レクサス RX 「ようやく輸入車と闘えるレクサスが誕生した」のユーザーレビュー

Fct Fctさん

レクサス RX

グレード:500h“Fスポーツ パフォーマンス”_AWD(AT_2.4) 2022年式

乗車形式:仕事用

評価

4

走行性能
5
乗り心地
5
燃費
3
デザイン
3
積載性
3
価格
5

ようやく輸入車と闘えるレクサスが誕生した

2023.2.5

総評
車両価格わずか900万円で、ここまで性能的に差別化できた優れた車なら、お買い得だと思う。欧州車と比較できる特徴があるのだから、1,200万円以上でも払う価値はある。

*ライバルとなる輸入車SUVとの勝手に比較*
【走行性能】
マセラティグレカーレ>マカン(ベースグレード)>新型RX500h>BMWX3>メルセデスGLC>ボルボXC60>新型RX350
【静粛性】
新型RX500>新型RX350>それ以外
【乗り心地】
新型RX500>新型RX350>マカン>GLC>XC60>X3>グレカーレ
【インテリジェント】
新型RX>メルセデスGLC>BMWx3>ボルボXC60>ポルシェマカン>マセラティグレカーレ
【燃費】
XC60d>GLCd>X3d>新型RX500>新型RX350>マカン>グレカーレ
満足している点
・トルクフルなハイブリッドパワー
2.4Lターボ+ツインモーターハイブリッドの新機構が叩き出す、初速は悪いが、低速域から高速域までのパワフルな走り。日本車エンジンをかなり馬鹿にしてたので、最も意外だった点。
低速から高速までのダッシュ、高速から更なる高速域までの加速が素晴らしい。
ただ、500hというネーミングは言い過ぎて、ハイオク直列6気筒の3,000cc相当。300hが正解。

・非常に優れた静粛性。
eAxle機構や、アーバンユーティリティビーグルというコンセプトによる低重心、日本車らしい緻密な工業技術が、軋み音一つしない静粛性に繋がっていると思われる。
どのくらい静かかというと、静か過ぎて、これまで聞こえなかった洋服のチャックが揺れる音が気になるほど。

・ジェントルな足周り
エアサスペンションを不採用ながらもここまで「いなし」が上手いSUVはなかなか出会えない。マンホールやちょっとした段差は全く感じられないレベルまで足周りが整えられてる。メルセデスGLEやレンジローバーではユサユサ揺れる轍もスイスイとスムーズに整う。

・刺激的なスポーツモード
スポーツモードにした途端に、僅か2.4Lとは思えない官能的な音を鳴らす。恐らくこれは人為的にデザインされた音だろうが、煩くもなく、ジェントルな車にマッチしたF Sports performanceらしい音。迫力溢れるエグゾースト音が欲しい人は、やはり輸入車が良い。AMG、M、ポルシェ、マセラティからの乗り換えだと物足りなさを感じるが、これはあくまでハイブリッドレクサス。
気のせいか、ポルシェタイカンを若干思い出す未来的なエレクトリックなパワー音も、人為的に作られた音な気がする。ステアリングも太く、ダンパーも硬めでありながら、やっぱりジェントルな域をはみ出さない。
eAxle機構のお陰で、0-100ベタ踏みで加速しても、無駄な挙動はなく、前に突進する体感が得られる。まさかレクサス(トヨタ)でこんな面白さを感じてしまうとは、自分の感覚が鈍くなったかな?と思うほど、レクサスは脱皮したと思う。

・過去乗り継いだ欧州車比較で最も高速クルージングが楽。
LCCが天才か?!笑と思う。加速減速の強さを好みで微調整できて、ジェントルに加減速する。
加減速の完成度は、新型RX>BMW>メルセデス>旧レクサス>ポルシェ>ランドローバー
ビビットに反応するステアリングでありながら、レーントレーシングの性能が高いため、高速道路上の安定した巡航は、実に快適。
トレーシング性能は、新型RX>メルセデス>BMW>旧レクサス>ポルシェ>ランドローバー

