's

2021.5.2

総評
『SHIFT_originality』という広告ワードをひっさげ、2008年(平成20年)秋にデビューしたこの三代目Z12キューブは、長いロッドアンテナやスイング式の後部座席のドア、そして国産乗用車で最後のコラムシフトというとても個性あふれるクセの強いクルマです。

「キューブにするか?それ以外の国産車か?」って極端に言ってもいいくらい、ノンジャンルでライバル不在のクルマでした。



モデルライフの晩年は、地上高の高いSUVやスライドドアのトールワゴンばかりが売れる日本の自動車市場に苦戦しましたが、販売期間約11年の間に271519台のキューブがユーザーの手に渡りました。



日産自動車としても、激戦区のBセグメントの選択肢の中からキューブを選んでくれたお客様に新型四代目キューブをお届けしたかったと思いますが、ソリオ/デリカD:2vsトール/ルーミー/タンク/ジャスティのコンパクトハイトワゴン全面戦争に第三勢力として殴り込む勇気がなかったのか、新型キューブは結局作られませんでした。


……となると、日産ディーラーでキューブを買った全国のお客さんって、キューブからの代替えにどのクルマを選んだのでしょうね~

日産ディーラーのカーライフアドバイザーの実力がとても気になります(。-∀-)



最後にカスタマイズの話ですが、人馬一体感に乏しくて思い通りのドライビングが出来ず、キューブのハンドリングに不満をお持ちの方にオススメしたいのが、タイヤ交換です。



我が家のキューブの場合、175/65R15の純正ウ◯コタイヤのハンドリングに運転手のワタシが3000km程しかガマンできず、ホイールのインチはそのままに純正で5.5Jのリム幅の鉄ちんホイールを6.0Jのアルミホイールにチェンジし、フィットやヤリスのベーシックサイズでお馴染みの185/60R15のエナセーブを組み付けました。



このカスタマイズの効果は絶大で、まるで純正ウ◯コタイヤのせいで封印されていたキューブの可能性が解放されたようです。


もちろん我が家のようにホイールとタイヤのサイズ両方をイジらなくても、純正サイズのままでタイヤをグレードアップするだけでもハンドリングは向上すると思います。



最近ではガースーが2030年にCO2排出量を2013年比46%減を目標にするとイキりだしました。

これは相当ムチャな目標で、特に純ガソリン車が多い軽自動車は次期モデルの開発をゼロベースで考え直すのではないでしょうか。


ま、遅かれ早かれ14年後の2035年には純ガソリン車の新車は販売禁止になりますから、100年に1度の大変革期の波には逆らえないんですけどね(^-^;


真逆に考えると、電動カラクリの無い純粋なガソリン車を選べるのは今しか有りません。


お気に入りの純ガソリン車を購入すれば、2050年まで29年間も乗り続けることが出来ます。
(ガソリンの供給がそれまで安定して続けばの話ですが……)



そんな純ガソリン車探しの候補に、Z12キューブはいかがでしょうか?

今なら高年式低走行のキューブが100万円前後で手に入りますよ~
満足している点
いろいろ細かく気づいたことがあるので箇条書きで述べてみます。


●内装色が明るい



「フェザーグレー」という白っぽくて明るい内装色は室内を明るくしてくれます。
ドライブ中も明るい内装色が常に視界に入るので気分が上がりますね~。



●シートがフカフカ



キルティングスエード調クロスのシート地の柔らかい肌触りとボリュームたっぷりのクッション、そしてBセグメントとは思えないほど大きなサイズの背もたれと座面のおかげで座り心地は最高です。

ニ◯リの売り場で一番高いソファよりも座り心地はいいかもしれません。



●スペアタイヤがある



最近のクルマは車体を軽量化やラゲッジスペースの確保のために、重たいスペアタイヤを載せずにパンク応急修理キットを載せていることが多いですが、キューブはそういう低燃費や広い荷室などを求めていないので最初からスペアタイヤが積まれています。(FF車のみ。4WDはパンク応急修理キットです。)


パンク応急修理キットも便利ですが、どんなパンクでも対応できるスペアタイヤは安心ですよね~


●運転席ドリンクホルダー



この雪だるまみたいなドリンクホルダーは、大小さまざまな飲み物を乗せることが出来てとても便利です。

小さい方の穴にはコンビニコーヒーがピッタリ収まります。


Z12キューブがデビューしたのが2008年の秋で、コンビニコーヒーが本格的に流行りだしたのが2013年です。

まるで時代を先取りしたようなドリンクホルダーにビックリです。
不満な点
こちらも満足している点と同様、あれこれまとまりなく箇条書きで述べたいと思います。


●これ何?



