ホンダ N-BOX 「ファーストカーとしても全然イケる家族で乗りたい軽ミニバン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

まるも 亜希子
まるも 亜希子(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
5
燃費
4
価格
4

ファーストカーとしても全然イケる家族で乗りたい軽ミニバン

2023.5.22

年式
2017年9月〜モデル
総評
軽自動車をファーストカーとして使うというだけでなく、子育て世代のファミリーカーとして脱・ミニバンの先駆者となったのがN-BOXだと思います。家族が豊かになる改良とアイディアを満載にして誕生した現行モデルは、助手席がロングスライドすることで後席への移動、子どものお世話のしやすさ、バックドアが開けにくい場所での荷物の積みやすさまで実現し、「こんなことができたらいいな」という多くのユーザーの願いを叶えてくれました。走れば安定感が高く加速もパワフルで、どんなシーンでもストレスなし。先進安全運転支援技術のHondaSENSINGも全車標準装備ということもあり、全方位で満足度の高い1台です。
満足している点
ユーザーのいろんなスタイルに合わせることができるノーマルのベンチシート仕様と、助手席が57cmものロングスライドとなるスーパースライド仕様、ラゲッジにスロープが付いているスロープ仕様の3タイプが設定されており、ライフスタイルに合わせて選べるのがN-BOXの大きな魅力。人が乗ることよりも、荷物を積むことの方が多い人にとっても、使いやすさの幅が広がる1台だと感じます。
不満な点
タイヤサイズが全て14インチになるので、高速道路を使ったロングドライブを頻繁にする人などには、もう少しガッシリ感が欲しいかもしれません。その場合にはN-BOX Custumのターボモデルで15インチタイヤのモデルを選ぶといいと思います。
デザイン

5

ドッシリした安心感と存在感はありながら、どこか優しい雰囲気もあり万人に似合うデザイン。登場から長い年月が経っていても、古臭さを感じさせない点も秀逸です。コーディネートスタイルを選ぶとルーフやサイドミラーのカラーが変わって洗練された雰囲気にもなり、こだわり派にも満足度が高いと感じます。ノーマルだとチャームポイントになるような斬新さはないですが、アクセサリーが豊富に出ているので、自分好みに仕上げていくベースとして楽しんでもいいと思います。
走行性能

5

プラットフォームからパワートレーンまでを一新した渾身の作として登場しただけに、自然吸気エンジンモデルであってもその走りは軽自動車とは思えないシッカリ感。ターボモデルならなおさらで、加速フィールの余裕もボディのカタマリ感も高いレベルを実現し、パワフルにも微細にも自在に操れるところが秀逸です。剛性感は高いのですが決してガチガチの硬さではなく、しなやかさも手に入れていて、運転しているともはや軽自動車ではなく、“小さなミニバン”に乗っている気がしてきます。
乗り心地

4

カスタムターボでは前席の乗り心地にガッシリとした剛性感と、フラットライドな快適性が両立していることを強く感じますが、タイヤが14インチとなるベーシックなN-BOXでは、穏やかさと安心感が印象的です。後席はホンダならではの座面跳ね上げアレンジができるようになっていることもあり、クッションの厚みやフロアとの設置面がアレンジ優先になっているため少し振動を感じるシーンがありますが、足元が広く開放的な雰囲気の効果もあって、乗っていて不快になることはありません。
積載性

5

N-BOXの強みはなんと言ってもフロアの低さ。ライバルのタントと比べると、荷室フロアが10cm以上タントより低く、後席のダイブダウンも低めに収まります。余計な出っ張りも少ないスクエアなスペースなので、自転車など大きな荷物を積む人や、大量に積みたい人にぴったり。フラットなフロアは車中泊にも向いています。また、後席の座面を跳ね上げることができるので、背の高い荷物が積みやすいほか、片側の座面に座って靴を履き替えたり、子供が立ったまま着替えをするなど、いろんな空間の使い方ができます。
燃費

4

ホンダのクルマの多くに付いている「ECON」スイッチがN-BOXにもあります。このスイッチを押すだけで、エンジンやエアコンなど燃費に関係するものを自動で制御して低燃費走行を実現してくれるので、運転初心者でも燃費が悪くなりにくいと思います。ベースグレードのFFでカタログ燃費が21.2km/L(WLTCモード)となっており、実際のロングドライブで高速6:一般道4の割合(エアコン25度オート)で、17.0km/L程度まで出すことができました。
価格

4

ベーシックなGは146万8500円からですが、快適装備を考えるとパワースライドドアが装備されるL(159万9400円)以上が望ましいところ。子育て世代や介護世代には、助手席がスライドしてセンターウォークスルーが可能となるEX(169万8400円)がオススメですが、それでもニッサン・ルークスなどと比べるとお買い得感があります。ターボモデルに関してもルークスより9万円くらい安い設定。ですが、外観のツートーンカラーや装飾にこだわるコーディネートスタイルにすると価格がアップし、ルークスの方がお買い得になるグレードも出てくるという状況です。
まるも 亜希子
まるも 亜希子
自動車ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌編集者を経て独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員。YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」、「おっさん on boad」にも出演中。
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