BMW 4シリーズ クーペ 「実車を見るべし」のユーザーレビュー

実車を見るべし

2020.11.21

総評

最初にコンセプト4が発表された時には、あまりの衝撃でBMWを乗り続ける自信がなくなったし、妻なんかいまだに「絶対イヤだ！」と言い張ってるのよね。
やっぱ巨大グリルへの忌避反応は、実車を見るまでは隠せなかったんだけど…。
しかし実車とWEBの写真だと、やはり印象はかなり違ってて、見て、乗ってみると「イイ！」と思ってしまった。
いつものBMWのように、走って愉しく、そして何よりカッコいい？

とりあえず現段階では満点にしておくとして、一方でちょっとM440だと高価なんで、量販グレードの420がどの程度なのか気になるかな。
パワー感は仕方ないにしても、走る愉しみがこのM440に大きく劣るようだと、評価はガクンと下がるかも知れない。

満足している点

何だかんだ言われてきたけど、全体のフォルムはやっぱり素晴らしいね。
グリルも思ったほど違和感はないし、見慣れていくんじゃないかと思う。
(BMWに洗脳されてきつつあるなぁ)
うん、カッコいい！

走りの方も3シリーズがさらに洗練されたように感じて、旧型に比べて順調に進化してる。
ライバルも進化し続けており、次期Cクラスがこれを越えてくるんじゃないかと心配になるけど、今んとこクラスのスタンダードと考えていいレベルじゃないかな。

不満な点

全体のフォルムはクーペらしく見事で、8シリーズに負けない優美さを感じる。
グリルは気になるっちゃー気になるけど、むしろ個人的には、コンセプト4のようなシャープなライトじゃなかったのが残念かな。
不満はとくに感じないけど、この走りが登場から数年間、クラスをリードするほどのアドバンテージがあるかと聞かれると疑問符がつくし、しょーがないんだけど、インテリアがまた3シリーズと共通なのは、ちょっと芸がないような…。

デザイン

5

すでにブログでは展示車のインプレッションを書いてるけど、M440専用のエクステリアもあってか、事前のネットでの印象よりも、実車はずっと良く見えた。
とにかく全体のフォルムが実に美しい。
とくにリアの処理は、クーペに期待されるセクシーなものだと思う。
マツダ3と共通すると言えば奇妙かも知れないけど、サイドからキャラクターラインを極力廃して、塊感を強調しているのは好印象。

問題のグリルについても、M440専用グリルが大きさを引き締めて見せており、思ったほど奇怪なイメージはない。
ただし今回はグリルが目立ちにくいM440のブラックボディだったが、気になるのはグリルがメッキになる、420スタンダードのホワイトボディならどうかということ。
おそらくメジャーシェアになる420で、そのデザインが受け入れられるかどうかで、このクルマの評価が決まるのかも。

インテリアは3シリーズと共通であり、新鮮味はまったくなし。
ただしクラスに相応しい質感は、ようやく身に付けてきたように思う。

走行性能

5

インプレッションのベースは3シリーズになるため、基本的には同様なイメージ。
ただしボディの違いなのか、3シリーズの発表から一年半で洗練されたのか、突き上げ感が強かった足回りはうまくカドを処理するようになったと思う。
かなりRのキツいカーブでも、ロールを感じさせずに駆け抜けて見せた。

ハンドリングやぺダルへの、入力に対するレスポンスの鋭さは言うまでもなく、3L直6の野太いトルクで余裕ある加速が可能。
同乗のセールスからは、「3シリーズと同じエンジンだが、こちらの方が吹け上がりはいい」とのコメントがあったが、シルキーシックスの回転の滑らかさはさすが。
スポーツモードでのスポーティサウンドチューニングが奏でるエンジンサウンドも、十分「その気」にさせてくれる心地いいものであり、さすがに走って愉しいクルマだった。

乗り心地

4

発表時の3シリーズでは旧型のバタつきを引き締めた足回りが、それと引き換えに突き上げの強さを感じさせたけど、今回の試乗ではそんな印象はなく、この一年半の間で改善が見られたかな。
やや固めかも知れないけど、それほど気になるほどではないね。

一方でリアシートは旧型に比べると、ヘッドクリアランスもヒザ元の余裕も足りない印象。
リアのスタイルを優先した結果なんだろうか。

積載性

3

旧型に比べると数値的には拡大したようだけど、見た目では差があんまり分からず。

燃費

-

価格

3

420の場合、旧型からは目に見えた値上げはなし。
ただし以前を知ってるだけに、、年々ジリジリ値上がりしていくから、Dセグに600万円オーバーってのは高く感じるなぁ。
総支払額だと700万円に届くだろうし…。
M4でもないM440がすでに一千万円オーバーと聞くと、ちょっと高過ぎる。

故障経験