現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 『ジャガーXJ-S』意外な速さを見せたビッグキャット【忘れがたき銘車たち】

ここから本文です

『ジャガーXJ-S』意外な速さを見せたビッグキャット【忘れがたき銘車たち】

掲載 更新 1
『ジャガーXJ-S』意外な速さを見せたビッグキャット【忘れがたき銘車たち】

 モータースポーツの「歴史」に焦点を当てる老舗レース雑誌『Racing on』と、モータースポーツの「今」を切り取るオートスポーツwebがコラボしてお届けするweb版『Racing on』では、記憶に残る数々の名レーシングカー、ドライバーなどを紹介していきます。今回のテーマは、グループAレースに参戦したジャガーXJ-Sです。

* * * * * *

『ニッサン・シルビア』レーシングカーとしても一線級だった走り屋御用達マシン【忘れがたき銘車たち】

 1985年の第1回インターTEC。グループAマシンの国際交流マッチとも言えるこの一戦で、同年にグループAによる全日本選手権が始まったばかりの日本車勢は、ボルボ240ターボの驚速ぶりに圧倒され、完敗。大きな衝撃を受けた。

 それから1年後の1986年第2回インターTECでは、前年覇者でこの年もレースを制することになるボルボの活躍も見逃せなかったが、もう1台、結果は残らずとも“印象的な速さ”を披露するマシンがいた。それが、ジャガーXJ-Sである。

 ジャガーXJ-SがグループAのレースシーンに登場したのは、1982年のこと。この年は、カテゴリーの再編でグループCカーレースなどとともに新たにツーリングカーレースとしてグループA規定が施行され、ヨーロッパ・ツーリングカー選手権(ETC)が同規定のレースになった年であった。

 ジャガーXJ-Sは、5.4リッターV型12気筒という大排気量のエンジンを搭載。レーシングカーになっても1400kgを超す車重があったため、レースをするには、不利なラグジュアリー要素の強いクーペだったが、TWRの車両を開発、製作する技術の高さもあって、ジャガーXJ-Sはレーシングカーとして活躍した。

 1984年にはマニュファクチャラーズタイトルは逃したものの、ウォーキンショー自身がETCでドライバーズチャンピオンに輝いた。

 ちなみに余談ではあるが、この時の手腕を買われたことも一因となってTWRは、ジャガー本社との結びつきを強め、のちにグループCカー、ジャガーXJRシリーズを手がけ、同社がル・マン24時間を制覇することにも繋がっていくことになる。

 そんなジャガーXJ-Sが日本のレースへと参戦したのは前述の通り、1986年のこと。この頃すでにETC制覇から2年が経っていて、TWRとしてもローバー・ヴィテスのほうに注力していた頃だったが、ジャガーXJ-Sは1986年のインターTECにスポット参戦を果たす。

 ジャガーXJ-Sは、重量級ながら大排気量エンジンによるパワーを富士スピードウェイで活かすことができ、予選からその速さを存分に発揮する。

 1台が前年ボルボが記録したタイムを2秒近くも上回る速さでポールポジションを獲得。国産勢も台頭し、スタリオンが予選2番手に入ったものの、3番手にはまたジャガーXJ-Sがつけ、ポテンシャルの高さをアピールしたのだった。

 決勝では、スタートから2台のジャガーとホールデン・コモドアによるトップ争いが繰り広げられたが、わずか6周目で1台のジャガーが脱落。

 もう1台のジャガーXJ-Sはその後、トップに立ったボルボを追って2番手を走っていたが、スタートから2時間半というところでトラブルによって戦線離脱。本命と目されていながらも2台揃ってリタイアという結果に終わってしまった。

 レースでこそ結果を残すことができなかったジャガーXJ-Sだが、1986年も勝ったボルボとともに日本車勢に強く印象を残こしていった1台だったと言えるだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

