アウディ A4 （セダン） 「思っている以上にストイックな移動ツール」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

思っている以上にストイックな移動ツール

2023.6.22

年式

2016年2月〜モデル

総評

アウディって高級車という目で見られがちですが（そして実際そうですが）、付き合ってみると実用性の高い車だなと思います。後席居住性や積載性能は良好だし、エンジンも「A4」なら想像以上に実用的な味付け（低回転のトルク感を重視）だし、高速巡航性能もまるで電車のような安定感。究極の移動手段…とまで言ったら言い過ぎですが、完成度の高さは見事ですね。

満足している点

実用性とプレミアム感のバランス。スタイルもインテリアも、「なんか高そうな感じ」というオーラを漂わせているのはさすが。

不満な点

新車の値段が高い……というのは置いといて、「A4」だと走りも意外に質実剛健なところ。もうちょっとエモーショナルで華やかなドライバビリティだったらいいな、と思ったりします。ただし「S4」になればエモーショナル感が全く違うので、「A4とS4の差別化をしっかり行っている」ということなのかもしれません。

デザイン

5

気が付けばデビューから7年ですが、さすがアウディと思えるのはスタイリングに明確な古さを感じさせないことでしょうか。適度なシャープさとシンプルな面構成がその理由ではないかと思います。アウディのデザインって金属のようというか、無機質でクールな感じですよね。

走行性能

5

一時期は1.4Lという小排気量エンジンも搭載していましたが、ターボの助けもあって「普通に走るには何の問題もない」と思える動力性能。排気量2.0Lともなれば、十分な速さです。ただ、運転好きとしては「A4」のエンジンは高回転の軽快さがなくて気持ちいいとはいいがたいところ。「S4」になれば、高回転の伸びや高揚感があってずいぶん違うんですけどね。ディーゼルは低回転域のトルクが厚くて、とても乗りやすいです（回す喜びはありませんが）。ハンドリングに関しては「A4」でもオン・ザ・レール感の強い優等生的なハンドリングと抜群の高速安定性を両立しています。

乗り心地

5

どうしてアウディの乗り心地ってこんなにいいのでしょうか。もちろんサスペンションがひたすら柔らかい船のようなソフトさではなく適度に締まっているのですが、乗員に不快さを与えない味付けが絶妙なんですよね。静粛性が高くて車内も静かです。

積載性

4

ある程度大きな車体サイズのセダンなので、トランクも期待を超える広さ。床の奥行きは1mをオーバーし、容量460Lとたっぷり。ゴルフバッグは3つしか積めませんが、大型スーツケースは2つ収まりますね。必要とあればリヤシートを倒すことだってできます。これ以上を求めるのであれば、ワゴンボディの「アバント」を選びましょう！

燃費

4

けっこういいです。WLTCモード燃費はガソリン車の「35 TFSI」で14.3km/Lで、実際に走ってみても最近のドイツ車の燃費の良さに驚きます。特に、高速道路巡航時のガソリン消費が減りましたね。燃料代を気にするなら、ディーゼルがいいでしょう。カタログ燃費は16.1km/L〜17.1km/Lと控えめですが、高速道路巡航では20km/Lを超えることも。燃料の軽油はハイオクガソリンに対して単価が2割以上安いので、燃料代はフルハイブリッドカー並みです。

価格

2

アウディの唯一ともいえるウィークポイントがここかもしれませんね。プレミアムブランドなので当然といえば当然ですが、それなりの値段になってしまいます。それに見合う満足度はしっかりありますけどね。