最終モデル4リッター
人によっては「史上最も醜いジャガー」という不名誉な称号で呼ぶこともある車ではありますが、どの車にも似ていないスタイリングは見るた
2007.6.9
- 総評
- 最終モデル4リッター
人によっては「史上最も醜いジャガー」という不名誉な称号で呼ぶこともある車ではありますが、どの車にも似ていないスタイリングは見るたびにはっとさせられます。私はむしろXK8よりも好きなくらいです。
猫足とまでは言えませんがしっとりとした乗り味も癖になります。
ジャガー/イギリス車好きにはそのアイデンティティが濃く感じられるので非常に楽しい車だと思います。ただしドイツ車や日本車のような精密さは感じられません。
最後期型(94~96年式)の4リッターはプレミアがついて高い金額を出さなければ手に入りませんが、どうしてもビッグバンパーでなければ嫌という人でなければ、逆に93年までのマイチェン前のモデルはお買い得です。
4リッターのオープンモデルはディーラーでの取り扱いがなかったため、ディーラー車は存在していません。この点は注意が必要です。
- 満足している点
- ○流麗なスタイリング
クルマに興味のない人でも思わず振り返るデザイン。
注目度は抜群です。
○ジャガー特有の乗り味。
段差を全ていなしてしまうようないわゆる猫足を期待するとがっかりするかもしれませんが、独特のしっとりした感じは健在で、ジャガーらしさを十分味わえます。
○意外にスポーティ
車重は4リッターモデルでも1800kg超とかなりの重量級で、モデルとしての位置づけもGT(高速ツアラー)なのですが、ワインディングでもことのほか楽しいクルマです。ノーズが長い代わりに後輪が運転席のすぐ後ろにあるため、後輪の状態が手にとるように分かります。ハンドリングも、ブレーキングで前輪に荷重をかければ結構よく曲がります。
○豪華な内装、すわり心地のよいシート
4リッターは、リミテッド以外のモデルはハーフレザーですが、それでも十分豪華さが味わえます。シートは固めですが長時間ドライブしても疲れを感じさせません。
○よく利くブレーキ
ブレーキはかなり強力です。日本車から乗り換えると驚きます。
- 不満な点
- ○設計年次の古い事
デビューが1975年なのでシャシー設計が古く(XJ6シリーズ3と同じ)、整備性が悪いので何かと細かい修理にお金がかかってしまいます。ブッシュ代2万の交換工賃が12万、とか部品代と工賃の逆転現象がよく起こります。
グリスアップなども必要なので、現代の車と比べるとどうしても手がかかります。そのあたりを苦としない人、自分で整備をする人にとっては問題にならないところでしょう。
○ボディー剛性の弱さ
ボディー剛性はあまり強くないです。ただしそのあたりも「味」に通じていると思います。
○乗り降りしにくい
車高がかなり低く、サイドシルも高い上、ドアが大きいのでかなり乗降性は悪いです。この辺りはデザインと引き換えなので仕方ないでしょう。
○狭い室内
イギリスの古いスポーツカーの常で、かなり狭いです。運転する上で
囲まれ感はよいのですが、実用性から見るとちょっと問題のあるレベルです。
○内装のたて付けが悪い
これも慣れてしまえばそんなに気にはなりません。設計年次が古いせいもあります。年式相応ではありませんが、アンティーク家具と同じで雰囲気はよいです。
※履歴のしっかりした車を選ぶ
短所というより注意事項ですが、整備記録がきちんとしている車を買うことです。手の入った車ならそんなに壊れることはありません。逆に現状販売の記録簿なしなどを買ってしまうと消耗品関係がどんどんダメになって行き、かなりのお金がかかります。
- デザイン
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- 走行性能
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