ホンダ N-BOX 「トータルでの完成度が高い」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

トータルでの完成度が高い

2023.11.28

年式

2023年10月〜モデル

総評

毎日使う道具としてよくできています。新型は「従来型に対して新しくなった気がしない」なんて言われたりもしていますが、運転感覚や乗り心地、静粛性などは明らかにレベルが引き上げられています。ライバルに対して「どこかが飛びぬけて優れている」ということはありませんが、あらゆる方向で少しずつライバルに勝っているので「トータル能力が高い」というクルマですね。

満足している点

走りの質の高さは明らかにライバルの上を行きます。また、後席の広さもライバル超え。ただ、ライバルも程度の差こそあれ、どれも広いのでどれを選んでも後席の広さは実感できますが。

不満な点

走りの質は先代よりもレベルアップし、ライバル以上。なのですが、それを求めていない人にとっては良さを感じにくいかもしれません。あと、ターボエンジンが新型の標準車では選べなくなってしまったのが残念ですね。

デザイン

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シンプルでプレーン。3代目は車体の基本構造を従来型から受け継ぐだけでなくスタイルの雰囲気も継承しているので、旧型との比較はまるで間違い探し状態。それを「新鮮さがない」という人もいるでしょう。しかし「N-BOXらしい」といえるのは間違いないと思います。丸さを強調するヘッドライトとか、側面ではよりシンプルになったフェンダーの造形とか、リヤではナンバープレートの位置（高さ）なんかが新旧を見分けるポイントですね。個人的な話をすると、背伸びをして高級を演じている「カスタム」よりもシンプルな標準車のほうが好き。

走行性能

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まずハンドリングから。運転していて軽自動車の領域を超えていると感じる理由は、応答遅れがないから。ハンドルを切ったあと、しっかりと正確に車体が向きを変えるのでスッと動くし、反応に遅れがないからハンドルを切りすぎて戻すなんてこともないわけです。操縦性はクラスを超えていますね。動力性能もライバル以上の実力。自然吸気エンジンとしてはクラスで最も力があり、CVTのダイレクト感も突き詰めているのでライバルより力強い加速をします。街中やちょっとしたバイパスくらいならこれで十分。しかし、高速道路だとやっぱりターボエンジンが欲しくなりますね（ただ、新型は標準車のターボエンジンがなくなってしまった……）。

乗り心地

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率直に言えばライバル以上。車体がグラグラすることもなく、かといって段差を乗り越えた際などに大きな入力が乗員に伝わるわけでもなく、とてもやさしい乗り心地です。まいった！ちなみに、後席の足元スペース（前後席間距離）はこのクラスでいちばん広いですね。

積載性

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小さな車体かつ後席居住性を重視してリヤシートを車体後方に配置しているので、後席展開時の広さは期待しないほうがいいでしょう。ただ、スライド機能があるので後席を前へ出せば、畳まず人が座れる状態を保ったまま機内持ち込みサイズのスーツケースを4個程度積めるまで荷室を拡大できるのは便利。加えて、ワンアクションでシートを床下へ格納すれば自転車も楽に積めます。ライバルにないアイデアは、後席座面を跳ね上げて後席床に背の高い荷物を積めること。ベビーカーも畳まず置けるのが便利。

燃費

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効率よく運転できる人なら、一般道でも実燃費20km/Lをオーバー。このクルマより燃費のいいライバルも確かにいますが、これだけ走れば十分じゃないでしょうか。よほど荒い運転をするドライバーを除けば、誰が乗ってもそれなりにいい水準の燃費をキープできるのもいいですね。

価格

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FFモデルで164万8900円から。上位タイプの「ファッションスタイル」でも174万7900円。「軽にしては高い！」なんていう声も聞こえてきますが、先進安全装置が充実し、スマートキーや助手席側の電動スライドドアまで標準装備でこの価格は十分にコストパフォーマンスに優れていると思います。いかがでしょう？