ホンダ フリードハイブリッド 「相変わらず「ちょうどいい」ファミリーカー」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

相変わらず「ちょうどいい」ファミリーカー

2021.2.22

年式

2016年9月〜モデル

総評

ACCが全車速対応ではない点については改善を求めたいですが、それ以外はサイズ感もデザインも走りも、そして燃費性能も、本当に「ちょうどいい」としか言いようのない車です。大きすぎないファミリーカーを比較的手頃な予算で探したい場合には、必ずチェックしてみるべき一台だと言えます。

満足している点

初代は「ちょうどいいホンダ」というキャッチフレーズを伴って登場したホンダ フリードは、2代目となった現行モデルもまさに「ちょうどよさ」が魅力となる車です。大家族や大荷物を載せる予定が特にないのであれば、この「ちょうどいいサイズとパワー」そして「ちょうどいい感じのシンプル系デザイン」は魅力的です。

不満な点

Honda Sensingが全車標準装備で、そこにACC（アダプティブ・クルーズ・コントロール）も含まれているのはいいのですが、全車速対応型ではなく「下限速度30km/L」という設定になっています。これだと高速道路の渋滞時には使えませんので、そこには不満を感じます。

デザイン

4

「ゆとりある車内空間とコンパクトさ」という相反する要素を上手にまとめたフォルムとデザインは、嫌味のない万人受けするもの。2019年10月のマイナーチェンジでフロントマスクはより洗練されたイメージに変わり、SUVスタイルの「CROSSTAR（クロスター）」も新設定。クロスターは外観がSUV風味になっているだけでなく、シートのステッチがオレンジの差し色になるなど、インテリアも標準モデルとはひと味違う仕立てになっています。

走行性能

4

パワーユニットは1.5Lガソリン直噴エンジンと、1.5Lのアトキンソンサイクルガソリンエンジン モーターとなるハイブリッドの2種類。両者とも、もちろん「速い！」と感じる類の車ではありません。しかし街中でも高速道路でも、動力性能にこれといった不満は感じることはないはず。ACC（アダプティブ・クルーズ・コントロール）も直近のマイナーチェンジでリファインされ、自動的な加減速はよりスムーズになっています。

乗り心地

3

乗り心地は、この種の車としては標準的といえるものですが、ガソリン車よりもハイブリッドのほうが「しなやかな感触」があります。また乗り心地とは少しズレる話かもしれませんが、3列目はさすがにやや狭いため、大人が座ると、いわゆる「体育座り」になります。

積載性

4

3列目シートを使う場合の荷室は激狭ですが、3列目をたたんでおけば、もしくはそもそも3列目シートが存在しない「フリード＋」を選べば、低床ということもあって積載性は良好です。また2列目もたたんでしまえば、大きめな自転車なども余裕で収容可能です。

燃費

4

フリードのWLTCモード燃費は、ガソリン車が15.6〜17.0km/Lで、ハイブリッド車が19.8〜20.8km/L。車重が重い4WDはさておき、2WDであれば「まずまず良好」といえる水準です。そしてカタログ燃費ではなく「実燃費」も、カタログ値とさほど大きな開きはない車です。

価格

4

装備が充実している「G・Honda Sensing」では、2WDのガソリン車（6人乗り）が216万400円で、同じく2WDのハイブリッド車（6人乗り）が256万1900円。SUVデザインのクロスターは278万1900円と少しだけお高くなりますが、全体として、車格や装備内容から考えると「リーズナブル」だと言えます。