メルセデス・ベンツ GLSクラス 「Gクラスとは双璧をなす最強のSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

3

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
5
燃費
2
価格
2

Gクラスとは双璧をなす最強のSUV

2022.1.17

年式
2020年3月〜モデル
総評
同門Gクラスとの比較をされることが多いというが、決定的な違いは日常領域での使い勝手だ。ボディサイズは若干Gクラスが小さいものの、操作系統はGLSが乗用車ライクな一面が残り運転しやすい。ボディサイズからくる駐車環境に問題がないのであれば、GLSをお勧めしたい。
満足している点
見た目と裏腹に運転操作はとてもしやすい。ボディサイズが大きく物理的に狭い場所は苦手だが、スクエアなボディ構成とひらけた視界、少ない死角などによって車幅感覚をしっかりつかめば狭い場所での離合も難なくこなせる。中古車市場でも引き合いが強いとあって、下取り価格も期待が持てる。このあたりは、同門のGクラスと共通する部分だ。
不満な点
運転操作そのものは慣れの問題があるが、都市部ではやはり大きさを持て余すことが多い。なんのことない渋滞路や駐車スペースでの運転も少しずつストレスがたまってくるかもしれない。3列目シートは、サイズもたっぷりで乗り心地もすばらしいが、後部ドアからのアクセスは悪い。大きく屈まないと3列目へと滑り込めないからだ。
デザイン

4

堂々たるボディサイズと、縦横斜めと切り立ったデザインを採用することから数値以上に大きさを感じる。さらに2mを超える全幅であることからそとから見ているだけでは運転がし辛そうだし、乗り込んでも車内は前後左右方向に伸びるデザインなので一層、そういった思いを抱かせる。いずれにしろGクラスとは別次元の存在感がある。
走行性能

4

試乗したのは400 d 4MATIC。直列6気筒3.0lディーゼルターボ。2ステージかつ(タービンサイズが大小で異なる)ツインターボ方式だ。2590kgに及ぶ車両重量をものともしない、といえば大げさだが、アクセル操作に対して従順に速度を乗せていくので不足なし。中間加速に優れるのも同エンジンの魅力だ。
乗り心地

4

エアサスペンション装着車であることから、あらゆる路面でフラットだった。悪路走行の機会がなかったので数値からの想像だが、ホイールストロークが長めに採られていることもあり、評価基準のひとつである対角での接地性能も優れているはずだ。いうならば、上質な乗り心地で知られるSクラスをそのままリフトアップしたかのような快適な移動空間である。
積載性

5

2列目シートは4:2:4分割可倒式、3列目シートは5:5分割可倒式だ。これらすべて前倒しにすると広大でほぼフラットな床面が出現する。こうして得られる積載性能もさることながら、3列目シートは身長194㎝まで許容し、その際もヘッドルームも十分確保されている。ボディサイズを活かしたGLSの特徴のひとつだ。
燃費

2

燃費性能に優れるディーゼルとはいえ、かさむ車両重量と大きなボディの前面投影面積によって数値はそれほど伸びない。ただ、それでも市街地では6㎞/l台は確保できるし、高速巡行では12㎞/l程度まで足を伸ばす。ランニングコストを含めれば結構な出費になることは間違いない。
価格

2

取材時の価格で1263万円とやはり高額。同時期のSクラス(6代目)の同エンジン搭載モデルよりも高価だ。ただ、GLSを購入検討するユーザーからは妥当な価格という評価が多いという。高額を承知であえて輸入ブランドの大型SUVを購入することから、最高ランクをものが求められるのだという。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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