BMW 5シリーズ セダン 「オーソドックスなセダンに最新技術を」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
3
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
3
燃費
4
価格
3

オーソドックスなセダンに最新技術を

2024.4.30

年式
2023年5月〜モデル
総評
BMWの看板モデルである5シリーズ。すでに過去の7シリーズを超えるボディサイズになってきているが、それでも世界の各地域で強化される衝突安全基準をクリアしながら、可能な限り車両重量を抑えた(1760kg/日本仕様の523i)。同じプラットフォームでBEVモデルあるi5シリーズも用意する。多角的な電動化プランだ。
満足している点
ものすごく滑らかな乗り味と、BMWならではの優れたハンドリング性能の両立、これに尽きる。試乗したのは523i Exclusive(エクスクルーシブ)で直列4気筒2.0Lターボ(190PS/310N・m)の8速ATモデル。目を見張るスペックではないが、アクセル操作に対する躍度(連続する加速度)の生み出し方は、往年のV8/4.0Lエンジンのようだ。
不満な点
価格のパートで触れるが、やはり車両価格が高くなること。スターティングプライスはなんとか800万円以下ながら、最新モデルらしい装備を加えていくと1000万円の大台はすぐに超えてしまう。また、これはBMWに限らないが下取り価格が安定しないのも欧州プラミアムブランドモデルの弱点だ。反面、乗り潰すなら不満が満足に変わる。
デザイン

3

全体のまとまり感は5点ながら、競合各車が際立つ個性を表現していることから、アイコン的な存在となったBMWセダンのデザインにも変革を求めたい、そんな希望を託して3点とした。一方、インテリアデザインは凝っている。エアコンの吹き出し口を目立たないように処理し、より立体的な面構成で独自性を主張。一見の価値ありだ。
走行性能

5

ゆとりある走行性能を直列4気筒2.0Lターボ+マイルドハイブリッドシステム(7PS/25N・m)で支える。電動モーターは走行性能を加勢しないが、環境面での筋は通せる。こうしたお膳立てはさておき、日本の道路環境で乗るにはこのパワーユニットが最善であると考えられる。一方、同排気量のディーゼルはxDrive(4WD)となる。
乗り心地

4

市街地から自動車専用道路を走らせた体感値でいえば最良の乗り味だ。5点でない理由は素のモデルではなかったこと。後輪操舵の「インテグレイテッド・アクティブ・ステアリング」と可変ダンパーの「 アダプティブ・サスペンション」がない状態でこの乗り味ならば5点、いや10点レベル。装着タイヤは225/55R18が標準で20インチまで選択可。
積載性

3

立派なボディサイズ(全長5060mm、全幅1900mm、全高1515mm)なので、さぞかしトランクも大きいのかと思えば、プラットフォームがFR駆動をベースとしているだけあり若干狭め。公式には「一般的なゴルフバックが3つ積載できます」とある。実車で確認すると床面積は広く、奥行きもあるが、高さと幅にゆとりが欲しくなる。
燃費

4

燃費数値に貢献するであろうマイルドハイブリッドシステムだが、実際のところアイドリングストップ機能とのバランスを図ることが主体。ガソリンモデルのWLTC値は14.4km/Lでディーゼルモデルは16.6km/Lだ。筆者の実測値はガソリンモデル限定ながら、高速道路主体で16〜17km/L前後。渋滞の市街地では10km/Lを下回るか……。
価格

3

798万円のスターティングプライスは魅力的。ディーゼルの4WDモデルでは918万円に跳ね上がるが、装備が異なるため、そこを揃えるとガソリン→ディーゼル+FR→4WDで50万円のプライスアップとなる。13年目から重課される税金には納得できないが、長く乗るには最良のモデルだ。消耗品ベースなら維持費も高くない。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
BMW 5シリーズ セダン 新型・現行モデル

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