現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なんだこの超イケてるクーペは!? それでも1代限りで消滅した「ランサーセレステ」という残念な三菱車

ここから本文です

なんだこの超イケてるクーペは!? それでも1代限りで消滅した「ランサーセレステ」という残念な三菱車

掲載 19
なんだこの超イケてるクーペは!? それでも1代限りで消滅した「ランサーセレステ」という残念な三菱車

 この記事をまとめると

■三菱にはかつてランサーというクルマが存在した

なんだこの「全部載せ」感ある車名は! 三菱コルトギャランGTOという激シブクーペとは

■ランサーの姉妹車に「ランサー・セレステ」という2ドアクーペがあった

■ライバルたちと比較して地味な存在だったためにセールスは芳しくなかった

 影に隠れたもう1台のランサーとは

 三菱ランサー・セレステは、1975年に発売されたファーストバックの2ドアクーペだ。2年前の1973年に発売されたセダンのランサーをもとに、スポーティなクーペ姿が精悍だった。しかし、1981年に生産を終え、1982年に販売も終了して、一世代限りのクルマとなった。

 日本国内では、1970年(昭和45年)に排出ガスの規制強化が運輸技術審議会の自動車部で策定され、本格化することになった。そして8年後の1978年(昭和53年)に、当時の目標基準の達成が成る。昭和53年度規制は、当時、世界でもっとも厳しい排出ガス規制値とされた。

 ランサー・セレステは、国内はもとより世界の自動車メーカーが排出ガス浄化技術の実現と、市販化に全力を投じた1970年代の過程で生まれたスポーティな2ドアクーペだった。

 排出ガス規制への準備がはじまろうとするとき、トヨタから初代セリカが誕生し、DOHCエンジンを搭載するGTと、さらに走りに徹したGTVが発売になる。続く2年後に、カローラ・レビン/スプリンター・トレノが登場した。セリカと同じDOHCエンジンが搭載されるとともに、市販車として当時は画期的なオーバーフェンダーを備え、一躍人々の憧れの的になった。

 しかし、当初は有鉛ガソリン仕様で開発されたエンジンを、排出ガス規制に対処するため無鉛ガソリンで使えるようにする苦労があったはずだ。

 三菱自動車工業は、1970年にコルトギャランGTOを発売し、これにはDOHCエンジンを搭載した。セリカと真っ向勝負の競合といえる。翌1971年には、ギャランクーペFTOを追加発売し、これはギャランGTOの弟分という位置づけだった。この後継が、ランサー・セレステである。

 基となるランサーは、上級車種としてGSRを追加設定し、オーストラリアで開催されたサザンクロス・ラリーで優勝するなど、高性能な走りを強く印象づけた。ランサー・セレステにも、最上級車種としてGSRが設定されたが、その外観は洗練されたクーペの装いで、レビン/トレノのようなオーバーフェンダー付きの凄みのある雰囲気は希薄だった。エンジンも、ランサーを含め三菱はこの時期OHCのままであった。排出ガス規制への対応のさなか、規制に適合する高性能エンジンを採用する厳しさがあっただろう。

 排出ガス規制が一段落し、高性能化が復活するのは、1979年の日産セドリックに国産車初のターボエンジンが登場してからだ。

 車両重量が900kgを切っていたランサーの軽快な走りと比べ、900kg超のランサー・セレステは、ややおとなしい運転感覚で、特徴のわかりにくい面もあったのではないか。

 一般的な傾向として、日本では2ドア車の人気が必ずしも高いとはいえない。小型ハッチバック車なども、2ドアではなく4ドアが好まれる傾向が強い。

 それでも、セリカやレビン/トレノ、あるいは日産シルビアなど、2ドアクーペの販売を各社は粘り強く続けたが、よほど思い切った外観や、所有する意味を実感させる性能などがないと、2ドアクーペの販売が厳しいことを、ランサー・セレステは味わったかもしれない。