センタークラスターの一等地、ハザードスイッチを助手席側に押しやってまで堂々と居座っている謎のパネルの穴と蓋……?


これは何だろう…って検索をかけると「キューブ ハザード」って入力するだけで「キューブ ハザードの横」って予測ワードが出てきます。
先輩オーナーの皆さんも悩んでいたんですね~


ネットの情報によるとこの穴には、助手席エアバッグとサイドエアバッグの作動をキャンセルさせたときに点灯する警告灯がくるみたいです。
輸出仕様限定の装備です。

先輩方の中にはここに電圧計をインストールしたり、ここからUSBケーブルを引っ張り出したりと様々なカスタマイズをしています。


僕だったらこの穴を携帯電話置き場や携帯電話ホルダーに使いたいですね~
後ろにエアコンの吹き出し口もないので、ハイドラ専用の携帯電話ホルダーにピッタリの高さだと思います。



●車両感覚がつかみにくい。



私がヘタクソなだけかもしれませんが、駐車枠にバックで止める時にピシッと真っ直ぐに止めれません(汗)。


K12マーチとよく似た小さめのドアミラーは、キューブのエクステリアデザインの中でとても控えめな存在なのでキューブをよりスマートに見せていますが、私はドアミラーの鏡面を車線変更メインでセッティングしているので、バックするときに左右の白線がすぐ鏡面から消えちゃいます。


また、右寄りにオフセットされた純正のバックモニターだと画面に映る車体がなんか歪んで見えるので、うまい具合に駐車場の白線にピシッと真っ直ぐにならないんですよね~(^-^;


ゆっくり前進しながら駐車する時も、バック駐車同様どうも真っ直ぐになりません(^^;

おそらく前後方向にウネウネとうねったダッシュボードや両サイドのドアガラスの縁が丸く処理されているせいなのか全く原因は不明ですが、どうも苦手です…。



●ロッドアンテナ



私が免許を取ったばかりの頃は、アンテナが長ければ長いほどカッコいい時代でした(笑)

1mくらいの突っ張り棒みたいなアンテナをトランクに着けて、リヤガラスの傾斜に合わせて車体前方に傾けてみたり、ダミーの無線アンテナをトランクに2本立ててみたり……

そんな時代を生きてきた私からしたら、このキューブの長いロッドアンテナはとても気に入っています。


……が、嫁さんは軽トラのアンテナと一緒じゃ~ってショックを受けています(^^;
デザイン

5

走行性能

3

今年夏に我が家にやってきた令和2年1月登録のZ12型キューブです。

納車直後はまだ代車に乗っているような感覚でなかなか馴染めませんでしたが、高速道路やワインディングなど約3000kmほど走ってようやく少し慣れてきました。




搭載されるエンジンは1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンのHR15DE。


2004年から現在までずっと、ティーダやジューク、ウイングロードなどの日産のコンパクトカーのパワーユニットとして活躍し、現在もビジネスカーのNV150 ADに搭載され、トヨタのプロボックスと共にサイド・バイ・サイドで取引先まで全開で飛ばすハイウェイスターとなって全国のビジネスマンから愛されている名機です。



令和2年式のエンジンですが、ハイブリッドシステムや直噴などの環境対策は一切ないHR15DEエンジン。

かろうじてアイドリングストップ機構が付いているくらいです。




NV150 ADのサイトから引用しましたが、キューブも同じスペックになります。


より良い燃焼効率を求めてデュアルインジェクターを採用していますが、OPTIONやヤングバージョン世代のワタシが追加インジェクターと聞くとどうしても…、

「8500rpm、ブースト1.5キロで700ccインジェクターが全噴射して、軽く700馬力オーバー……」

……と脳内で誤変換してしまいます(笑)


もちろんデュアルインジェクターを採用したとしても、HR15DEエンジンはトヨタ ヤリスの1500cc3気筒エンジン(WLTCモード燃費で21.4km/l)やホンダ 初代ヴェゼルの1500cc4気筒エンジン(131馬力)にパワーでも燃費でも勝てません。



