「ゆるキャラ癒し系」もたまには良い
旅行先の沖縄で4日間レンタルした。レンタカーなのでおそらくグレードは廉価Gの15S。シビックかカローラを予想してい
2009.3.31
- 総評
- 「ゆるキャラ癒し系」もたまには良い
旅行先の沖縄で4日間レンタルした。レンタカーなのでおそらくグレードは廉価Gの15S。シビックかカローラを予想していたら、待っていたのがこのキューブ。最初見た印象は「結構ちっちゃいなあ。荷物は全部入る?大丈夫かなあ」だった。でも見かけによらず、実際乗ってみると意外に中は広々。トールボーイだから、180cmの僕が乗っても頭上はかなり余裕がある。ホイールベースが100mmも伸びたので後部座席も結構広く、天井が高いおかげでクラウン以上の余裕がある。また、座面が全席よりも高いポジションにあるので前方の視界も良好。後ろに座っていても疎外感がない。
中に乗り込むと、一目見て「おーっ、何だこれは!」と思うデザイン。ラウンドを活かしたインパネ、ソファーのようなシート。道具としての車ではないね。あちこちに見える波紋のデザイン。リビングのソファーのようなシート。おしゃれと言うか、かわいいと言うか。40を過ぎたオジサンが乗るにはちょっと恥ずかしい。好みは分かれるだろうが、デザインだけで勝負ができる数少ない国産車だと思う。
その反面、走りについては特に目立つ点はない。パワートレインの変更がないまま、FMCで重く大きくなったので、動力性能は必要最小限だ。高速走行の性能は誉められたものではない。でも走りを重視するユーザーは絶対これを買わないよね。馬力とトルクが何%アップと競う車が多い中で、「そんなのどうでもいいじゃん。そんなに急いで何処に行くの?」という車がこれ。きびきびしたスポーティな走りなどとは無縁のクルマ作りがなされている窓の外に広がる青い海を眺めながら海岸沿いの道をのんびり流していると、「たまにはこんな車もいいかも」と思ってくる。
- 満足している点
- *以下、旧型(Z-11型・15M)および同じBOX型のbB(1.5Z)と一部データを比較。
①外装・内装のデザイン
好き嫌いの好みが分かれると思う。四角いボディの細部に丸みを持たせた外見は結構気に入った。しかし内装のデザインは、どちらかと言うと僕もこのタイプは好きではない。ヒップホップ系のbBと比べると、完全に「ゆるキャラ・癒し系」。「マイルームをそのまま車に」のコンセプトはうなずける。デザインだけで勝負が出来る数少ない国産車だと思う。個人の好みは別にして、この車の最大の長所だろう。
ソファーのようなふかふかのベンチシートは確かに掛け心地は良いが、長距離乗っていると腰痛持ちの僕にはNG。
②取り回しのよさ
旧型からホイールベースが100mm伸びたので最小回転半径は4.6mと旧型より0.2m増えたが、それでも、bB(4.9m)よりも小さく、デミオ、フィット(ともに4.7m)以下。不慣れな道なので、途中Uターンする機会も多かったがこれは楽勝!コンパクトなので駐車も非常に楽。付属のナビにはバックモニターが付いていたが特に必要ではない。
Aピラーはかなり太めであるが、角度が立っているのでそれほど視界を妨げず、見切りも良い。
③小さく見えて意外に広い
マーチベースだから当然コンパクト。でも高さがあり開放的で広さは十分。ホイールベースが100mm、全長も160mmも伸びたので後部座席も結構広い。
④燃費
3日間で510km走行。9割が一般国道で1割が高速道路という条件で使用燃料は33.6L。従って燃費は15.2km/L。流れの良い道路で、海岸沿いを走るコースが多くアップダウンも少ない、渋滞は市内中心部通過時の10~20km程度であったという条件の良さもあるが、常に4人フル乗車で荷物込み、ドライバーも特にエコは考慮せずということを考えれば、かなり優秀。ガソリンメーターもまだまだ余裕があり、無給油で600kmくらいは余裕で走れそう。
ただし、旧型よりは70kgも重くなったのでカタログ値は19.2km/L。残念ながら0.2kmダウン。
もっとも、bBは4ATと言うこともありキューブに比べると16.0km/Lとかなり悪い。
- 不満な点
- ①高速走行での安定性
ホイールベースも短く、車高も高いのである程度はしょうがないが、高速走行での安定性はいまいち。特に横風が強い日は高速での走行はハンドル操作にかなり注意が必要。100キロ以下でおとなしく走るに限る。120キロを超えるとエンジン音もうるさい。プライベートでスカイラインに乗っているカミサンも、「おんなじ100キロで走っても、この車はずいぶん違うねえー」
Cd値は0.33とフェラーリといい勝負らしいが、正面からもろに風を受けて走っていると本当か?と疑いたくなる。
②ワインディングロードは苦手
上と同じ理由から、コーナーで大きく振られる感じであり、シートのホールド性も高くないので、コーナーリングは苦手。
③動力性能
パワートレインはHR15DEエンジン(1.5L/109ps)とCVTの組み合わせ。アップダウンの少ない一般道を普通に走る分には全く問題ないが、4人フル乗車での高速道路や登り坂はさすがにパワー不足。ためしにスポーツモードにしてみたが、やたらエンジン音がうるさくなるだけでいまいち。すぐにノーマルに戻した。
bBは同じ1.5L/109psだがトルクが少々細い。ただし車両重量は120kgも軽い。
③コラムシフト
ゲートの切り方が悪いのか、僕が不慣れなのか良くわからないが、「D」に入れようとして「L」になったり、「R」のつもりが「N」だったり。そのうち慣れるかと思っていたが最後までそんな調子だった。
④ラゲッジスペース
4人乗車時のラゲッジスペースは奥行き600mm程度あるが、お尻が突き出たデザインなので実質は400mm程度と最小必要レベル。4人分のボストンバックを入れようとすると2段積みになった。ただしテールゲートは大きく、開口部の高さが低いので荷物の出し入れはしやすかった。この点はGOOD。
後部座席をたためば奥行きはかなり広がるが、乗り心地を重視した厚めのシートであるので、たたんだ状態はコンパクトとは言い難い。床面からの高さもかなりある。
⑤マニュアルエアコン
レンタカーだったので廉価グレードだからしょうがないが、エアコンはマニュアル。ちょうど良い温度にするのに切ったり入れたり忙しかった。このクラスなら廉価グレードでもオートエアコンでも良いのでは?
*ちなみにbBは同価格帯でもオートエアコンが標準装備である。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験