日産 アリア 「電池残量に対する心配が薄れたB9」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

一条 孝
一条 孝(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
4
燃費
4
価格
4

電池残量に対する心配が薄れたB9

2024.11.26

年式
2024年3月〜モデル
総評
いち早くBEVのリーフをデビューさせた日産がBEV第2弾として投入したのがアリア。デビュー当初は66kWhバッテリー搭載車をお披露目していたが、2024年に入ってようやく91kWhバッテリー搭載車に試乗することが出来た。かつてのBEVは一充電走行距離の短さがネガティブポイントだったが、91kWhバッテリーを搭載した2WDモデルはちょっとしたドライブで電欠の心配をさせないモデルに仕立てられていた。
満足している点
スタイリングはデビュー当初と変わらず、欧州プレミアムセグメントのBEVと比べても存在感では勝るほど。日本の伝統工芸を盛り込んだ上質なインテリアも好感の持てる仕上がりだ。BEVの制御技術もライバルを上まわるレベルにある。
不満な点
後席は足元スペースが広いものの、フロアと座面の間隔が短めで大人が座ると足を投げ出すような姿勢になる。これはレクサスRZやトヨタbZ4Xでも同様で、フロアに搭載されるリチウムイオンバッテリーがフロア高を上げているため。輸入車にはちゃんと座れるBEVもあるだけにちょっと残念なところでもある。
デザイン

5

最近は街中でアリアを見る機会が増えているが、洗練されたスタイリングはマイナーチェンジの必要がないほど。個人的にはセレナやノートシリーズのようなフロントまわりのマイチェンは勘弁してもらいたい。
走行性能

5

試乗したB9は最高出力178kW(242ps)、最大トルク300Nmを発生する。B6に対してパワーは24ps上乗せされており(最大トルクは同一)、B6に対して劇的な違いは感じられなかった。劇的な速さを求めるならばB9 e-4ORCEもしくはB9 e-4ORCE NISMOを選ぶべき。なかでもB9 e-4ORCE NISMOは専用チューンにより41ps上乗せされた435psのパワーを得ており、アクセルを踏み込むだけで圧巻の走りを披露する。
乗り心地

4

滑らかなモーターフィールが得られるパワートレーンはBEVならではの美点。しかし、乗り心地はやや硬質で路面の段差で明確なショックを伝えてくる。ランニングチェンジで硬質な乗り味を幾分かマイルドにしているようだが、さらにソフト寄りに仕立ててもよかったように思う。
積載性

4

ラゲッジルーム容量に変化はなく、後席を使用した状態でも奥行きは約1m、幅は1.4mほど。フロアはやや高めだが、9.5インチのゴルフバッグは3個積載することが可能だ。後席は6:4の分割可倒式でシートバックを倒すと、大人が横になれるほどのフラットな奥行きが得られる。2WDモデルはフロア下にも収納スペースがある。
燃費

4

一充電走行距離は91kWバッテリーを搭載した2WDのB9は610kmと長い。電費は東京〜長野の往復で6.6km/kWhと、充電をしなくても500kmほど走れそうだ。これなら電池残量の不安をさほど感じないのではなかろうか。
価格

4

アリアB9は740万円ほど。bZ4Xよりも高価だが、バッテリー容量はアリアB9のほうが大きく、モーター出力と航続距離の長さでアリアが有利。アリアB9 e-4ORCE NISMOは900万円を超えるモデルだが、モーターや足まわりは専用にチューニングされ、ブラック基調のインテリアに赤のアクセントを入れてNISMOらしい仕上がりを見せる。レクサスRZも購入出来る価格帯だが、上質さを求めるならレクサスRZ、走りのよさと航続距離の長さではアリアが有利か。
一条 孝
一条 孝
自動車ジャーナリスト
自動車専門誌の編集&ライターとして活動後、自動車ジャーナリストとして専門誌やWeb、タブロイド紙などに寄稿。運転する楽しさを追求するとともに、環境性能やパッケージングにもこだわりを持つ。これまで保有した車の大半はFRレイアウトのマニュアル車。日本自動車ジャーナリスト協会会員
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