馬や牛よりもエレガントでいい選択だと思う
2007年から日本市場に投入されているアウディのスーパーカー、R8。アウディお得意のアルミスペースフレーム構
2011.12.31
- 総評
- 馬や牛よりもエレガントでいい選択だと思う
2007年から日本市場に投入されているアウディのスーパーカー、R8。アウディお得意のアルミスペースフレーム構造を持つ、ミッドシップの4WDスポーツカーで、ランボルギーニガヤルドとは兄弟車である。ミッドに積まれるのは、いずれも直噴FSIユニットの4.2リッターV8と5.2リッターV10で、6速Rトロニックもしくは6MT(日本ではV8のみ)を組み合わせる。いずれのエンジン搭載モデルも、快適な市街地&高速クルージング性能とサーキットで威力を発揮するような高レベルのスポーツ性能を両立した、新しいキャラクターのミッドシップ・スーパーカーである。
2010年に、当初からの計画通り、フルオープンのスパイダーモデルがV10グレードに追加された。
メカニズムは共通である。開発当初からオープン化を念頭においてスペースフレームはデザインされており、ルーフを取り去ったことによるボディ剛性の低下はそれほど大きくない
- 満足している点
- インテリアとエクステリア
トップはクロス素材である。アウディの“カブリオレ”は、エレガントさと軽量さを確保するため、常にソフトトップを選ぶ。もっとも、ソフトと言っても、現代のそれは相当に“ハード”だが...。カッターナイフで簡単に切り裂けるような、柔なソフトさではない。
トップレスになること以外で、クーペモデルと違う点はといえば、やはりサイドブレードレスであることが最も印象的だ。R8のデザインアイコンともいうべきサイドブレードをあえて取っ払ったこと(構造上、やりづらかったとはいえ)に、デザインチームの意志=風を切る美しいオープンカーを造りたい、を垣間みた思いだ。個人的には、無理をしてでも付けた方がR8ファミリーを強調でき、スーパーカーの“新参車”としては良かったと思うのだが...。
走らせて見て
当然ながら、その乗り味はクーペよりも若干、ゆるめだ。強固な薄皮でがっちりと回りを固められている感覚のクーペに対し、肩から上の力みが適度に抜けている感じ、とでも言おうか。と言っても、昔のオープンカーのように、決して“ゆるゆる”というわけではない。否、現代のオープンカーと比べても、相当にかっちりしている方だ。あくまでも、スーパーカー界において、一二を争う“がっちり”派のクーペに対して“ゆるい”という話。
要するに、スポーツ走行に際して、ルーフがないことによる不満は全くないということ。それでいて、サスやミッションのセッティングも変わっているのだろう、街中のクルージングがいっそう心地よく感じられる。試乗車が右ハンドルだったということも手伝って、余計に扱いやすい。1台で何役もこなせるデイリーオープンスーパーカー、何とも贅沢な話...。
スポーツ走行中では、クーペよりも柔らかなアシのセッティングが功を奏しているのか、前輪の食いつきの良さと、後輪の粘り強さが印象的で、速度をそれほど上げなくても楽しめる。そして、何よりも、オープンだからこその風を感じる爽快な気分と耳に心地よいエグゾーストノートの響き...。スーパーカーのルーフを取り去ることは、やはり最上の贅沢。
- 不満な点
- インテリアも、クーペとほとんど変わらない。できれば、ラグジュアリィなコーディネートを楽しんで欲しいと思う。残念ながら、トップ収納の都合で、クーペにはあった便利な背後の荷物スペースがなくなり、キャビン壁がすぐに迫っている。ちょっと窮屈に感じてしまった
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験