この記事をまとめると
■モンツァ・ジャパンが東北カスタムカーショーで新作ホイールを発表
なんと実走可能! レストアガレージが「真剣に」ダンボルギーニを製作したワケ
■新作「GM210」は「幅リム」を採用したスポーティでエレガントなモデル
■特許を取得した「ハイブリッドハブリング」でホイールを錆から守る
東北の地に新作を大量に持ち込んだ「モンツァ・ジャパン」
足もとは見られるところだからこそ愛車の雰囲気もガラリと変わるし、それだけにホイールは気に入ったデザインを履かせたいものだが、強度や剛性、真円度といった走りや乗り心地など、安全に直結するパーツでもある。だからこそ信頼できるブランドやホイール専業メーカーなどが頼もく、しかも老舗であれば、それだけ積み上げてきたノウハウもアテにできる。そこで注目したいのが水戸市に本拠を置くホイールメーカー「モンツァ・ジャパン」だ。2023年の東北カスタムカーショーでは、追加モデルも含めて4種類の新作を精力的に発表した。
まず1品目は「GM210」。新型クラウンやレクサスNXへの装着を想定した穴ピッチ12mmかつ7J×19インチというサイズだ。色は「パールブラックポリッシュ」と「ディスクブラックリムポリッシュ」という2色が設定され、スポークの光沢面を強調した前者と、絞ったようなリムの深さが際立つ後者といった印象だ。
ステップリムながらもディープリムにも似た奥行きを感じさせるこのリムの形を、モンツァ・ジャパンでは「幅リム」と呼んでいる。ゴージャスでエレガント、かつスポーティさもあわせもつ最新SUVやクロスオーバーに、確かに似合うであろうインパクトだ。いずれはノア/ヴォクシー用のサイズも製作予定という。
ふたつ目のアイテムは「ピエディーノ・スタイルS」で、こちらは軽トラックのカスタムに向けた12インチと、通常の軽SUV向けの14・15インチを展開。デザイン上の特徴は、かつてオフローダーのホイールにはまっていたビードロックのように見える凹凸ラインをリムに切削で施し、ブラック塗装で際立たせていること。最新の軽SUV辺りがぐっとクラシックに見えるユニークなホイールだ。
3本目は既存モデルで、ロックナットのビードロックが魅せるラギッドなホイール「JERRARD(ジェラード)」に新サイズが追加された。なんと新型シエンタ用の5.5J×15インチで、PCDは5穴100だ。SUVライクだが甘過ぎる雰囲気もあるシエンタの足もとを、サイドレールの黒い質感と相まってハードに見せてくれる。
最後に4本目は、「MJ-V(エムジェイファイブ)」といい、リム部分に浅く切削を入れて、スポークがタイヤにそのまま続くかのようにも見えるモデルだ。リムに段差がつくことでタイヤ装着との兼ね合いが気になるところだが、そこはさすが老舗の丁寧な加工で、指でなぞるとごく滑らかで、尖った感覚がない。
サイズ展開も、軽用13インチ~普通車用18インチまで幅広く対応しており、スタッドレスからの履き替えなど、ノーマルに準ずる仕様として気軽に選べるデザインでもある。
裏方的アイテムながら有用性が高い「ハイブリッドハブリング」
また、東北カスタムカーショーのブースでは、モンツァ・ジャパン・イメージガールを務める葉月すみれさんも駆けつけ、デモカーのハリアーの前で「ホイールを際立たせるのが私のお仕事なので、低めの姿勢でキレイに見えるよう考案しました」というポージングを披露。ほかのポージングや続きはインスタグラムのアカウント、@sumi530610でフォローすることができる。
ちなみにデモカーのエアロパーツは、東北カスタムショーには4年ぶり2度目の出展で、モンツァ・ジャパンとデモカーに関して提携パートーナシップを結んでいるROWEN(ローウェン)」ブランドの、3点エアロキット。
「東北の地域色としては、来場者と話をしているとシャイな方が多いですが、興がのってくるとすごくカスタムに熱くて、真剣にアドバイスを求めているのが伝わってくる。とてもいい刺激を受けています」とは、ローウェンの高橋美行課長の弁。
ところがモンツァ・ジャパンの注目すべきポイントはこれで終わらない。つい最近、特許を取得したばかりという「ハイブリッドハブリング」というのが、かなり優れモノなのだ。
というのも、社外品ホイールを車体側ハブに組み込む際は、ハブ径の僅かな差を埋めるためにハブリングを入れることがある。ステアリングフィールにも関わるし、ホイールの微振動を抑えてナット/ボルトの緩みを抑えるためもあって、入れたほうがベターといえるが、空洞のハブ穴の内部に水を溜めてしまうことがある。すると、ハブとの取付け面の周囲を錆させたりして、ホイールの見えない裏側に腐食などダメージを進行させる可能性もある。
そこでモンツァ・ジャパンが考案したのが、金属製ではなく強化プラスチックで、水抜き用の切り欠きを備えたハブリングというわけだ。
使い方は、ホイール側のハブとのコンタクト面に入った切り欠きに合わせてセットするだけ。すると走行中の回転によって、ハブ穴のなかの水が遠心力でかき出され、つねにハブとホイールの取付け面周囲がドライに保たれるのだ。さすがはホイール専業の老舗ならではの気づき、細かな配慮と精密なモノづくりといえるだろう。
スタッドレスと夏タイヤを、ホイールごと履き替えたりする機会が多いならば、なおさら覚えておいて欲しいアイテムだ。
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