現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ランボルギーニはドイツ製!? 勢いが止まらない! 欧州の巨大自動車連合「フォルクスワーゲングループ」【自動車メーカーのビッグバンを探る】

ここから本文です

ランボルギーニはドイツ製!? 勢いが止まらない! 欧州の巨大自動車連合「フォルクスワーゲングループ」【自動車メーカーのビッグバンを探る】

掲載 更新 19
ランボルギーニはドイツ製!? 勢いが止まらない! 欧州の巨大自動車連合「フォルクスワーゲングループ」【自動車メーカーのビッグバンを探る】

 かつてはそれぞれが独立した存在だった自動車メーカー。現在では多くのメーカーが提携を行い、場合によっては買収されて別のメーカー傘下となったというケースもある。エンジンやプラットフォームの共通化によるコストダウン、流通の効率化など、メリットの多いグループ化だが、あるメーカーがどのグループに属しているのがわからないこともあり、さらに意外なグループの傘下となっていて驚かされるブランドもある。

 このシリーズでは、そうした「自動車メーカーグループ」に注目し、紹介していくことにしたい。今回と次回の2回に分けて紹介するのは、ドイツの“巨人”が牽引する大型連合の「フォルクスワーゲングループ」だ。

開発費を抑えてヒット量産!! でも、そううまい話ばかりじゃないプラットフォーム共有の功と罪

文/長谷川敦、写真/フォルクスワーゲン、ランボルギーニ、Newspress UK、Favcars.com

【画像ギャラリー】えっ! これも!? フォルクスワーゲングループ傘下の意外なクルマたち

グループの中核たるドイツの国民的自動車メーカー「フォルクスワーゲン」

フォルクスワーゲンといえばこのクルマ。1937年に生まれたタイプ1は、そのフォルムからビートルと呼ばれるようになり、多くのフォロワーを生み出している

 1937年にドイツで誕生した自動車メーカーが「ドイツ国民車準備会社」。その第一号が、やがてビートルの愛称で世界的に大衆車となるフォルクスワーゲン(VW)・タイプ1だ。当時としては驚異的な低燃費と低価格で販売されたタイプ1は目論見どおりの人気を集め、ドイツ国内はもとより、その後2003年まで生産が続けられるほどのロングセラーとなった。

 そもそも「フォルクスワーゲン」という名称自体が「国民車」や「大衆車」を意味しているが、タイプ1で世界に知られるメーカーとなったフォルクスワーゲンは、その後はバリエーションを拡大して現在では高級車も販売するブランドに成長。しかしフォルクスワーゲンの社名は現在でも使われている。

 初代ビートルの大ヒットで業績をあげたフォルクスワーゲンは、1965年にアウトウニオン(現アウディ)を買収。同社の技術を生かして開発されたFF車のゴルフが1974年に販売されると、これもまた世界的な人気を集めた。

 1980年代に入るとフォルクスワーゲンは拡大戦略を進めることになり、スペインのセアトやチェコのシュコダを買収し、ベントレーやブガッティなどの伝統あるメーカーもフォルクスワーゲンの傘下に収まった。

 この勢いはとどまることを知らず、2010年代初頭にはついにドイツの名門ポルシェもフォルクスワーゲングループの一員となった。このポルシェ買収に関してはいろいろと複雑な事情もあるが、それは第2回で紹介する。

 こうして現在では、世界第2位の自動車生産台数を誇る巨大自動車メーカー連合となったフォルクスワーゲングループ。その構成メーカーは、「フォルクスワーゲン」を筆頭に「アウディ」「ランボルギーニ」「ポルシェ」「セアト」「シュコダ」「ベントレー」「ブガッティ」「トレイトン」と、そうそうたる有名メーカーが名を連ねている。ここからは、各メーカーの歴史や特徴などを個別に見ていくことにしよう。

フォルクスワーゲングループの古参かつ稼ぎ頭 「アウディ」

1930年代には精力的にレース活動を行ったアウトウニオン。写真のタイプD(1939年)はスーパーチャージャー付きV12エンジンをミドシップに搭載する

 1932年、世界恐慌からくる経済危機に対応するため、ドイツの自動車メーカー4社「アウディ」「DKW」「ホルヒ」「ヴァンダラー」が合併し「アウトウニオン」を設立。自動車連合を意味するアウトウニオンは、メンバー会社がそれぞれ得意とするジャンルの自動車を販売し、競争力を確保していた。現在も続くアウディのシンボル「フォーシルバーリングス」は、この4社が由来になっている。

