ゆとり世代のまぁるいきゅーぶ
先代のキューブは最優秀デザインの日産車だった。
国内専用車ではあったが、電気自動車仕様が国外の各モーターショーで展示され
2008.11.22
- 総評
- ゆとり世代のまぁるいきゅーぶ
先代のキューブは最優秀デザインの日産車だった。
国内専用車ではあったが、電気自動車仕様が国外の各モーターショーで展示されたこともあり海外でも存在は知られており、アメリカでもヨーロッパでも「最優秀デザインのNISSAN」として高く評価された。
当然国内でもそのデザインは高く評価されており、日米欧どこでもデザインが評価されたという珍しい国産車であったが、残念ながら最後の最後まで海外に輸出されることはなかった。
かつて日産は、「日米欧どこでも共通して評価される優秀なデザイン」を目指した車をいくつか出して、その全ての車がどこかしらの市場でデザインを酷評されて全て失敗したことがある。
しかしながら、国内専用車として開発されたはずの先代キューブに対する内外からの反応は、意外にもかつて手に入れられなかった「日米欧すべてからの賞賛」
リアの非対称デザインのせいで、左ハンドル仕様にするにはボディ全体を作り直す必要があり、だったらフルモデルチェンジまで待とうということで、待った挙句輸出することも考えて出てきたのが今回のキューブ。
で、ゴメンなさい。日産はまた少し間違えてしまった模様です。デザイン(特に外観)は賞賛されていたのだから変えなくても良かったのに変えてしまった。国内でやや売れなかったのは、燃費がライバルに劣るからでそこを重点的に改良してくれれば良かったのに。
かつて日産は、プリメーラのフルモデルチェンジで外観をほとんど変えないフルモデルチェンジをして、驚かしてくれたが(つまり外観はそれほど評価されず、中身が評価されていた車の外観を変えずに中身を変えてしまって評価を落とした)、外観が評価されていて中身がもうちょっとというキューブでこそ同じこと(外観キープ、中身改良)をやってくれれば良かったのに・・・。
- 満足している点
- フロントもリアも同様にすわり心地の良いシート。先代よりも座り心地が良い。ティアナのシートと同様の構造を取り入れたそうな。
グニュっと沈み込むのだが、沈み込んだ後にピタっと止まる。グニュだけだと運転中危険だし、ピタだけだと疲れてしまう。両方を合わせたグニュピタ具合が絶妙。
・全席3点式シートベルト&ヘッドレスト付き。
・オプションで選べるインテリジェントエアコンシステム。除菌イオン付きな上に、排出ガスを検知すると外気導入から内気循環に自動切換えしてくれる。
・ボックスティッシュを入れておけるアームレスト、取っ手付きタンブラーを置けるカップホルダー、大きめな上に、ETCを隠して設置できるグローブボックスなど、アイデアいっぱいな収納。
・日産のコンパクトの割にドアの閉まる音もしっかりしてるし、走らせた感じもチープ感はだいぶなくなっている。及第点に届いただけの走りだが、マーチあたりより数段良いので長所に入れてもいいだろう。
- 不満な点
- フロントの視界。ボディの見切りが良いのはいいのだが、Aピラーというかフロントドアの窓枠の幅が広い。しかもこれが「デザイン」のために前方視界が犠牲になっているという一番やってはいけないことをしてしまっている。
・先代より劣るデザイン。といっても、歴代日産車の中で”2番目に優秀”なデザインなので本来は長所に書きたいところだが。
誰も気付かなそうなサイドのドア辺りの微妙なうならせかたとか、窓ガラスの微妙な湾曲のしかたとかは非常に絶妙で先代より優れたデザインの部分だが、(キューブという名前の割りには)必要以上に曲線を使いすぎたり、天井に必要のない模様を描いたり、無理にデザインしようとし過ぎている部分も多く目に付きくどい。
何よりフロントマスクが・・・もっと目の周りの色を濃くしてヘッドライト部分をくりっとさせないと。サングラスをかけたブルドッグというより、バカボンに出てくる警察官に見えてしまう。
本当に優秀なデザインであれば、ビートルやミニのように、何十年も外観を変えずに作り続けることができる。それが出来る資格がせっかく先代のキューブにはあったのにそれを捨ててしまった。残念でならない。
・・・とはいえ、気に入った部分も多い。久々に日産車で見積もりを取った。しばらくカタログを見ながらあれこれ悩んでみることにする。
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