激戦区のスーパーハイト軽でも存在感たっぷりのタントカスタム！ 人気を支える豊富な装備や魅力を紹介

　カスタムはエアロパーツを追加して派手なデザインに仕上げた

　2020年度の計四輪車通称名別新車販売台数で12万台超を達成した4代目のダイハツ・タント。その人気の裏側には歴代モデルに比べて上質感を高めたタントカスタムの存在もあるだろう。今回はそんなタントカスタムについて紹介しよう。

■ダイハツ・タントカスタムとは？

　初代タントカスタムは2005年にタントの派生モデルとして誕生した。押し出し感の強いフロントフェイスと大型エアロバンパーなどのエアロパーツが特徴で、NAエンジンの「L」「X」とターボエンジンの「RS」の3グレードを用意。キャッチフレーズは「オトコタント」だった。

　2代目は2007年に誕生。カスタムは「アニキのタント。」がコンセプトで、攻撃的なデザインを踏襲している。2代目から助手席側に軽自動車初となるセンターピラーレスとスライドドアを組み合わせた「ミラクルオープンドア」が一部のグレードに採用された。ホイールベースを延長し、フラットフロア化したことで初代以上の広い室内空間と利便性を高めている。

　3代目は2013年に男女を問わない全方位的なモデルとして登場した。これまで比較的大人しいデザインだったタントもフロント周りに立体的な造形を取り入れ、グレードによってメッキグリルを採用した派手なデザインとなった。タントカスタムはタントよりその上を目指し、フロントデザインに大型グリルやLEDヘッドライト、リヤデザインには大型ルーフエンドスポイラーやLEDリヤコンビライトなどを採用している。また、内装にもシルバーやピアノブラック系の加飾を採用して、上質感漂う雰囲気を演出する。

　2019年には4代目が登場した。これまで親しみやすさを前面に押し出したタントに対して、新型カスタムのテーマは「大人のカスタム」と先代より上質さを重視した見た目にこだわった。歴代のカスタムが持っていた押し出しの強さや存在感を重視しつつも洗練されたデザインが魅力だ。

■タントカスタムと標準モデルの違い

　標準モデルとタントカスタムの見た目での大きな違いは、ヘッドライトとリヤコンビネーションランプの形状、前後バンパーに加えてカスタムにはエアロパーツを装着し、派手なデザインを実現したことにあるだろう。

　インテリアデザインは基本的に共通だが、カラーマテリアルの違いによって差別化を図っている。標準モデルはグレー、ブラック、ライトグレーの3トーンで構成され、ファミリー層にも親しみやすいカラーリングに、カスタムはブラックとグレーでシックに統一し、質感を高めている。シート表皮は標準モデルをフルファブリックに、カスタムではファブリックとソフトレザーを採用して差別化する。

　装備面では、標準モデルのXではオプション扱いとなっている右側パワースライドドアが同一グレードであるカスタムXでは標準装備になるなどの違いがある。また、通常モデルでは14インチだが、カスタムRSには15インチタイヤが装備されている。

　ボディカラーは標準モデルで9色、タントカスタムには8色が設定されている。標準専用色にはアイスグリーンとブルーミングピンクメタリックを用意する。タントカスタムではシャイニングホワイトやレザーブルー、ファイアークォーツレッドを選択するとルーフをブラックにカラーリングしたツートーンカラーを選ぶことができる。

　利便性の高い装備を多数用意して多くのユーザーの支持を集めた

■新型タントカスタムの基本性能と魅力

　まずはタントカスタム の基本性能について触れておこう。

　ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1755mmだ。グレード構成としてはカスタムRSとカスタムXが存在し、それぞれに2WDと4WDを用意する。エンジンはカスタムRSが直列3気筒ターボ、カスタムXが直列3気筒自然吸気（NA）となる。燃費はWLTCモードでカスタムRSが20.0km/L（2WD）、18.8km/L（4WD）、カスタムXは21.2km/L（2WD）、20.2km/L（4WD）となっている。また、2020年12月に行われた一部改良では、RSグレードにも迫力のあるメッキ加飾が施されたフロントフェイスが特徴的な「スタイルセレクション」も追加された。