こんな記事も読まれています

アメリカンマッスルまでEV化かよ……でもじつはローパワーFFなんて世代もあった「ダッジ・チャージャー」の歴史を振り返る
アメリカンマッスルまでEV化かよ……でもじつはローパワーFFなんて世代もあった「ダッジ・チャージャー」の歴史を振り返る
WEB CARTOP
【クルマら部】クルマ愛クイズ!三菱が誇るスペシャリティクーペ『FTO』から全4問!
【クルマら部】クルマ愛クイズ!三菱が誇るスペシャリティクーペ『FTO』から全4問!
レスポンス
50年前の初代から独創性しかない! 三菱「デリカ」を振り返るとやっぱり偉大すぎた!!
50年前の初代から独創性しかない! 三菱「デリカ」を振り返るとやっぱり偉大すぎた!!
WEB CARTOP
意地か矜持か!? こんなクルマほかにない! 自動車メーカーが「あり得ないほどこだわりを詰め込んだ」クルマ4台
意地か矜持か!? こんなクルマほかにない! 自動車メーカーが「あり得ないほどこだわりを詰め込んだ」クルマ4台
WEB CARTOP
大型セダンからバカッ速スポーツモデルまでみんな「FF」! ホンダが「フロントエンジン・前輪駆動」を貫くワケ
大型セダンからバカッ速スポーツモデルまでみんな「FF」! ホンダが「フロントエンジン・前輪駆動」を貫くワケ
WEB CARTOP
トヨタがガチで作ったら……想像すると欲しい気がする! なぜトヨタはバカ売れジャンルの「軽自動車」を作らないのか?
トヨタがガチで作ったら……想像すると欲しい気がする! なぜトヨタはバカ売れジャンルの「軽自動車」を作らないのか?
WEB CARTOP
700馬力のジュークに2000馬力のランクル! メーカーがガチで生み出した化け物SUV3台
700馬力のジュークに2000馬力のランクル! メーカーがガチで生み出した化け物SUV3台
WEB CARTOP
ホンダWR-Vに日産もスズキも続くか? インドから日本へと輸入の流れがトレンドになりそうな予感
ホンダWR-Vに日産もスズキも続くか? インドから日本へと輸入の流れがトレンドになりそうな予感
WEB CARTOP
23年ぶり復活!? ホンダ新型「プレリュード」に絶えぬ反響! 美麗すぎる「スペシャリティクーペ」どんなモデルになるのか
23年ぶり復活!? ホンダ新型「プレリュード」に絶えぬ反響! 美麗すぎる「スペシャリティクーペ」どんなモデルになるのか
くるまのニュース
軽自動車にスーパーカー並みの装備[AZ-1]!! [高性能スペック]を誇った絶版スポーツ
軽自動車にスーパーカー並みの装備[AZ-1]!! [高性能スペック]を誇った絶版スポーツ
ベストカーWeb
ハイパワー競争に合わせて200psまで動力性能アップ!スタイリングも洗練【GTmemories12  A183Aスタリオン ダイジェスト(2)】
ハイパワー競争に合わせて200psまで動力性能アップ!スタイリングも洗練【GTmemories12 A183Aスタリオン ダイジェスト(2)】
Webモーターマガジン
打倒[アルファード]なんて考えるな!! デリカはそのままでいいの!! 新型デリカも我が道行け!
打倒[アルファード]なんて考えるな!! デリカはそのままでいいの!! 新型デリカも我が道行け!
ベストカーWeb
トヨタが新型「カローラ」発表! 斬新な「レトロ×スポーツ」デザイン採用! ド派手な「リアスポ」も! 「1987年式のFX16」敬意を表す仕様が米登場、日本の反響は?
トヨタが新型「カローラ」発表! 斬新な「レトロ×スポーツ」デザイン採用! ド派手な「リアスポ」も! 「1987年式のFX16」敬意を表す仕様が米登場、日本の反響は?
くるまのニュース
巨匠が残した含蓄に富む名台詞を振り返る!! 小さな高級車論ほか 【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】
巨匠が残した含蓄に富む名台詞を振り返る!! 小さな高級車論ほか 【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】
ベストカーWeb
【試乗】新型シトロエンC3は革命を呼びかけるヤバいクルマ! 日本上陸前に本国でBEVの「ë-C3」に乗った!!
【試乗】新型シトロエンC3は革命を呼びかけるヤバいクルマ! 日本上陸前に本国でBEVの「ë-C3」に乗った!!
WEB CARTOP
【買っておきたい21世紀名車】超一級の速さを誇る進化するレジェンド。R35型・日産GT-Rの肖像
【買っておきたい21世紀名車】超一級の速さを誇る進化するレジェンド。R35型・日産GT-Rの肖像
カー・アンド・ドライバー
日産はレクサスLMよりずっと早く「超VIPミニバン」を作っていた! 「エルグランド・ロイヤルライン」の中身がスゴイぞ!!
日産はレクサスLMよりずっと早く「超VIPミニバン」を作っていた! 「エルグランド・ロイヤルライン」の中身がスゴイぞ!!
WEB CARTOP
マツダ最後のミニバン[ビアンテ]今なら人気爆発!? 登場時期を間違えたミニバン5選
マツダ最後のミニバン[ビアンテ]今なら人気爆発!? 登場時期を間違えたミニバン5選
ベストカーWeb

みんなのコメント

19件
  • oka********
    中学生の時に友人のお兄さんがセレステに乗っていました。

    当時の私は素直に「カッコいい車」と思っていましたが、そんなに短命だったのですね。

    当時の三菱自動車は現在よりも元気があって、後にギャランΣやΛなど魅力的な車をリリースしていきました。

    もう殆ど見掛けませんが、また元気な三菱自動車に戻ってほしいと思います。
  • kbg********
    ドラマで田中邦衛が乗っていたよね。
    草刈正雄はラムダに。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

125.8157.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

35.9390.5万円

中古車を検索
ランサーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

125.8157.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

35.9390.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村