BMWアルピナ B5 のみんなの質問

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skyactivエンジンは何故高圧縮比なのに高出力じゃないのでしょうか?

skyactivエンジンは高圧縮比を実現しているのになぜ出力が大したことないんでしょう?
skyactiv前の直噴エンジンや他社の同クラスエンジンの出力と大して変わらないです。

燃費重視のセッティングなのかなとも思ったのですが、skyactiv前のエンジンも燃費重視にしていたはずです。

よろしくお願い致します。

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ベストアンサーに選ばれた回答

signcoffeesignさんへ

お話の筋からして、-Gの方の事だと思います。のでそちらの線で。d(^^)

先ず、誤解されている点の指摘から。
圧縮比というのは、実は二の次なのです。真っ先に問題にすべきは、充填効率の高さ(良さ)です。
だからチューナーの皆さんは、ヘッド周りのチューニングに手間暇を掛けるのですし、アメリカでは古くから「フローベンチ」なる、電動送風器と負圧計を装備した試験台が売られていたりします。
ポートやバルブのリフトやシート当たり面との角度や位置等を色々変えつつ、吸気が抵抗無く流れる形状を探し出すのです。
大事な充填効率が上がらない。から、圧縮比を上げてしまってもトラブらない。と言う側面も見て下さいな。

限界は、ノッキングに代表される自己不正着火の有無、発生率で判断します。
特記しておきたいのは、低回転域はピストンの移動速度が遅い為に、燃焼室周辺部に火炎が伝搬する頃に成ってもピストンが逃げて行ってくれてません。から、周辺部で未燃のガスが圧縮されてノッキングを起こす。
これが高回転域だと、火炎が伝搬する頃にはピストンが下がり始めていて、微視的に見た実質的な圧縮比が下がり始めている事に成ります。からノッキングが問題に成り難い、のです。d(^^)

で・・・。

エンジンは、燃焼で得た高圧を膨張させて仕事に変換して取り出す物です。から、大きく膨張させればさせる程、変換の効率が良く成ります。
一方、膨張比を大きく設定しようとすると、必然的にロングストロークなデザインに成って行きます。
同一排気量でボアストローク比を変えて、ピストンとシリンダーの擦動面積を計算してみると、ロングストロークに成るに連れて、擦動面積も増えて行く事が判ります。
膨張比を大きくするに従い、効率も良く成って行くが、摩擦損も嵩んで来る。ので、どこかで頭打ちに成り、それ以上では却って低下して行く様に成る、、、のです。
では、一体どの位膨張させるのが良いのか?
古くから設計者達が見当を付け、計算でも確かめられる様に成って来たのが、14と言う値でした。
車載出来る様な規模の、ピストンとコンロッドが直結される構造では、膨張比14が理想なのです。(大型商船の超低回転超ロングストロークではもっと低くて11〜12の間)
しかし、圧縮比が14では、
・ガソリンだと自己不正着火で壊れる
・ディーゼルだと上死点温度不足で始動性や綺麗な燃焼の点で困る
と言う事で、永らく実現されないままの時期が続いて来たのでした。

ガソリンでは、高速燃焼と単純化された構造を長所として、ずっと圧縮比=膨張比のオットーサイクルで発展して来ましたが、高膨張比のまま圧縮比だけを下げる、ミラーサイクルの適用が考えられたのです。

その原典と成ったアトキンソンサイクルから。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB
http://www2.tbb.t-com.ne.jp/atc/Run/Engines/atkinson.html
そもそもの思い付きは、未だオクタン価が低くて低圧縮比な為に、燃焼室に多量に残ってしまう排ガスを如何にして追い出すか、だった様です。
が、複雑なクランク軸周りの構造に加えて、上手な設計じゃ無いとピストンとシリンダーの側圧が増えて行ってしまいます。
高回転化で高出力化して行ったオットーサイクルに置いてけ放りを食らい、折角の良効率も忘れ去られてしまいます。

それから65年後。
カナダで、ガスエンジンで発電器を作るノルドバーグの技術者だったミラーさんが、負荷急変への素早い対応法として、吸気弁閉じ時期を遅早する事を考えつきます。
これが図らずも、アトキンソンサイクルを、オットーサイクルと同じ簡易な構造で実現出来た事に成ります。
アトキンソンサイクルミラーシステム。長ったらしいから略してミラーサイクルの誕生、と成ったのです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB

今、「ミラーサイクルを使っていますよ〜」と大きくアナウンスしていないエンジンでも、部分負荷領域に限っては使ってたりと、徐々に浸透しつつ在ります。し、旧来では考えられなかった程の高圧縮比を保つ過給エンジン(Fiatツインエアー、BMW新2L、スバルDIT等)の登場も、ミラーサイクルの考え方無しには不可能なのです。

大事なのは膨張比。

理想の高膨張比を採用する為に、SKYACTIVE-Gでは吸気弁遅閉じ式ミラーとし、一度吸い込んだ新気をポートに吐き戻す事で充填効率を下げて、自己不正着火を抑えています。
吐き戻してしまうのですから、実質的な排気量は目減りします。から、出来るだけ吐き戻さない様にしたい。し、戻す量が多く成れば成る程、新気も温度上昇してしまってノッキング限界が下がる。
そこを何とかしたのが工夫・新技術の数々で、と言う事なのです。

もう一度繰り返します。高圧縮比が偉い訳ではありません。充填効率の高さが、高出力の鍵です。
そして、熱効率改善の為には、膨張比14が大事なのです。
だから、便宜的に「圧縮比は14」と表記してあるけども、様々な状況によって常に変動している物だと考えて頂いて、間違いでは無いでしょう。吸気弁駆動を可変機構にしてありますから。

質問者からのお礼コメント

2012.11.22 16:52

大変詳しい解説をありがとうございました!
理解しきれていない単語もありますので、調べつつより理解を深めたいと思います。

その他の回答 (2件)

  • 計算上の圧縮比は高いけど
    実質は低いから
    ミラーサイクル
    吸気遅閉じエンジンとも

  • 高圧縮比ですが、高膨張比だからです。意味ワカランって言われそうですが(^^; 例えば1500ccのエンジンだと1300ccぐらいしか空気を吸わずに圧縮します。そうすると燃焼後の膨張行程が吸気行程より長くなるので、ガソリンの燃焼圧力をより沢山ピストンを押し下げる力になります。

    この考えはマツダだとミラーサイクル、トヨタだとアトキンソンサイクルって言ってます。パワーは出ないんだけど高効率なので最近の燃費重視の車種に盛んに使われています。プリウスだとモーターのアシストがあるのでエンジンはアトキンソン、マツダの昔のユーノス800はミラーサイクルにスーパーチャージャーを組み合わせて加速時にパワーの無さを補っていました。

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