アウディQシリーズの末弟となるQ3
足元から頭のてっぺんまでAudi品質が貫かれている
Audiというブランドの拘りが伝わってくる素晴らしい仕上がり
2012.9.7
- 総評
- アウディQシリーズの末弟となるQ3
足元から頭のてっぺんまでAudi品質が貫かれている
Audiというブランドの拘りが伝わってくる素晴らしい仕上がり
街乗りやワインディングでのハンドルの手ごたえもあり
また、スムーズに扱え、安定感も抜群なので女性の方にカジュアルに乗って欲しいモデルだが
クロスオーバーSUVというカテゴリーには、とかく、“でっかくて、いかつい”というイメージがつきまとう。ワイルドなクロカン風味もかすかに残したそれは、特別な事情でも無い限り、ごくごくフツウな市井の人が、プリウスやフィットを買う感覚で“おいそれ”と、気軽に乗るような代物ではなかった。
だからこそ、昔の“セダンに対する2ドアスペシャリティ”のような関係が、ミニバン中心のファミリィカー市場における特別なオルタナティブとして、SUVを成立させていたようにも思う。
そんなSUVのキャラを利用して、もっと気軽に楽しめるモデルを作ろうじゃないか...。’90年代に日本車が開いたコンパクトSUVという分野は、たちまちヨーロッパにも伝播し、最近では流行のダウンサイジングトレンドにもちゃっかりのっかって、最近では一般化やプレミアム化が顕著になってきた。アウディQシリーズの末弟となるQ3などは、正にそのシンボリックな存在だろう。
2リッター直噴ターボエンジン+7速デュアルクラッチシステム+クワトロ4WDというパワートレインは、すでにお馴染みのもの。170psと211ps、2種類のエンジン仕様を用意している。
- 満足している点
- 全長4.3m強というから兄貴分のQ5よりずいぶんと小ぶりなはず、なのだけれども、実物をみると、けっこう堂々たる体躯にみえる。これは、全幅がQ5とほぼ変わらず1.8m強もあるためで、それゆえスタイリングのバランス的にも、Q3の方が、ワイドにひき締まってみえるのだった。
エクステリアの見栄え質感は、セダンシリーズと同じくらい、極めて高いレベルにある。アウディが今、世界で最も秀でているパートのひとつだ。
インテリアも同様だ。最新アウディトレンドにまとめあげられたコクピットデザインは、クリーンでモダン、クールでインテリジェンス、といったキーワードがよく似合う。
要するに、こうゆうことなのだ。国産車にもよくできたコンパクトSUVは多い。価格も半分以下である。けれども、内外装の質感ひとつをとっても、統一感、清潔感、知的さ、スポーティさ、といった官能評価において、国産車や他のドイツ車がとうてい及ばないセンスとクオリティがアウディにはある。その価値を、個人がどう捉えるか。倍の価値があると思うか、思わないか。正に、それぞれのライフスタイルや経験、志向性といったものによる価値観の違い、を問うプロダクトであった。
パフォーマンス自体は、想像通りの仕上がりだ。とにかく、エンジンが頼もしい。7速Sトロニックとの相性がすこぶるよく、望めば想像以上にパワフルに、力を抜けば必要以上にスムースに、Q3を前のめりに加速させる。このパワートレインを味わうのは初めて、というわけでもないのに、とても力強い走りだと思った。おそらく、高い視界と乗用車ライクなアシ回りが、乗り手の気分をそうさせるという側面もあるのだろう。
- 不満な点
- 注文をつけたい点もあった。それは、ライドフィールのクオリティである。軽快なのはいい。けれども、硬質さやドライさといった、モダンアウディの“らしさ”が足りない。どちらかといえば、ウェットでやさしい、そう、フォルクスワーゲン風味なのだ。
フォルクスワーゲンのライドフィールは当代一流だから、それはそれで悪くはない。ないのだけれど、たとえばアウディA1がきっちりアウディワールドを表現できていたのに比べて、何かと“こだわりの無さ”が目についてしまう。
コッチの方がいいじゃないか、という人もいるだろう。ひょっとすると、より万人ウケするのは、この乗り味かも知れない。
ただ、それでは、ブランドの要諦であるユニークさに、外身はともかくも、中身=走りの面で欠けることになりやしないだろうか。見ためにこだわりました、だけじゃ、今後、長くは通用しない
今後、出力の低い4輪駆動のモデルが追加されるということだが
FFにしてもっと安い価格のモデルが出てくると「BMW X1」の真の強敵に成り得る
アクセルペダルをほとんど踏むことなく、力が漲ってくる分
アクセルワークに抑揚が無いように感じてしまうところが少しある
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験