次期シトロエンC5エアクロス 「ほぼ」このカタチで発売へ! 大胆フラッグシップSUV
次期シトロエンC5エアクロス 「ほぼ」このカタチで発売へ! 大胆フラッグシップSUV
AUTOCAR JAPAN
HKSの「R34スカイラインGT-R」は8800万円!「シビックタイプR」「GRヤリス」など、2025年注目の新作を紹介します!
HKSの「R34スカイラインGT-R」は8800万円!「シビックタイプR」「GRヤリス」など、2025年注目の新作を紹介します!
Auto Messe Web
HEREテクノロジーズ、ソニー・ホンダと提携 EV「アフィーラ」に統合マッピング技術を提供
HEREテクノロジーズ、ソニー・ホンダと提携 EV「アフィーラ」に統合マッピング技術を提供
日刊自動車新聞
ケータハムが次世代EVクーペ「プロジェクトV」の最新プロトタイプを公開
ケータハムが次世代EVクーペ「プロジェクトV」の最新プロトタイプを公開
カー・アンド・ドライバー
ビンファスト、タクシー向けEVを4車種発表、SUVやミニバンも
ビンファスト、タクシー向けEVを4車種発表、SUVやミニバンも
レスポンス
「“GR”プロボックス」みたいな“スポーティ仕様”展示! RIDE+TECHの「市販版カスタム」! 精悍ブラックに仕上げられた「もはや商用車じゃない商用車」がオートサロンに登場
「“GR”プロボックス」みたいな“スポーティ仕様”展示! RIDE+TECHの「市販版カスタム」! 精悍ブラックに仕上げられた「もはや商用車じゃない商用車」がオートサロンに登場
くるまのニュース
日野エンジン不正問題、米当局と制裁金12億ドルで和解、三菱ふそうと統合協議再開も[新聞ウォッチ]
日野エンジン不正問題、米当局と制裁金12億ドルで和解、三菱ふそうと統合協議再開も[新聞ウォッチ]
レスポンス
[15秒でわかる]スズキ『ソリオバンディット』新型を先行公開…東京オートサロン2025
[15秒でわかる]スズキ『ソリオバンディット』新型を先行公開…東京オートサロン2025
レスポンス
国民ブチギレ! ガソリン補助金廃止で「10円値上げ」 家庭だけじゃなく物流にも影響で値上げ波及か 25.1円安くなる「暫定税率廃止」はいつ?
国民ブチギレ! ガソリン補助金廃止で「10円値上げ」 家庭だけじゃなく物流にも影響で値上げ波及か 25.1円安くなる「暫定税率廃止」はいつ?
くるまのニュース
一体なぜか説明できる? バイクを停車させる際に左足をつく暗黙ルール
一体なぜか説明できる? バイクを停車させる際に左足をつく暗黙ルール
バイクのニュース
ダカール・ラリー2025、最終日を前に総合首位入れ替わり。オーバードライブ・トヨタのアル・ラジが優勝に一歩近付く
ダカール・ラリー2025、最終日を前に総合首位入れ替わり。オーバードライブ・トヨタのアル・ラジが優勝に一歩近付く
motorsport.com 日本版
若者はどうして庭の植栽が気になったのか? 新米のら猫コンサルが見た自動車ディーラー「若者のリアル」(9)
若者はどうして庭の植栽が気になったのか? 新米のら猫コンサルが見た自動車ディーラー「若者のリアル」(9)
日刊自動車新聞
スズキ ソリオの一部仕様変更でスイフトと同じエンジンを搭載
スズキ ソリオの一部仕様変更でスイフトと同じエンジンを搭載
Auto Prove
“マイチェン”版のスズキ「ソリオ」初公開に反響多数! “大刷新”で激変した顔に「賛否両論」!? トヨタ「ルーミー」“ライバル”の「5人乗りハイトワゴン」に寄せられた声とは
“マイチェン”版のスズキ「ソリオ」初公開に反響多数! “大刷新”で激変した顔に「賛否両論」!? トヨタ「ルーミー」“ライバル”の「5人乗りハイトワゴン」に寄せられた声とは
くるまのニュース
片持ちスイングアームなど国産車にも負けない充実装備!! CFMOTO「250SR-S」60万円台で日本導入
片持ちスイングアームなど国産車にも負けない充実装備!! CFMOTO「250SR-S」60万円台で日本導入
バイクのニュース
トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ...ワイド&ローのフォルムに注目だ!
トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ...ワイド&ローのフォルムに注目だ!
レスポンス
TE27レビンからGR86まで乗り比べできる! ハチロクファンに捧げるスペシャルイベント「86 WINTER FESTIVAL」が開催決定
TE27レビンからGR86まで乗り比べできる! ハチロクファンに捧げるスペシャルイベント「86 WINTER FESTIVAL」が開催決定
WEB CARTOP
ジヤトコ、英国にEVパワートレイン生産会社を設立 2026年から英国日産に供給
ジヤトコ、英国にEVパワートレイン生産会社を設立 2026年から英国日産に供給
日刊自動車新聞

みんなのコメント

1件
  • そりゃワークスが手掛けりゃ、そこそこにはなるよ。
    BBやディアブロだって存在したんだし。

    要はその個体を持ってして出場する心意気に拍手を送るべきだ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1050.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

209.8665.0万円

中古車を検索
XJ-S クーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1050.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

209.8665.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村