ホンダ ステップワゴンスパーダ 「おススメはハイブリッド」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

おススメはハイブリッド

2022.11.22

年式

2022年5月〜モデル

総評

スタイルやインテリアなどこの雰囲気が気に入ったら“買い”でしょう。室内は居心地の良さが重視され、ホンダの日本向け車両としては最大の室内空間となり、従来のステップワゴンには採用のなかった2列目オットマンも装着。何が言いたいかというと、快適性はかなりのレベルだってこと。車酔いしないように乗り味や視界をチューニングしたのも、気づかれにくいですが地味にうれしいポイント。

満足している点

とにもかくにもその雰囲気だと思います。ノア／ヴォクシーやセレナといったライバルとは異なり、スッキリとしたシンプルなエクステリアはまるで無印良品のような感じ。好感を持てる人も多いのではないでしょうか。もうひとつ、左右跳ね上げではなく床下に格納できる3列目シートはライバル勢が搭載しておらず、日常的に3列目を畳む人にとっては大きなアドバンテージとなることでしょう。

不満な点

ズバリ、先進運転支援システムがライバルよりも遅れていることです。先代に比べると安全システムは大きく進化しているのですが、ライバルであるノア/ヴォクシーのフルモデルチェンジでの進化幅が大きすぎました。高速道路での渋滞時にハンドルから手を離しての運転まで用意しているのですから。そのため大きく差がついてしまったのです。ただ、そのあたりに関しては「ライバルが進みすぎた」というだけであり、新車全般的に見ればステップワゴンが劣っているというわけではありませんが……。

デザイン

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エアロ仕様の「スパーダ」でも、ノアやヴォクシーに比べるとスッキリとしたデザインですね。控えめな上質さという感じです。ライバルの「オラオラ系」と好みが分かれると思いますが、個人的にはステップワゴンのほうが好きです。新型はどことなく初代や2代目の雰囲気があり、一周回って元に戻った感じがしませんか？

走行性能

4

セレナは現時点では未試乗なので比較評価できませんが、ノア/ヴォクシーに比べると走行性能ではリードしていると判断できます。ガソリンも、ハイブリッドもです。その理由は、ガソリン車はエンジンの違い。ステップワゴンに積む1.5Lターボエンジンは排気量小さめですが、ターボのおかげで低回転からトルクが太くて運転しやすいのがいいですね。ハイブリッドは高速域を除きモーター駆動のみに頼ることでノア/ヴォクシーよりもダイレクト感や爽快感が高いのがアドバンテージです。ハイブリッドのほうがドライバビリティはいいですね。

乗り心地

5

硬すぎず滑らかすぎずのちょうどいい塩梅。フルモデルチェンジで車体サイズを拡大し、室内が広くなったうえ、さらに2列目のオットマンもつくのだから快適です。どの席に乗っていても、車体が大きく揺すられる感覚がないのがいいですね。パワートレインの滑らかさはハイブリッド圧勝です。同乗者も静粛性や振動で違いを感じられます。

積載性

5

ライバル同様に3列目を倒せばほとんどのSUVやステーションワゴンを超える広い荷室が確保できます。キャンプに行く人にもおススメですね。そのうえで強調しておきたいのは、ライバル（ノア/ヴォクシーやセレナ）と異なる3列目格納方法。ライバルは左右跳ね上げですが、ステップワゴンは床下格納で畳んだ際に邪魔にならないのが魅力です。これ、日常的に3列目を畳んで使う人にはとても都合がいいんですよね。

燃費

4

カタログ記載値はガソリン車（FF）で13.2km/L〜13.7km/L。ハイブリッド車は（FF）は19.5km/L〜19.6km/L。その数字だけでいえばノアやヴォクシーの最新モデルには届いていません。それは事実です。ただ、燃費に不利な車体形状や重量を考えれば十分に優れた燃費と言えるでしょう。加えて、ノアやヴォクシーに対して勝っている加速時のドライバビリティと天秤にかければ、ステップワゴンだって魅力的です。

価格

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ガソリン車は299万8600円からと300万円切りのステップワゴンシリーズですが、上級タイプの「スパーダ」は325万7100円から。「e:HEV」と呼ぶハイブリッドのスパーダは364万1000円からですね。ハイブリッドの最上級グレード「e:HEVスパーダ プレミアムライン」は384万6700円となります。お買い得感でいえばプレミアムラインではない「スパーダ」がベストかもしれません。