・最小半径5.5mの恩恵
500hだけの設定だが、アクティブリアステアリングが付いており、後輪が動くので、最小半径はなんと5.5m!
早速住宅街を走ると、90度を超える鋭角の交差点や、道幅4mの狭道もスイスイ安心感をもって運転できる。これは日常使いの上で1番大事なメリット。
(500h以外の350、450は最小半径5.9mでフルサイズの輸入車と変わりません)
不満な点
・半ドアの嵐
最大の不満は、え?そこ?と思われるが「半ドアの嵐」になること。とにかく半ドア。女性は何度閉めても半ドア。壊れてるんじゃない?と皆が思う。原因は、防音性を高めるため、ドア周りのゴムモールが二重に貼られていること。閉まる瞬間まで手で押し付けないと閉まらない。社内から閉める時も閉まり切るまでドアを引き込むこと。

・フル加速時のタイムラグ
ディーゼルなら納得するが、ハイオク&モーターなのに、フル加速時に1秒以上のラグ。2.4までダウンサイジングしたせいか、ノーマルのマカンですらここまでラグは無い。メルセデス400d、BMW45dのようなラグの長さで、トルク値はディーゼルに負ける。ただ重量が軽いので、400d、45dより実際の加速は早い。ラグは、ジェントルということで許容範囲としよう。

・ミニ四駆デザイン
やっぱりエクステリアデザインは、日本車らしい。
オラオラなアルファードも、ガンダムみたいなRAV4も、欧州車と比べてデザイン性が低い。
RXは日本人が好きな直線的なデザインではあるが、艶やかな美しさは欧州車に軍配が上がる。
全体で一つのデザインを織りなす芸術品ではなく、パーツ毎に迫力を求め過ぎてる。

・狭い室内
これはユーザーの用途次第だが後部座席、荷台は狭い。
旧式RXよりも流線型のリアデザインを取り入れてるため仕方ないところだが、SUVとしての実用性はグッと落ちる。何のためのSUV?という利点が一つ減っている。

・ショボいメーター周り
運転席正面のTFT液晶パネルは、シエンタなど最近のリーズナブルな車と変わらない。恐らく同じのを使ってる。又はISなど一昔前の車と変わらない。要はトヨタの汎用品。
ヨーロッパ勢は目覚ましい勢いでデジタル化を進めているのだから、一応の高級車であるRXには、最低限ユーザーの所有欲を満たすデザインを入れて欲しかった。
もちろん、MBUXのような車との対話も成り立たない。

・悪い燃費
2.4ダウンサイジング&ハイブリッドの恩恵が全く数値にでない、悪い燃費。
8.8km/lでほぼ固定され、これ以上伸びない。下手したら、NAの350の方がモーター無しで車重が軽いから、燃費良いかも。燃費を考えると500hは悪い点が目立つ。
デザイン

3

【エクステリア】
やっぱり日本車らしい。
オラオラなアルファードも、ガンダムみたいなRAV4も、正直デザイン性が無い。
RXも相変わらずその域は出てない。
全体で一つのデザインを織りなす芸術品ではなく、あくまで部分ごとの迫力追求型の思考。
モデリスタなどドレスアップパーツは、デザイナーが苦労して統一感を出した「答え」を、オラオラ仕様に変える行為、つまりはデザインを壊す行為なのであまりやりたくない。

【筋肉質なプラスライン】
ただ、プレスラインがとにかく美しい。
これは一枚の鉄板をここまで緻密に継ぎ目なく美しく仕上げられるんだ、という日本の工業製品としてのプライドを感じさせる。ISのヒップラインもなかなか強烈なプレスがかかってようにレクサスは最近プレスラインの協調が好きで、それ自体は好き。光の当たり方によって、とても筋肉質でエモーショナルなボディラインが浮き出るのは素敵。