ですが、HR15DEエンジンにもクラシックな魅力があります。


78.0mm×78.4mmという今どき珍しいスクエアなボア×ストロークは、ライバルの1500ccエンジンとは違ってドロドロとした荒っぽい爆発音で個性的ですし、上まで回しても3気筒のようなバランスの悪さも感じません。

燃費なんて全く考えてなさそうですけどね(笑)



気になるパワー感は、同じパワーユニットを積むNV150 ADよりキューブの方が60kg重いので、NV150 ADに2名乗車で走らせているくらいと言えば……一部の人には実感していただけますでしょうか。


先述した131馬力の1500ccホンダ 初代ヴェゼルは、トヨタのクラウンやエスティマと同じサイズのタイヤを履いているのに車両重量がキューブより20kgも軽い1180kgなので、パワーの比較なんてミジメになるから出来ません(笑)。


あえて同じようなスペックのクルマを探すとするならば、キューブと同じくらいの時期にデビューして来年3月に生産終了するトヨタのプレミオ/アリオンの1500ccがキューブと同じ1200kgの車重なのでいい勝負になるかなと思います。



ここまで数字で比較するとキューブは遅そうに思えますが、ターボ無しの軽スーパーハイトワゴンのように半分諦めたくなるほど遅くはありません。

峠道のキツい登り坂でも、吠えるように一気に吹け上がる1500ccエンジンとキメ細やかなCVTの制御のおかげで、後続車にあおられることなく登ってくれます♪



そんなトルクがいまいち足りないけど、上まで回すとマーチNISMO Sの気分がちょっとだけ味わえる楽しいエンジンに組み合わされるトランスミッションは、無段階変速のエクストロニックCVTです。



こちらもNV150 ADのサイトから引用しましたが、日本の経済を支えるビジネスカーの重要部品として活躍しています。

キューブもNV150 ADと同じギヤ比なので、同じCVTが積まれていると想像できます。


CVTと言えばスペースの制約でプーリーを大きく出来ないので、ワイドな変速比を設定することが難しいと言われてますが、副変速機を備えることでその欠点を補っています。


実際に停止状態から発進してみますと、ごく自然なクリープ現象から運転手が踏み込んだアクセルの量に応じて、エンジンとCVTが適切な量の加速をリニアに生み出してくれます。
街中でのクルーズは全く問題ありません。



さまざまな走行シーンに応じてセレクト出来るパワーモードについて紹介しますと、まずAT側でP・R・N・Dの下にLレンジが潜んでいますがジムカーナでもしない限り出番はなさそうなのでまだ公道では使っていません。



また、コラムシフトのレバーの下にECO MODEのボタンが隠れていますが、試しにECO MODEで走ってみるとまわりの交通の流れを乱すくらい遅くなったのでこれも今は全く使ってません。

おそらく雪道ぐらいでしか出番なさそうです。



他にはコラムシフトのグリップの先にSPORTボタンがありますが、これはただCVTのギヤ比を下げてるだけなので、高速道路の合流の時や急な下り坂のエンジンブレーキでしか出番はありません。
乗り心地

4



キューブの全幅は5ナンバーいっぱいの1695mm。
一方、全長は3890mmとかなり短めです。



そして全高は1650mm。
これは現行ワゴンRと同じ高さです。



トール/ルーミーやソリオよりも9cmほど全高が低いので、キューブを外からパッと見ても子育てグルマというような生活感が無く、ちょっと引いてキューブを眺めると、名は体を表すということわざの通り、正方形のサイコロのようなスタイルです。



そんな個性的なスタイルのベースとなるプラットフォームは、カルロス・ゴーン氏の指揮のもとで日産とルノーが共同開発したBプラットフォームです。


同じプラットフォームを使う兄弟には、2002年デビューのK12マーチや2009年デビューのNV200バネット、2010年デビューのジュークなどがあります。



キューブの発売が始まった平成20年の頃といえば、エコカー減税やエコカー補助金といった政治の邪魔がまだ入ってなかった時代なので、燃費の数値目標の達成のために車体の材料や設計に制約が生じる事はありませんでした。


400kg以上の荷物を積める商用車にも使われたり、フランスの大衆車にも使われているこのBプラットフォームは、設計年次が古いので軽量化やコストの面では最近のコンパクトカーに負けるかもしれませんが、平成18年式で14万キロ程走った私の母のK12マーチもまだドアの開け閉めはシャキッとしてますし、路面の凸凹の入力に対しても私のフィットよりも力強くいなしているので、とても堅牢な造りをしているプラットフォームなんだろうと思います。



