CVTが高級車やより重量の大きい自動車にあまり採用されないのはなぜですか？ 金属ベルトが摩耗しやすいのですか？ もうCVTは廃れる一方ですか？

Question

原理的にはエンジンという動力源の特性を考えれば理にかなっているようにも思えますが、乗ってみると加速時の感覚がかなり不自然な感じで、なんだかあまり気持ちが良くないような気もしますね。

Answer 1

一般的な金属ベルト式のCVTは、動力の伝達が摩擦力を利用しています。
本来、摩擦力を無くす事で伝達効率を向上させるのがセオリーですが、CVTは摩擦力を逆手に取った伝達方式です。
金属ベルトを2つのプーリー間に渡し、プーリー径を相互に変化させる事で連続的に変速比を変化させる事ができます。
金属ベルトとプーリー間は摩擦力で結合しますが、負荷が一定を越えると動摩擦力が限界を超えて滑ってしまいます。
他のトランスミッションにように歯車の噛み合いなら、歯が欠損するまでは許容能力を超えても踏ん張りが効きますが、CVTは摩擦力が許容値を越えると一気に滑ります。
限界性能超えた無理ができないトランスミッションですから、大型車には使い難いトランスミッションです。

伝達は摩擦力が威力を発揮しますが、摩擦力は同時に負荷そのものにもなります。
変速比を連続的に変化することでエンジン回転数変動を抑え、エンジン燃焼効率を上げる事で燃費を向上させますが、摩擦力による負荷がマイナスにも働きます。
摩擦力を減らして伝達効率を上げるには、金属ベルトとプーリーの接触面積を最小化し接触圧を飛躍的に上げれば、摩擦力での負担を下げることができますが、コストの面で非現実的です。
日産出資したJATCOがトロイダルCVTを開発し、セドリックに載せましたが泣かず飛ばずでした。
トロイダルも接触部分の面積を最小化して接触圧を高くする必要があり、量産に無理な製造精度が必要となりました。

CVTは無段階変速という点が特徴です。
燃費向上に有用な特徴ですが、スタートからの加速ではエンジン回転数と変速比を上げ、巡航走行ではエンジン回転数と変速比を下げるといった制御が行われます。
エンジン回転数増と加速が比例しません。
そのため、加速の違和感を感じる事になります。

(thawedmango1さんへ)

Answer 2

金属ベルトの耐久性、それとタイムラグですね

重さ４４トンの国産、三菱重工製１０式オートマチック戦車にはCVT機構とよく似たＨＭT、自動無段変速機構が搭載されていますhttps://ja.wikipedia.org/wiki/10%E5%BC%8F%E6%88%A6%E8%BB%8A

Answer 3

CVTは自転車のようなチェーンとギア、MT車や多段ATのようなギア同士の噛み合いではなく、ツルっとしたプーリーと金属ベルトの組み合わせで動力を伝えます。
プーリーと金属ベルトは簡単に滑って動力伝達するには全く不向きなので金属ベルトをプーリーに押さえつけて摩擦を大きくして滑らないようにする必要があります。
この押し付ける力はエンジンがオイルポンプを回した発生させる力です。この押し付ける力はエンジン出力の20%近く必要で、300psのエンジンならオイルポンプで50ps以上使ってしまいます。
車を走らせるためには残り250psになってしまいます。
多段ATでは1速の発進時以外はロックアップクラッチが締結されるためトルコンの滑りは無くなり300ps全てが走行に使えます。
このように大排気量大出力ではCVTは大きな損失があり(=伝達効率が低い)使用されません。

Answer 4

普及車にはＣＶＴがコストも安く向いている。
それ以外は無理ですね。

Answer 5

CVTはベルトの潤滑と摩擦といった相反する条件をバランスよく維持させる必要が有り、出力の高いエンジンになると、このはバランスが崩れてしまうため、耐久性の問題が懸念され、まだまだ課題の多い機構と言えます。
構造的なものは殆ど完成されているので、あとは高トルクにも耐える新素材が開発されないことには、これ以上の進化は難しいかもしれませんね。

Answer 6

ＣＶＴは無理が多く、なくなるでしょう。
大型では不可能です。
好ましくない方式です。

Answer 7

大トルクを発生するエンジンにはCVTは向きません。もともとの変速機の特性もありますし、お書きのとおりベルト（金属やポリマー）の耐久性や音といった問題もあります。
ただ、よく言われることですが小排気量の小型車にはちょうど良い燃費のところを辿っていけるので便利です。

コメントにあるとおり、改善されてきたとはいえ、通常のATにくらべると加速に違和感を覚えるのは確かです。もともとCVTしか乗ってない人には分からないことかもしれませんが。ハッキリとした変速ではなく、アクセルに遅れて応答するというか・・・欧州車で採用例が少ないのは、日本と欧州の乗り方の違いもあるでしょうが、向こうは今でもMTが多く、CVTのぼんやりした変速フィールに違和感を覚える、ということもあるのかもしれません。

Answer 8

あまりエンジンパワーのある車には適してません。滑ってロスが出ます。