　価格はXが172万1500円（2WD）、184万2500円（4WD）、Xスタイルセレクションが174万9000円（2WD）、187万円（4WD）。RSが185万3500円（2WD）、197万4500円（4WD）、RSスタイルセレクションが188万1000円（2WD）、200万2000円（4WD）。

　タントの特徴でもあるミラクルオープンドアも採用され、さらに運転席左側へのウォークスルーを可能にするミラクルウォークスルーを新たに取り入れた。リヤドア左側から乗車し、車外へ降りることなく運転席に移動することが可能となり、後席にチャイルドシートなどを備えるファミリーを中心に、利便性の高い機能として評

　価されている。ほかにも半ドア時に自動でドアを全閉する「助手席イージークローザー」やドアロックを事前に予約できる「タッチ&ゴーロック機能」、スイッチで予約することでパワースライドドアが自動で開く「ウェルカムオープン機能」なども装備する。

　また、ダイハツの新プラットフォーム「DNGA」を採用したことにより、アンダーボディやパワートレーン、シャシー、シートなどの構成要素を大幅に刷新した。骨格を最適化したことによって基本性能が大幅に向上している。全高が高くなったものの先代モデル比16mmもの低床化や車両全体で80kgの軽量化を実現。従来からの利点であった乗り降りのしやすさがさらに向上し、荷室開口部も広くとられたことで荷物の積み下ろしなども容易になり、より使い勝手が高まった。

　室内も運転席の頭上空間は200mm以上と広大で、運転席からの見晴らしも良くなり安全性に寄与する。後席は左右それぞれのシートが240mmスライドすることや頭上空間の広さもあることから大人2名乗車もできる広さを有する。また、前後シートともに骨格形状を見直し、クッションの硬さを最適化した新開発シートを採用。後席は一度の操作で背もたれを倒すことができるワンモーション格納を新たに取り入れている。

　ダイハツ車ではもはや定番ともいえる予防安全機能「スマートアシスト」には、新たに運転支援機能の「スマートアシストプラス」が追加され、全15の機能で安全運転をサポートする。スマートアシストでは「衝突回避支援ブレーキ機能」や「車線逸脱警報機能」などに加えて、軽自動車で初となるハイビームでの走行中に対向車を検知すると自動で部分的に遮光する眩惑防止機能「アダプティブドライビングビーム」を採用。

　スマートアシストプラスでは全車速追従機能付きの「アダプティブクルーズコントロール」を採用（ターボモデルのみ）。「レーンキープコントロール」と合わせて高速道路で先行車に追従し、車線の中央付近を走行するよう支援する。ほかにも、軽自動車初の駐車支援システム「スマートパノラマパーキングアシスト」も搭載する。並列駐車、縦列駐車の両方に対応しており、パノラマモニターに映し出された自車の位置を確認しながらドライバーがペダルとギアを操作することでステアリング操作をアシストする。

■タントカスタムの価格相場について

　軽自動車の新車販売台数ではトップ争いを繰り広げるほどの人気ぶりを見せるタント。そのため、2005年に登場した初代タントカスタムでもタマは豊富にそろっているといえよう。また、定期的にモデルチェンジが行われており、現在1～4代目まで存在するため中古車の価格帯もかなり幅が広い。

　価格.comによれば、おおよそ初代は1～55万円、2代目は1～127万円、3代目は19～200万円、現行モデルは105～228万円。なかには届出済みの未使用車も存在するため、かなり上質な中古車も用意されている。新車は1～2カ月ほどの納車期間がかかるが、中古車であれば比較的速やかに納車することも可能だ。気になっている人は一度チェックしてみてほしい。

■まとめ

　幅広いユーザー層から人気を集めるスーパーハイト系軽自動車だが、タントは子育て中に家族にとって便利なミラクルオープンドアを搭載することでファミリー層からの支持が厚いのが特徴だ。また、室内の広さや両側スライドドアなども装備し、その使い勝手の高さからコンパクトカーやミニバンからダウンサイズを考えるユーザーにもおすすめできる一台となっている。

Comments

影薄いけど…

４代目は完全な失敗作だと思っている人が多いと思うけどな。