実際にキューブを運転してみても、低燃費の為に1グラムでも軽くとか、広い室内の為に1ミリでも室内を広くと言った、低燃費の為に何か犠牲にしていそうな設計者の考えを全く感じません。



そのかわり、車重に対してブレーキが負けているせいか、我が家のGDフィットの感覚でブレーキを掛けると自分が狙った停止線よりも少し奥になってしまいます。

……ま、そこはすぐ慣れます(^^;



ワインディングでは背高ワゴンのような重心の高さはあまり顔を出しません。




もちろん全高1550mm以下の標準的な高さのクルマのようにヒラヒラとS字を左に右に遊ぶ事は苦手ですが、コーナーの進入でしっかり減速を済ませて、コーナーリングのラインを「アウト→アウト→イン」とか「イン→アウト→アウト」のように無理せず大きく曲がることを意識すると、キューブのBプラットフォームのタフな粘りと合わさってコーナーリングにリズムが生まれ、ワインディングロードを十分に楽しめます。



このコーナーリングの楽しさはおそらく、フロント1480mm/リヤ1485mmという比較的ワイドな前後トレッドが功を奏しているのだと思います。



数字ばかり追いかける事はあまり良くないですが、この1485mmというリヤのトレッドは5ナンバーサイズのクルマの中ではトップクラスの広さです。

具体的にはトヨタ ヴォクシー ZS煌Ⅲのリヤトレッドよりもキューブのリヤトレッドの方が5mm広いと言えば、キューブのトレッドの広さが伝わるのではないでしょうか。



ただ、少し弱いブレーキと1200kgの車重、そして175/65R15の新車装着のブリジストンB250という可もなく不可もないタイヤのせいで、峠道でコーナーを攻めようって気にはなりません(笑)


同乗者を酔わせないような運転を心掛ける場合、ロールを最小限に抑えるためにコーナー手前で停止寸前まで速度を落とさないとならないので、たまに勢いのいいトラックに煽られたりします(^-^;
積載性

2



キューブの最大の特徴と言えば左右非対称の横開きバックドアですが、実際に使用してみると跳ね上げ式のバックドアと違って3枚目の後部座席のドアって感覚で気軽に開け閉めできて便利いいですね。


キューブで目的地について駐車場に止め、車から降りて上着を着たり身支度を整えたりする時は、私はバックドアを開けて物を取り出したりしています。

この方が左右の車に気を遣わなくてとても便利です。
跳ね上げ式だと後方に一定の距離がないと開けられませんし、たまに天井の構造物にバックドアの先が当たることもありますしね。


ただ、風が強い時には横開きバックドアが風にあおられてバァァーン!といきなり開くので注意です。



ラゲッジルームの積載性についてですが、リヤのショックアブソーバーのてっぺんが大きく荷室に張り出していて左右方向の寸法を縮めていますし、前後方向のスペースもリヤシートを前後にスライドさせて荷物の量に応じて対応する事ができますが、大きくてクッションが分厚いリヤシートのせいか、我が家の初代GDフィットよりも荷室の広さや使い勝手は負けてます。



おそらくスズキ・ソリオやダイハツ・トールなど格下のAセグメントのトールワゴンの方がラゲッジスペースが広いでしょう。



でもキューブはそれでいいんです( ・`д・´)



キューブは室内空間や荷室の広さを競うクルマじゃありません。
最近国内でめったに見かけなくなった2ドアクーペみたいなもんで、見た目第一、使い勝手は二の次でいいんです。

それがキューブのスタイルだと、初めてラゲッジスペースを見た時に悟りました(笑)
燃費

4

我が家のキューブはアイドリングストップのキャンセラーを後付けで装着しています。

そしてECOモードは常にOFF、エアコンは常にONで市街地や山坂道をメインに走行してますが、だいたい13km/l後半から15km/lくらいの燃費を記録しています。


みんカラが集めたキューブ(Z12)の燃費記録のど真ん中です。


空力的に不利なトールワゴンの純ガソリン車だとこのくらいが標準でしょうね~。


今どきのターボ付きの軽トールワゴンの方がキューブより燃費がいいと思いますが、そのターボ付き軽トールワゴンの新車価格とキューブの中古車価格はざっと見積もっても渋沢栄一80人以上の差が開いているので、300000km走らないとターボ付き軽トールワゴンとキューブとの燃費の差は埋まりません。

我が家がキューブに決めたポイントの一つです。
価格

5

故障経験

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