メルセデス・ベンツ Sクラス 「プレミアムセダンの絶対王者」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
4
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
5
燃費
4
価格
2

プレミアムセダンの絶対王者

2021.9.30

年式
2021年1月〜モデル
総評
Sクラスは、世界的に見てこのセグメントでもっとも販売台数の多い、すなわちもっとも成功しているモデルである。それが自信に直結しているのだろう。ライバルをチラ見すらすることもなく「俺が基準だ」とでも言わんばかりの作り込みで独走態勢に入っている。確かに部分的に見ると「アウディA8」の乗り心地や「BMW7シリーズ」の走りの楽しさなどライバルのほうが優れている部分もあるが、トータルで見たときの完成度はさすがだ。
満足している点
メルセデス・ベンツの威信をかけたかの如く高い完成度。快適性から動的性能、そして安全性能や最新のコックピットインターフェイスまで「世界よ、ラージセダンとはこうあるべきだ」とでも言いたげな自信にあふれている。さすがは世界のお手本となるサルーンである。ガソリンエンジンと言われても騙されそうになるほどの、ディーゼルエンジンの仕上がりもさすがだ。
不満な点
車体の大きさや価格の高さは一般的な感覚では常識外だが、このセグメントにとってはウィークポイントではないだろう。むしろ、それらを受け入れられる人のみがこのクルマのオーナーになる資格を有していると言えるに違いない。
デザイン

4

シンプルでクリーンな面構成で流麗な雰囲気としつつ、風格と存在感を放つデザインのバランス感覚は見事。全長5mを超えるだけあって伸びやかな雰囲気もさすがで、ヘッドライトやCピラーの処理などはスポーティさが漂う。強い押し出し感を求める人には物足りないかもしれないが、これが昨今の上級サルーンのデザイントレンドだ。
走行性能

5

高速道路の安定感はさすが。いっぽうで驚くのが旋回時のライントレース性。峠道などタイトなコーナーでも、まるでレールの上を走るかのように安定したコーナリングラインを描けるのは車体やサスペンションの秀逸さに加え、リヤステア(4WS)が効いていると思われる。全長5mを超える巨体で車両重量2トンを超える車体とはとても思えない、そんな峠道での挙動はちょっとした衝撃だ。
乗り心地

5

さすがはフラッグシップセダン。まるで魔法の絨毯に乗っているかのようにフラットな乗り心地が見事である。電子制御サスペンションにより、走行モードを「コンフォート」にいれると高速域でややフワフワする印象。高速道路などは「スポーツ」だと上下動のおさまりがよく、しっくりくる。
積載性

5

ラージセダンだけにトランクの奥行きは十分。荷室容量は505Lと驚きの水準。トランクスルーも備えるほか、トランクリッドは電動開閉式で機能性も高い。リッドは半ドア状態まで締めると自動的に引き込んでくれるクロージャー付き。
燃費

4

重量のかさむ大型サルーンだけに期待できないと思いきや、排気量3.0Lの直列6気筒ガソリンターボエンジンを積むロングボディでもWLTCモード燃費12.4km/L。同排気量の直列6気筒ディーゼルエンジン搭載車は14.3km/Lという好成績。ディーゼルはともかくガソリンエンジン車でもそこまで燃費が伸びるのは、モーターがエンジンの苦手な領域をサポートする48Vハイブリッドの効果もある。
価格

2

プレミアムブランドのハイエンドセダンだけあり、ボトムモデルでも価格は1293万円。一般的な感覚では縁がない領域だが、とはいえメルセデス・ベンツのフラッグシップモデルにふさわしい“ハイテクのデパート”状態はそれに見合う価格があるのもまた事実。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
メルセデス・ベンツ Sクラス 新型・現行モデル

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