ランドローバー レンジローバーイヴォーク PHEV 「レンジローバーの名に相応しい極上体験」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

レンジローバーの名に相応しい極上体験

2023.3.9

年式

2019年6月〜モデル

総評

均整の取れた美しいスタイリングにクリーンで洗練されたインテリア、ストロークがたっぷりあるゆったりとした乗り心地に、PHEVならではの静粛かつ滑らかな走りがとてもマッチしている。まるで雲に乗っているかのような、乗員を豊かな気持ちにさせてくれる上品な1台。一方で、プレミアムブランドらしく価格はライバルと比べて高め。トランクも狭く、コスパを重視する人には向かないかも。（担当：TAKASHI）

満足している点

洗練かつ上品な内外装デザインと、運転のしやすいアイポイントの高さ、悪路走破性、ストロークたっぷりのゆったりとした動きは、末弟でもきちんとレンジローバーの血統。それでいて、高い静粛性と継ぎ目のない滑らかな加速は、クルマのキャラクターにピッタリとマッチしており、イヴォークの世界観を最大限味わうにはベストバイと言える出来。

不満な点

価格はライバルと比べ高めの設定。リアのオーバーハングが短く、トランクも狭い印象。大人二人分としては充分だが、4人乗りとしてはもう少し容量が欲しい。乗ってしまえば狭さは感じないが、美しいスタイリングの代償として、後席はややヘッドクリアランスが狭いので乗り込み時に注意が必要。

デザイン

5

デビュー当初から高く評価されてきたスタイリングは、現代においても全く古さを感じず、むしろ年々洗練度合いが増している。高級感も申し分なく、車内に乗り込むだけで豊かな気分にさせてくれる。一方で、積極的に主張するタイプのデザインではないので、オラオラ系が好きな人には刺さらないデザインではある。

走行性能

4

たっぷりとストロークする足回りだが、不要なロールは抑え込まれており、ハンドリングは上質。搭載される1.5Lエンジンは3気筒特有の振動も上手に抑え込まれており、エンジンがかかっても注意していなければその存在をほとんど感じない。物足りなければ「ダイナミックモード」を選択するとかなりパワフルになるが、「オート」でゆったりと走るのがクルマのキャラクターに合っているだろう。EV走行レンジは最大65.1kmとライバルと比べやや短い。

乗り心地

5

プレミアムモデルに相応しく、モーター由来の滑らかな加速と高い静粛性が相まって一般道では極上の乗り心地。それでいてレンジローバーならではの高い悪路走破性も兼ね備える。

積載性

2

デザインコンシャスのため、このクルマ唯一の弱点が積載性。悪路走破性を高めるため床面の高さも高く、日常使いでは問題なくとも、旅行などではやや不足するかもしれない。購入前にチェックすることが肝要だ。

燃費

3

短時間の試乗のため実燃費は未計測ながら、カタログ燃費は12.7km/L（WLTCモード）で、コンパクトなボディサイズのPHEVモデルとしてもう少し頑張ってほしい気もする。EV走行換算距離は68km（WLTPモード）で、ライバルのPHEVのSUVと比べても短い部類なので、エコとしてではなく、PHEVならではのスムーズな走りを味わうために選ぶグレードなのかもしれない。

価格

3

プレミアムブランドらしく、ライバルと比べても絶対的な価格は高め。国産のPHEVモデルが半値近い値段で買えることを考えるとコスパを重視する人には向いていない。その分、コンパクトでありながらレンジローバーならではの世界観を存分に味わうことができる。