三菱 デリカD:5 「オフロードもぐんぐん走れるミニバン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

オフロードもぐんぐん走れるミニバン

2021.3.25

年式

2007年1月〜モデル

総評

ミニバンの中ではもっとも頼もしい悪路走破性を備えているデリカD:5。新型になってからは、オフロード性能だけではなく、日常域や高速道路でも気持ちよく運転できるような洗練されたモデルになった。単に見かけが豪華になっただけではなく、実際に運転してみたり、後席に乗ってみても、その進化が感じられるモデルだと思う。

満足している点

ミニバンは、「家族で便利に使えるクルマ」という印象があったが、デリカD:5は走行性能も悪路走破性もしっかりしているモデルなので、より遠くへ行ったり、雪道やオフロードなど、アウトドアのアクティビティも不安なく楽しめるところが◎。

不満な点

他メーカーのミニバンと競わなければいけないことは理解しているが、デザインの“ギラギラ”勝負になってしまっているのは、個人的に少々寂しい。もちろん、オフロードだけではなく、日常や都会にも馴染むデザインにする必要があるのかもしれないが、以前のデリカのデザインを踏襲しても綺麗なデザインが作れたような気はする。

デザイン

3

先代の無骨で頼もしいデザインから一転、他メーカーのミニバンと対抗するかのようにフロントのメッキ部分が多くなり、フロントマスクの“顔面力”が強くなった。賛否はあるかもしれないが、個人的には、以前のように多少野暮ったくてもオフロードをしっかり走れる安心感のあるデザインの方が好印象だった気がする。

走行性能

4

大きなボディのミニバンとなると、なかなか気持ちよく運転できるモデルは少ないのだが、デリカD:5は、ハンドル操作に対して素直に追従してくれるので、とても運転しやすい。また、全グレードに三菱の4WDシステム「AWC」が搭載されており、走行シーンに応じて2WD、4WD、4WDロックと切り替えることができる。ここまで本格的な4WDシステムを搭載したミニバンは少ないので、家族でウィンタースポーツやアウトドアを楽しみたい方には安心して使えるモデルだと思う。

乗り心地

4

見た目から想像できる乗り心地と実際のインプレッションはほぼ同じだった。当たりはふわふわと柔らかく、大きな船で波間を滑っていくような感覚。特に高速走行をしている時は快適で、後席に座っている人たちがすぐ眠ってしまいそう。ただ、ふわふわ感は心地いいものの、大きな段差などでは、振動が一度で収まらないようなシーンもある。

積載性

5

3列のシートアレンジが多彩で、3列目のシートを畳んで荷室を広くとることもできるし、3列目のシートを寝かせてベッドのような形にもできる。ボディが大きいので、シートアレンジ次第でどんな荷物でも搭載することができる。また後席のシートも豪華で、ゆったりと座ることができるため、年配の家族がいても安心だ。

燃費

3

燃費は、12.6km/L（WLTCモード）と、あまり数値としては良くない。しかし、燃料が軽油のディーゼルエンジンのため、燃料代が安く済むのは良い点だと思う。

価格

4

価格は、約391〜448万円。やや高いかなと思ったが、全てのモデルがディーゼルエンジンと4WDシステムを搭載していると考えると、お買い得なモデルかもしれない。特に家族でアウトドアなどに積極的に行くような方は、絶対的な安心感を持って乗れるクルマだと思う。