レクサスRXはFFベースのスタンバイ4WDですか？

Question

BMW X6はFRベースのスタンバイ4WDですか？
教えてください。

Answer 1

質問者様のご認識で正しいです。レクサスRXはFFベースのスタンバイ式4WD、BMW X6(F16)はFRベースのスタンバイ式4WDとなります。

■ レクサスRX

レクサスRXのベース車両はカムリですね。厳密にいうとカムリとは異なっているのですが「トヨタKプラットフォーム」というエンジン横置FF用のプラットフォームを使用しています。ガソリン仕様の4WDシステムは「ダイナミック･トルク･コントロールAWD」というものです。トヨタ主力の「アクティブ･トルク･コントロール4WD」とよりも高度な制御を行います。いずれもJTEKT製の電子制御カップリングを4WDのコントロールユニットとしています。このユニットを前後輪をつなぐプロペラシャフトの間に挟み込んでいます。エンジンの出力は前輪に直結しており、通常走行はほぼFFで走行し、各種センサーにより後輪の駆動力が必要と感知すると、電子制御カップリングが直結率を高めて後輪にトルクを分配します。同じエンジン横置FFベースですが、マツダの「i-Active AWD」に比べると四駆の制御は劣りますが、現状のFFベースのスタンバイ式4WDの中では、まずまずの高度な制御を行います。今後はより高度は「ダイナミック･トルクベクタリングAWD」が登場することで、トヨタのFFベースの4WDは一段高度なものに世代交代をすることになります。これはコーナー外側の車輪に強い回転力を与えて強制的に旋回力を高めるシステム（トルクベクタリング）となります。
また、ハイブリッドの4WDモデルは、プロペラシャフトを持たない4WD車で、後輪は全てモーターで制御します。これもまた、FFベースのスタンバイ式4WDに属します。こちらはまだまだ発展途上で、さらに高度な制御を行うシステムに進化していくと思います。

■ BMW X6
(F16)

現在、BMWでは4WD全般を「x-Drive」と呼んでいます。ドイツ車の中でも、ポルシェと並んでスポーツ性能を重視しているBMWは、FRで前後の重量バランス50:50を理想と掲げる特徴的な自動車メーカーです。かつて4WDには消極的であり、３シリーズや５シリーズの一部にＸグレードを設定して少量の4WDモデルを販売していました。そんなBMWが4WDに積極的になったのは2000年にリリースしたX5の登場以降です。X5に続きX3を立て続けにリリースしましたが、初代モデルは「センターデフ式フルタイム4WD」としていました。しかし3代目X5や2代目X6が登場に際しては、FRベースの「スタンバイ式4WD」に変更されています。理由は、技術革新によりスタンバイ式4WDでも十分な走破性を得られるようになったことのほか、スタンバイ式4WDであれば前輪の駆動系を軽量簡素に設計できるため、BMWが理想とする前後重量配分50:50に近づけやすいためです。実際にFFベースのスタンバイ式4WDは見下される傾向にありますが、後輪駆動ベースのスタンバイ式4WDに関しては、後輪駆動と4WDの良いところ取りとなるため立場が有利になります。通常は後輪駆動の素直なコーナリング性能を享受し、後輪が空転などしてトラクションが不足するときに前輪がサポートしてグイグイと引っ張ります。この発想は、日本のR32スカイラインGT-R(1989年)のATTESA E-TSがオリジナルです。基、BMWは非常に走り手の気持ちがわかっていて、新型のM5では前輪駆動系をカットしてFRだけで走れるモードも備えています。
そんな宗教的にFRを信奉するBMWですが、最近ではエンジン横置のFFモデルもリリースしています。「アクティブツアラー(F45)」「グランドツアラー(F46)」「新型Ｘ１(F48)」「X2(F39)」の４モデルです。これらエンジン横置モデルの4WDモデルはハルデック社のシステムが採用した「スタンバイ式4WD」となっています｡
エンジン横置FFベースのスタンバイ式4WDは見下される傾向が強いのに対して、エンジン縦置FRベースのスタバイ式4WDは、本格的なフルタイム4WDの仲間という見方をする人が多いです。不思議なものです。

以上、長くなりましたが、その他ご不明な点などございましたら追加でご質問いただけましたら幸いです。

Answer 2

森本毅郎・スタンバイ！