マツダ CX-5 「「買い」な大幅改良で鮮度落とさず熟成されたモデル」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
4
燃費
3
価格
5

「買い」な大幅改良で鮮度落とさず熟成されたモデル

2022.11.21

年式
2017年2月〜モデル
総評
モデルライフも5年目に突入しようかというタイミングであり、新しいライバルたちに比べて飛び抜けているポイントが少ないのは事実と言えるだろう。しかし、熟成しきっているのが魅力的なポイントと言える。2代目CX-5のモデルライフから考えても、この大幅改良は非常に買いな改良だ。このサイズ感で質感の高いSUVが300万円台から余裕で狙えるというのも高い評価を与えるべきポイントと言えるだろう。
満足している点
全高の高いSUVながら気持ちいい走行フィールと乗り心地を両立していて、価格が安いというのが良い。あらゆる面から見ても非常に総合性能が高い1台だと思う。ここ数年各メーカーから新型のSUVが続々と登場しているが、CX-5は鮮度を落とさずにキッチリと熟成され切った印象だ。モデルライフが長いことを懸念材料とする必要はないだろう。それくらい古さを感じさせない仕上がりになっている。
不満な点
古さを感じさせないとGoodポイントで述べたものの、実際に購入する人にとってモデルライフが長いことは将来的なリセールバリューなどを考えて躊躇してしまう人もいるかもしれない。また、現在のライバルたちを考えると燃費性能が少し劣っていることは、購入検討時のウィークポイントとなるのは間違いないだろう。新しいもの好き、分かりやすい性能が好き、という人にとっては響きにくいモデルになってしまっているのが厳しい。
デザイン

5

元々、SUVの中でも非常にバランスが取れていて、美しいデザインだと感じていたが、改良によりその良さが高められた。全体的にデザインに変更はないものの、灯火類やフロントマスクに新デザインを与えることによって、現行モデルらしい洗練されたイメージを演出。モデルライフが長い車種となっているものの、このデザイン変更によって、古さを感じさせないデザインが更に磨かれて新しくなった。
走行性能

5

こちらもデザイン同様、FFプラットホームを採用するSUVとしては優れた走行フィールを実現していた。改良によって年々良さが伸びるのはマツダ車にありがちな傾向だが、この改良はその中でも伸び幅が大きい。ボディと足回りの変更によって、マツダらしい人馬一体感も高まっていて、運転して楽しいSUVとなっている。この辺の改良は長距離運転時にも効いていると感じられ、走行性能はSUVの中でもトップクラスで満足のできる仕上がりだ。
乗り心地

4

SUVの中ではややハードな印象を持つ人もいるかもしれないが、個人的には適度な硬さがあり良好な乗り心地だと感じる。改良でボディや足回りの変更が行われたが、そのようなポイントが乗り心地の改善に良い影響を与えている感触を受ける。可変ダンパーなどを装備していないことを考えると、この乗り心地と運転フィーリングの気持ちよさの両立は技術的アプローチが素晴らしいと感じる。
積載性

4

元々積載性は比較的高かったが、大幅改良によってラゲッジスペースの利便性がさらに高められた印象だ。2段階での調整が可能となっているし、オフロードテイストのフィールドジャーニーでは片面に撥水加工を施したリバーシブルラゲッジボードが採用されていて、さらにサブトランクも防水加工が施されている。この点はライバルたちと似ている機能面のポイントで、飛び抜けている特徴ではないものの、嬉しい進化と言えるだろう。
燃費

3

モデルライフが長く、パワートレインも大幅に手が加えられていないことを考えると、燃費性能はあまり良いとは言えない。ディーゼルも用意されていて、ランニングコストの経済性は比較的良いと思いがちだが、やはりストロングハイブリッドシステム搭載しているようなライバルたちには敵わないのが現状というところだろう。ディーゼルの魅力は経済性よりもトルクフルな走りにあると考えた方が良いだろう。
価格

5

今やこのクラスのSUVとなると400万円程度が当たり前になりつつあるものの、300万円台前半から狙うことができて、デザインや走りなどの各種質感が高いのは、非常にお買い得感があると言える。コストパフォーマンスだけで言えば国産SUVトップクラスなのではないだろうか。確かにモデルライフが長いため古さを隠せない部分もあるものの、度重なる改良によって鮮度は落ちていない。価格を重視する人にとっては声を大にして勧めたい。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
マツダ CX-5 新型・現行モデル

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