ホンダ N-BOX 「洗練度を増して軽ファーストカーとしての需要に応える」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

塩見 智
塩見 智(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
4
走行性能
3
乗り心地
5
積載性
4
燃費
4
価格
3

洗練度を増して軽ファーストカーとしての需要に応える

2023.11.10

年式
2023年8月〜モデル
総評
軽乗用車のキングに上り詰めたN-BOXおよびN-BOXカスタムの最新版ということで、先代のパワートレーンと車台を流用しながらも、さらなる洗練度を盛り込んで登場させてきた。ターボはとうとう200万超えのクルマになってしまったが、300万円近い小型車と比較して上回る部分が結構ある。
満足している点
2代目ですでに軽乗用車として最高レベルに達していた快適性がさらに向上した。特に静粛性。ルーフとフロアの遮音対策をそれぞれ強化した結果、3気筒エンジンのうなるような音が目立たなくなった。N-BOX、N-BOXカスタムともに、ひと目でN-BOXの新型だなとわかるスタイリングもグッド。
不満な点
強いて言えば絶対的な価格が軽乗用車としては高いことが不満だが、きちんと内容が伴っているので割高というわけではない。ファーストカーとしての需要に応える性能と装備なのでOK。よって不満なし。
デザイン

4

N-BOXは存在感のある丸目ヘッドランプにボディ同色グリルの採用で、スッキリしているが貧素ではない顔つきになった。いっぽうN-BOXカスタムはクロームメッキ部分が減り、ギラツキを抑えた顔つきになった。いずれにせよひと目でN-BOXシリーズの最新版だとわかる造形を守った上で新鮮さを盛り込み、2代目オーナーも欲しくなるデザインだ。
走行性能

3

自主規制によって最高出力が制限されているため、絶対的な性能はほぼ変わらないが、アクセルペダルを少し踏んだ際の反応などは確実によくなっている。乗り心地もOK。
乗り心地

5

乗り心地がいいクルマはたいていボディ剛性が高いが、新型N-BOXおよびN-BOXカスタムもそう。高剛性ボディにスムーズに動く足という正攻法で快適な乗り心地を獲得している。静粛性の高さも特筆もの。
積載性

4

ハイトワゴンとしては標準的。だが歴代に通じるセンタータンクレイアウトの採用と、倒した際にフロアとなる後席シートバックの形状工夫がされていて、前輪を外したりできないママチャリがすっぽりと積載できるのはさすが。
燃費

4

ターボのFFが20.3km/L、4WDが18.4km/L、ノンターボのFFが21.6km/L、4WDが19.4km/L(いずれもWLTCモード)というのは軽乗用車ベストではないものの、不満のないレベル。
価格

3

N-BOXが164万8900円〜、N-BOXカスタムが184万9100円、同ターボ車が204万9300円と、ターボはとうとう200万円超えのモデルになってしまったが、目に見えない、数値に表せない部分が進化した結果なので、乗れば納得するはず。高速道路を多用しないならノンターボエンジン搭載モデルで十分。
塩見 智
塩見 智
自動車ジャーナリスト
1972年生まれ。岡山県出身。大学卒業後、地方紙記者、自動車雑誌編集者を経てフリーランスエディター/ライターに。ウェブサイトや雑誌に寄稿を続けてきたが、50歳を機に突如クルマ系YouTubeチャンネル「ソルトンTV」を開設。ややクセ強の新車レビューを公開中。ググってみてください。いいものだけを練馬から!日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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