BYD ドルフィン 「長距離も快適な実力派コンパクトEV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

まるも 亜希子
まるも 亜希子(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
5
燃費
5
価格
5

長距離も快適な実力派コンパクトEV

2024.2.26

年式
2023年9月〜モデル
総評
機械式立体駐車場に入る全高に抑え、都市部でも使いやすく、後席が広いのでファミリーユースにもピッタリ。その一方でセカンドカーとしてパーソナルユースにもちょうどよく、時には長距離も走れて使い勝手が抜群。まるで海の中を泳いでいるようなデザインや音の演出が楽しく、ほかにはない世界観が味わえます。CHAeMOにもV2Hにも対応しており、幼児置き去り防止装置など標準装備される安全装備が満載なのも魅力的なコンパクトEVです。
満足している点
日本ユーザーの好みやカーライフを徹底的にマーケティングした、日本仕様にしてくれているところ。都市部に多い機械式立体駐車場の高さ制限1550mmに合うように、本国では1570mmある全高(アンテナ含む)を20mm下げていることにはじまり、右ハンドルとなるだけでなくウインカーも日本人が使い慣れている右に設置。充電では日本の急速充電の規格であるCHAdeMOに対応し、日本人ユーザーから要望の多い、誤発進抑制システム(正式名称はペダル踏み間違い時加速抑制装置)も全車に標準装置としているところが素晴らしいです。
不満な点
先進の安全運転支援装備は抜かりなくそろっており、市街地から高速道路まですごく安心感が高いと感じます。ただ、これはすぐに改善されていくと思いますが、ACC作動中のステアリングアシストがやや大きく入り、車線変更の際の死角にいる車両を検知して出る警告音も、日本人の感覚だとやや遠くにいる車両まで検知するので、ちょっとうるさいと感じる場面も。安全に関する部分なので、作動しないよりはぜんぜん良いのですが。
デザイン

5

人懐こいイルカの瞳のようなヘッドライトにはじまり、フレンドリーさのあるフェイス、海面からイルカがジャンプするような勢いのあるサイドのキャラクターラインなど、個性と世界観がしっかり伝わってくるデザインだと思います。海のイメージはインテリアにも通じており、イルカの胸びれをモチーフとしたドアハンドルや、波を思わせるエアコンアウトレットなど、見ているだけで楽しくなります。そこに、スイッチで縦にも横にも回転する大型ディスプレイといった先進的なパーツも加わり、ほかにはないデザインとなっています。
走行性能

5

スタンダードもロングレンジも、踏み始めからビュンとモーターらしさを強調するようなものではなく、ガソリン車から乗り換えても違和感のない、馴染みやすいフィーリングです。市街地では軽やかな中にもシッカリとした低重心感と、加減速のコントロールのしやすさが好印象。いわゆるワンペダル的な強い減速Gではなく、あくまで頭で思い描くのと同じ感覚の減速をしてくれるところは、EV初心者にも扱いやすいはずです。スタンダードでも不足のないパワーはありますが、ロングレンジになると追い越し加速などもさらにラクになり、上質感のある加速フィールが味わえます。
乗り心地

5

シートの座り心地はちょっとソフトで、身体をふわっと包んでいる感覚。路面からの振動もクッションで受け止めてくれるようで、前席だけでなく後席でもとても快適です。スタンダードはリアサスペンションがトーションビームですが、ロングレンジでは重量が160kgほど増量することなどに合わせてマルチリンク式に変更しており、乗り心地もややしっとり感がアップしているように感じます。ファミリーで使う人や乗り心地重視の人なら、ロングレンジのほうが満足度が高いかもしれません。
積載性

5

5人乗車時の荷室容量は345Lで、普段の買い物などの荷物がしっかり詰める広さを確保。開口部の形状も無駄なく大きく、ほぼ出っ張りのない形状を実現しているので、荷物が引っ掛からず積みやすいと思います。6:4分割の後席を倒せば、容量は1310Lに拡大。少し傾斜はするものの、段差のないスペースなので使いやすいでしょう。
燃費

5

電費はいいと思います。WLTCモードでスタンダードが129Wh/km、ロングレンジが138Wh/kmで、主要なライバルと比べてもいい数値。それが一時的な良さではなく、バッテリーの劣化を抑制し、効率的な充電をするための温度管理技術にも自信を持っているBYDだけに、使い続けてもずっと安定的な走行距離が保たれることが期待できます。
価格

5

スタンダードが363万円、ロングレンジが407万円という価格そのものにも衝撃を受けましたが、この価格でロングレンジにはパノラミックガラスルーフをはじめ贅沢装備が付いており、スタンダードでも安全装備や快適装備などの標準装備が充実しているという、コスパ最強の1台です。
まるも 亜希子
まるも 亜希子
自動車ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌編集者を経て独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員。YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」、「おっさん on boad」にも出演中。
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