【インテリア】
Fスポーツのシートはカッコいい。
サイドランバーサポートはスポーツシートらしく包み込み、分厚いシートが高級感を感じさせる。
ただし、インパネは、クラウンなどと変わらずあくまでトヨタの汎用品を使ってるのが残念。
最近は液晶の肥大化が進んでいるが、デザインという点では、ポルシェタイカンや911、メルセデスEQシリーズのような一枚の湾曲したガラスのような未来感はなく、実用性を全面に出したものなので、カッコいいとは言えない。
走行性能

5

【ハンドリング】
SUVにしては、かなりビビッドな反応の良さがある。
1cm単位でわずかにステアリングを左右に揺さぶると、遊びが少なく、ドライバーのハンドリングがそのままタイヤに伝わっていることがわかる。他のSUVではまずあり得ないこと。
メルセデスでは真逆で、遊びを設けることで安定性を高めようとしてるが、今回のRXは、あたかもマカンのようなコンセプトをスポーティーに振ったキビキビしたハンドリングが楽しめる。
と言っても直進安定性がないわけではなく、車重が重たく、ステアリングも電子制御されてることから、ピタッと安心感のある直進性も併せ持っており、ここら辺は良く作り込まれている。

【エンジン+モーター】
2.4Lターボ+ツインモーターハイブリッドの新機構は、初速こそ弱いが、低速域から高速域までのパワフルな走り。
日本車エンジンは、ただのエコでしかなく個性がないと馬鹿にしてたので、最も意外だった点。
しかも音が良い、人工的にデザインされた音ではあるが、エレクトリックな音と、内燃機関らしいエグソーストな音が交差する感覚は面白い。

【低速域】
走りだしは驚くほど静か。トヨタのシエンタやボクシーなどのハイブリッドも静かではあるが、「静か」の種類が違う。トヨタは電気の補助はあるものの、トルクが弱い直列4気筒で押していくため、気持ち良くないエンジンの噴き上がりは感じてしまうもの。RXはベースにあるエンジンのトルクがしっかりしてるため、電気と相まって本当に静かである。

【低速から中速】
加速はエンジン優先で、スムーズに一気に5.60km/hまで上がる。迫力は無い。
あれ?モーターが意外と働いてないじゃん、という見方もあり、欲張らずにフワッと加速しても、加速燃費は3km/l以下とまぁまぁ悪いのが残念。
40-50km/hで巡航してるとき、最もモーターが働き、燃費系はずっと40km/hを示す。ハイブリッドとして使いたいなら要はそういう使い方が向いてる!恐らく田舎では活躍して都内ではモーターの出番が少ない。だったら都内の一般道はプラグインの450かNAの350でもいいかも?

【低速から高速までの急加速】
これが驚くほど、え?これレクサス?という面白さ!2.4ターボって貧弱かなと思いきや、人工的な加速音と共にグイグイあっという間に80km/hを超える!これは音の好みこそあれレヴァンテやマカンと遜色ない。ただ初速に1秒程度のラグがあるのが残念。
ちなみに不思議とGがあまり感じない。eAxleの影響と考えて間違いないと思う。不思議な感覚でちょっと面白い。

【高速巡航】
これが一番残念!
直進安定性は素晴らしい。カーブのトラクションコントロールも実にスムーズで、Fのスポーツシートがサポートしてくれるのでさらに良い。これがフルサイズの輸入SUVだったらもっとロールが振られるところ、ピタっとおさめてくれてる。重量が重くは無いため、重たさからから安定性は感じないが、レーントレーシングが優秀なので電子的に安定が得られてるのが体感で分かる。
ちなみにシートのポジショニングは、8wayしかない。Sportsを名乗るならポジショニングにこだわりを持って欲しかった。(911は24wayまである)
モーターはほぼ動かず、2.4ターボだけで高速は頑張って引っ張ってる感じがする。なので、エンジンが頑張ってしまってる小刻みにうるさい感じ、余裕が感じられない。やはりアウトバーンで巡航する排気量の大きい欧州車には勝てない。