 1958年、ドイツのダイムラーベンツはアウトウニオンの株式を取得して自社のグループ企業とした。そして1964年、今度はフォルクスワーゲンがダイムラーの持つアウトウニオン株の買い取りを開始し、翌年には完全な傘下に収めることになった。

 アウトウニオンはフォルクスワーゲングループの一員となった後にアウディのブランド名を復活させ、さらに1985年には社名もアウディに変更している。この80年代には公道自動車向けの4WDシステムを開発して世界ラリー選手権(WRC)にも4WDのクワトロで参戦。女性初のWRC優勝ドライバーの誕生に貢献するなど大活躍を演じている。

 近年のアウディは、スポーツカーやセダン、SUVなどのラインナップに加えて電気自動車のe-tronもリリース。次世代パワーユニット車の開発にも積極的な姿勢を見せている。高級車のラインナップも多いアウディの売り上げは、フォルクスワーゲングループ全体の中で占める割合も大きく、グループの強化に貢献している。

イタリアの猛牛はドイツの血で復活! 「ランボルギーニ」

アウディ傘下になってから開発されたガヤルド。アウディ R8と兄弟車といわれると、なんとなくそう見えてくるのが不思議だ。500ps超えのV10エンジンを搭載

 農業用トラクターの製造・販売で成功したイタリアのランボルギーニ社がスーパースポーツカーの開発にのり出したのが1963年。熱心な自動車マニアであった創業者のフルッチオ・ランボルギーニは、市販のスポーツカーに満足できず、自らスポーツカーの開発をスタートさせた。

 流れるようなボディラインを持つ350GTVでカーメーカーとしての第一歩を踏み出したランボルギーニは、その後も個性的なモデルを次々にリリース。我が国で70年代に巻き起こったスーパーカーブームでは、同社のミウラ、カウンタック、イオタなどが少年たちの“スター”になった。

 スーパーカーのラインナップで華やかなイメージのあるランボルギーニだが、1974年のオイルショックが業績に影を落とし、さらにBMWとの提携が失敗に終わったこともあって1978年に破産状態に陥ってしまう。これで創業者の手を離れたランボルギーニは、その後オーナー企業が変わり、紆余曲折を経て1987年にはアメリカ・クライスラーの傘下に入った。

 クライスラー時代はそれほど長く続かず、インドネシアの財閥グループへいったん売却された後、1999年にはアウディがランボルギーニの株式を取得する。以後は現在に至るまでアウディの子会社、つまりフォルクスワーゲングループのメンバーになっている。

 アウディとの提携により、ランボルギーニのモデルには同社の技術が投入されることになった。有名な例が2003年に登場したV10エンジン搭載のスポーツカー・ガヤルドで、このモデルはアウディR8(初代)と共通のプラットフォームをもち、エンジンや駆動系も共有。イタリアの情熱にドイツの理性が注入されたガヤルドは、それまでのランボルギーニ製マシンの伝統を引き継ぎながら、より信頼性と汎用性の高いモデルに仕上げられた。ガヤルドの後継車ウラカンもまた、2代目R8の兄弟車だ。

 フォルクスワーゲングループ紹介の第1回はここまで。第2回はスポーツカーメーカーのポルシェをはじめ、ブガッティやベントレーなど、フォルクスワーゲングループの個性豊かなメンバーたちを紹介していきたい。

