ハンドリング重視へ方向転換した
スーパーレジェーラ。イタリア語で“超・軽量”。その昔は、カロッチェリア“ツーリング”が生み出したアルミ使用の軽量構造工
2011.12.31
- 総評
- ハンドリング重視へ方向転換した
スーパーレジェーラ。イタリア語で“超・軽量”。その昔は、カロッチェリア“ツーリング”が生み出したアルミ使用の軽量構造工法を指したものだったが、今ではランボルギーニの軽量バージョンに与えられる名称となった。つまり、ガヤルドスーパーレジェーラといえば、ガヤルドの軽量“スパルタン”仕様という位置づけだ。
車名が示すとおり、570psを発揮する。ノーマルがLP560-4、つまり560psだから、10psのアップ。さらに70kgの軽量化を果たしているから、パワーウェイトレシオ(パワー当たり重量)は格段に“下がって”、2.35というほとんどレーシングカーのような数値になった。
軽量化に大きく寄与しているのは、ランボルギーニが今後、ブランドイメージの中核マテリアルと位置づけているカーボンファイバーだ。70kg中40kgがカーボンファイバーの積極利用によるもの。スーパーレジェーラ専用のエアロパートはもちろん、ドアインナーパネル、ミッショントンネルカバー、シートカバー、そしてエンジンフードなどがカーボンとなっている。
- 満足している点
- 三次元の立体的なフロントバンパースポイラーや、サイドアンダースポイラー、ミラーカバー、リアディフューザーにリアウィングといったところを専用デザインのカーボンファイバーで仕立てることで、ノーマルとは全く違う雰囲気に仕上げられた。フロントの“刺さりそうな”迫力もさることながら、極太のつや消しテールパイプを持ち上げるようにして支えるリアデュフューザー周りの雰囲気も相当にレーシー。19インチの鍛造アルミホイールも専用デザインである。
内装もカーボンと薄皮アルカンタラで覆われており、スパルタンのひと言。それでいて素っ気なく見えないのは、たとえばカーボンバケットシートに洒落たステッチを施すなど、見た目にもこだわったからだ。
エンジンパワーアップと軽量化に対応して、シャシー周りにも専用セッティングが施されている。フロントサスペンションに、ガヤルドワンメイクレース用車両のノウハウを注ぎ込んだほか、ダンパーやブッシュの硬さを最適にチューニング。電子制御でバイス(ESPなど)も専用のセッティングになっている
動かした瞬間に“知っているガヤルドとは違う!”と分かる。軽さによる第一歩の鋭さもさることながら、ステアリングフィールがまったくもってシャープかつリニアだ。
かといって、ミッドシップ2WD車のようにフロントの接地感が乏しいかと言うとそうでもなく、ドライバーに安心感を与える程度にはタイヤの存在が感じ取れるから、絶妙なセッティングだと言っていい。4WDのアドバンテージをしっかりドライバーに伝えようとしている、とも言える。
最初のひと転がしめに加えて、中間加速の恐ろしいまでの軽やかさもスーパーレジェーラゆえの特性だ。一瞬、全ての重量感を無くしてしまったかのように“ふわっ、ガツーン”と加速してゆく。その間、姿勢はノーマル以上に安定しており、そのまま超高速域に入ればより一層手ごたえが“密”になる。空力が効いているのだ。
ブレーキフィールの良さも軽量ゆえ。これだけ止まることが容易で気持ちいいとなれば、周回を重ねるごとに速度も上がってゆき。。。と言いたいところだが、日本での試乗はあいにくの雨。タイヤの特性上、めいっぱい楽しむには至らなかったが、スペインで乗ったときに初めてランボルギーニをサーキットで心から楽しむことができたことを思い出す。
間違いなく、史上最もファントゥドライブな猛牛である。
- 不満な点
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- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験