【高速からのさらなる加速】
トップのパワーが重量に対して優れているため、よくよく伸びる。ジェントルだが、一気に伸びるので気づかない間に法定トップスピードまで伸びる。

【ブレーキング】
ブレーキングはかなり効くと思って良い。短い制動距離でもしっかり効くし、eAxleの影響?なのか、慣性が弱められ、急減速でもとてもジェントルにブレーキングする。

【運転支援】
レーダークルーズとの相性はバッチリ。
加速度合いは好みで複数設定できるし、ブレーキングも穏やか。
エマージェンシーは、前後ともに効きすぎて、遠くに人がいても(例えばオーライオーライの案内)急ブレーキが勝手にかかる。まぁ、ぶつけるよりはいいか…と思いつつ、駐車では慣れた運転ができない不自由さを感じる。

と、やはりレクサスは、道が狭く信号が多い日本向けの速度域にベストを持ってきてる車でした。
乗り心地

5

エアサスペンションを不採用ながらもここまで「いなし」が上手いSUVはなかなか出会えない。
マンホールやちょっとした段差は全く感じられないレベルまで足周りが整えられてる。
メルセデスGLEやレンジローバーではユサユサ揺れる轍も、スイスイとスムーズに整う。伝統のセルシオのよう。
スポーツモードにしてベタ踏みしても、無駄な挙動はなく、ガンガン前に進む感覚が心地よい。
感情が高まるような反応はないが、ジェントルな域の中でここまでスポーティーを感じさせることができれば輸入車と真っ向から対抗できる。ただ、このジェントルこそがレクサスの特徴であると言えるため、完全に好みの問題、つまりジェントルでスポーティーという差別化がしっかりできてきている。

ちなみに、RXの中では、間違いなくRX500h Fが、高速安定性と乗り心地の快適性が高いと思う。
450Lだとフカフカしすぎて、メルセデスのプリンプリンと収まりの悪いあの挙動と似てるが、優しい足回りが高速域では無駄な挙動になる。旧式RXがそうだった。
高速道路で快適なのは450Lではなく500Fという意外さは、セッティングから考えて必然ともいえる。腰が悪い私としては、LではなくFにしてて良かった。
積載性

3

これは悪い。
スピンドルボディの先端から、リアハッチの先まで、流れる美しい曲線が描かれているため、その分、後部座席や荷台の積載性は落ちる。同じ車格でいえば、MAZDAのCX8や、ボルボXC60、メルセデスGLCより少ない気がする。
ただ、マカン、グレカーレ、レヴァンテと比較すれば格段に積載性は良い。もちろんNXも同じように積載性を犠牲にしてるため、NXよりは優れている。
燃費

3

まだ新車走り出しのため、正しい測定はできてないが、高速道路:一般道を5:5で走って、リッター8.8km/l程度。
高速道路のみでは、50km走って、14.2km/l。
さらに走り込んでみて、平均リッター13km/lいけば期待通りだったが、実際は8.8km/l。
昨今のハイブリッドやプラグイン、ディーゼルといった低燃費の流れに乗り切れてない。
価格

5

これだけの運転支援機能、優れた防音装備、塗装、エレクトリックパワー、色んな新しい技術や高品質な部材を使って、わずか900万円は安すぎる。
1,200万円以上でも普通に買う。
故障経験
故障ではないが、オプション設定時にマクレビが選択不可になっていたこと。半導体の影響らしい。

アプリのキーも、アプリを立ち上げてないと動かないし、立ち上げてID認証されるまで数十秒掛かる。鍵を開けるのに数十秒車の前で待つのはおかしい。
アプリ稼動中はGPSも作動してるためナビゲーションアプリを使うわけでもないのに電池の消耗が激しい。携帯の電池切れになればキーとして使えない。

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