三菱 ジープ 「ジープの価値は現代のクルマの価値とは違っ...」のユーザーレビュー

ジープの価値は現代のクルマの価値とは違っ...

2005.10.29

総評

ジープの価値は現代のクルマの価値とは違ったところにあります。迂闊な評価をすれば、その人自身の無知をさらけ出すようなことになりかねないシロモノです。現在もジープに乗っていらっしゃる方には大切に乗っていただきたいですし、これからジープを手に入れようとする方は、この機械に何を求めるのかを真剣に考えた上で再検討していただければ幸いです。
　百歩譲って、現代のクルマの評価基準に合わせて少しだけ性能評価するとすれば、まずエンジン性能は粗悪燃料を入れられても音を上げない高耐久エンジンだと思います。その気になれば、軽油ではなくて灯油を入れられてもしばらくは何の問題もなく動き続けることでしょう。但し、インジェクターポンプの潤滑不足になりますので、おすすめはできませんが･･。最終生産のＪ５５はインタークーラーターボの過給圧も上げられていますので、トルクウェイトレシオ(車重(1370kg)／トルク(22.5kg･m))はそのへんの乗用車よりははるかに高性能であって、４速ギアのまんまでけっこうな勾配の登り坂でも巡航速度を落とすことはありません。一般道で後ろからあおり気味についてきた乗用車が登り勾配に入ったとたんに車間距離が開いていくのが常です。後続の乗用車は、おいて行かれないようにアクセルを余分に踏み、低速ギアにキックダウンさせてエンジン回転を上げ、ようやくジープと対等に登り坂を走っています。私のジープは何事もなかったように平然と４速ギアのまんま登坂をクリアします。２リットルクラス以上のガソリンターボ車は、ターボが過給を始めるようになる回転数までエンジンを回してジープ以上の高トルクを生んでいますが、ジープから見れば、どうしてそんなに一生懸命になっているの？という感じです。道無き道を敵よりも早く巡航する性能、高性能スポーツカーも、目的地までに河渡りや砂地や泥濘地があったらそこで立ち往生しますが、ジープの進撃はそれでも衰えることはありません。ジュウタンを敷き詰め、軟らかいバネで乗り心地を良くした現代の四駆も、水深が３０センチを超えたらしんどいでしょうね。誰よりも先に轍(わだち)を残すことができるのは、やはりジープであり、そんなジープを好むのも好まないのも乗り手の価値観次第だと言うことでしょうか･･。

満足している点

まず最初にことわっておかなければならない点があります。このジープという機械を他のクルマと同じようなモノサシで評価することはナンセンスであり、けっして多くの人に薦められるシロモノでもありません。三菱ジープの存在そのものに意味があるからです。それでも何か評価しろと言われれば次のようになりますでしょうか･･。戦中、戦後に世界的に大活躍した自動車（あるいは兵器）が、つい７年前まで、一般人が新車で買うことができた。それがこの三菱ジープです。この機械を使ってオフロード走行を楽しんだり、そのオフロード性能がどうのこうのと言っている人がいらっしゃいますが、そういうのは現代におけるごく限定的な使い方をした際のユーザーの表面的な印象ということであり、この機械を評価したことにはなりません。三菱ジープのシャシやボディにはたとえば大砲を載せるための工夫があったり、トレーラーを牽引したり、付属の様々な装備を付けやすいように工夫してあったり、ボディサイズ拡大の痕跡を残していたり･･、ようするに、戦争に、あるいは戦後の復興や開発に必要であった機能をなるべく多く満たすことができるように設計されており、その歴史を実際に目で見ることができます。外観も、見て美しいとか無骨だとかそういう尺度ではなくて、本当に必要だからこのようなスタイルになったわけです。たとえばエンジンも、ちょっと粗悪な燃料が入れられたくらいで動かなくなるとすれば、すなわち戦場での死を意味したわけです。書き出したら切りがありませんので、このくらいで････。

不満な点

ちまたにあるクラシックカーの乗り心地が良くないとか快適装備がないとか、そういった評価をするのと同じ事であり、ジープでは満足できないユーザーが大半であるから現代のクルマが誕生してきているわけです。ジープの本来の目的や機能を理解しないまま、それを不満がったりすることは、すなわちジープの真価を知らないことになります。不満な点が目立つのであれば、ジープに乗らないことをおすすめします。

デザイン

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走行性能

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乗り心地

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積載性

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燃費

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価格

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故障経験