【画像ギャラリー】えっ! これも!? フォルクスワーゲングループ傘下の意外なクルマたち

こんな記事も読まれています

VW、実用的な高級車「ID.7ツアラー」 荷物 "積み放題" の電動ワゴン 約1000万円から受注開始、欧州
VW、実用的な高級車「ID.7ツアラー」 荷物 "積み放題" の電動ワゴン 約1000万円から受注開始、欧州
AUTOCAR JAPAN
ヴァレオが電動化技術を中心に出展へ…北京モーターショー2024
ヴァレオが電動化技術を中心に出展へ…北京モーターショー2024
レスポンス
スズキ「ジムニー」が743万円! タイではセレブの趣味車でした。インド生産の「スイフト」の弟分「セレリオ」は143万円。日本導入を希望します
スズキ「ジムニー」が743万円! タイではセレブの趣味車でした。インド生産の「スイフト」の弟分「セレリオ」は143万円。日本導入を希望します
Auto Messe Web
ホンダ、CB650R/CBR650Rにレバー操作不要な「Eクラッチ」設定 外観も一新
ホンダ、CB650R/CBR650Rにレバー操作不要な「Eクラッチ」設定 外観も一新
日刊自動車新聞
バイクニュース今週のダイジェスト(4/15~19)
バイクニュース今週のダイジェスト(4/15~19)
バイクブロス
大型・中型車もAT限定免許、「物流の2024年問題」で警察庁が導入検討[新聞ウォッチ]
大型・中型車もAT限定免許、「物流の2024年問題」で警察庁が導入検討[新聞ウォッチ]
レスポンス
ビッグモーターで「50台以上」が盗難被害に!? 「自作自演?」の声あるが…真相は? 元関係者語る実態とは
ビッグモーターで「50台以上」が盗難被害に!? 「自作自演?」の声あるが…真相は? 元関係者語る実態とは
くるまのニュース
春だね! 桜が描かれた原付ご当地ナンバー
春だね! 桜が描かれた原付ご当地ナンバー
バイクのニュース
アウディの新型電動SUV『Q6 e-tron』にロング版「L」…北京モーターショー2024で発表へ
アウディの新型電動SUV『Q6 e-tron』にロング版「L」…北京モーターショー2024で発表へ
レスポンス
[新型ランドクルーザー250モデリスタ]今回はオフロード感マシマシで「オプカン」ホワイトレターも!! お馴染みのLEDも付いちゃうゾ
[新型ランドクルーザー250モデリスタ]今回はオフロード感マシマシで「オプカン」ホワイトレターも!! お馴染みのLEDも付いちゃうゾ
ベストカーWeb
街で見かけるダイハツ車たちがサーキットを攻める!「D-SPORT & DAIHATSU Challenge Cup 2024」に密着してみた
街で見かけるダイハツ車たちがサーキットを攻める!「D-SPORT & DAIHATSU Challenge Cup 2024」に密着してみた
くるまのニュース
[新型ランドクルーザー250内装解説]12.3インチの巨大モニターもいいけど8インチで十分じゃね??  スイッチとかめっちゃ使いやすいやん絶対
[新型ランドクルーザー250内装解説]12.3インチの巨大モニターもいいけど8インチで十分じゃね??  スイッチとかめっちゃ使いやすいやん絶対
ベストカーWeb
「メーカー公認」で丸目換装!! ランクル250の激推しオプションを見逃すな なぜか不遇の「GX」も泣けるぞ
「メーカー公認」で丸目換装!! ランクル250の激推しオプションを見逃すな なぜか不遇の「GX」も泣けるぞ
ベストカーWeb
ホンダ新型「オシャレ軽商用バン」発売! エレガントな進化に早くも反響!? 130万円台で買える改良「N-VAN」が登場
ホンダ新型「オシャレ軽商用バン」発売! エレガントな進化に早くも反響!? 130万円台で買える改良「N-VAN」が登場
くるまのニュース
ヤマハの電アシ「PAS Brace」 日常使いしやすいスポーティコミューターの2024年モデルを発売
ヤマハの電アシ「PAS Brace」 日常使いしやすいスポーティコミューターの2024年モデルを発売
バイクのニュース
JSR、産業革新投資機構によるTOBが成立 2024年夏にも上場廃止
JSR、産業革新投資機構によるTOBが成立 2024年夏にも上場廃止
日刊自動車新聞
ゲレヴァー好きですか?レストアされたレアなオフローダー「メルセデス 300 GD」で冒険の旅へ、150万キロ感動の物語
ゲレヴァー好きですか?レストアされたレアなオフローダー「メルセデス 300 GD」で冒険の旅へ、150万キロ感動の物語
AutoBild Japan
アルピーヌF1、中国GPで新"軽量版"シャシー投入&フロアアップデートも実施……最下位脱出に向け奮闘中
アルピーヌF1、中国GPで新"軽量版"シャシー投入&フロアアップデートも実施……最下位脱出に向け奮闘中
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

19件
  • 2021/10/21 10:48違反報告
    いつの時代の話し?


    2021/10/21 19:37違反報告

    文 盲
    話しと書いて文学ではハナシとも読む。

    もっと本を読みなさい、経験の浅い低所得層君。
  • なら、ボルボは中華製か?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2364.93136.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

928.02700.0万円

中古車を検索
ガヤルド (クーペ)の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2364.93136.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

928.02700.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村