現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ意外な場所で「軽自動車」が走っている? 謎ナンバー装着「N-BOXカスタム」が話題に… 海外の日本車事情とは

ここから本文です

なぜ意外な場所で「軽自動車」が走っている? 謎ナンバー装着「N-BOXカスタム」が話題に… 海外の日本車事情とは

掲載 12
なぜ意外な場所で「軽自動車」が走っている? 謎ナンバー装着「N-BOXカスタム」が話題に… 海外の日本車事情とは

■タイの道路にN-BOXが!? 現地の中古車輸入事情とは

 ホンダ「N-BOX」がタイの道路を走行する光景や、海外のショーに展示されることがあり、度々話題となっています。
 
 日本独自の規格となる軽自動車は、海外でも人気なのでしょうか。

82万円のスズキ新型「ワゴンR」発表!? 軽規格を超えた巨大ボディ採用

「微笑みの国」の愛称を持つタイは、世界有数の親日国としても知られています。

 自動車関連について見ると、タイの新車販売における日本車の比率はおよそ90%に及ぶほか、トヨタやホンダ、日産、三菱、いすゞ、スズキなどが工場をかまえるなど、日本の自動車メーカーにとっては非常に重要な存在となっていることがわかります。

 バンコクなどの都市部の道路を見ると、日系自動車メーカーのコンパクトカーやセダン、SUVなどが多く走っていることから、まるで日本の道路のように思えるほどです。

 しかし、日本と決定的に異なるのは、タイには軽自動車が走っていないという点です。

 軽自動車は日本独自の規格であることから当然といえば当然ですが、日本車が多く走る道路のなかに軽自動車を見かけることがないことに、タイを訪れる日本人は少し違和感を覚えるかもしれません。

 一方、タイを旅行していたある男性がSNSにアップした1枚の写真が話題となっています。

 その写真のなかには、タイの道路を走るホンダ「N-BOX」の後ろ姿がはっきりとおさめられていました。

 2017年に発売された2代目の「N-BOX カスタム」と思われるそのクルマは、タイのナンバープレートを装着していることがわかります。

 当然のことながら、タイでN-BOXは正規販売されていません。またタイでは中古車輸入が許可制となっており、商業目的での輸入は事実上禁止されています。

 日系自動車メーカーを含む、多くの自動車メーカーが生産工場を持っているタイでは、国民が自国で生産された新車を購入することが経済促進につながります。

 もし、外国から安価な中古車が多く輸入されてしまうと新車を購入する意欲が薄れてしまうことなどから、大使館で利用されるクルマや博物館での展示を目的としたクルマなどの例外をのぞいて、中古車の商業輸入が厳しく制限されてきました。

 実際には、法の網をすり抜けるかたちで輸入されるクルマも少なくなかったようですが、近年ではタイ政府による違法輸入車の取り締まりが強化されているといいます。

 一方、個人利用に限れば中古車の輸入は可能であることから、今回確認されたN-BOXは、あくまで個人利用目的で輸入されたものである可能性が高いと見られます。

※ ※ ※

 また過去にはホンダインドネシアにより、同市場で開催されたイベントにN-BOX カスタムの実車が展示されたこともありました。

 その他、軽自働車規格のまま海外される事例としてパキスタン(左側通行・右ハンドル)で現地生産・販売されるスズキ8代目「アルト」が存在しています。

■軽自動車はタイでもウケる? 過去の失敗例とは

 エンジンやボディサイズなど多くの制約があるなかで、高い機能性とオリジナリティのあるデザインを両立させている軽自動車は、海外のユーザーからも高い評価を得ているといいます。

 ただ、軽自動車は日本独自の規格であるため、実際には海外のユーザーニーズを満たすことは簡単ではないようです。

 たとえば、かつてスズキは「アルト」をタイへと輸出していましたが、販売不振により撤退したという過去があります。

 この点について、ある国産自動車メーカーの関係者は次のように話します。

「日本車人気の高いタイですが、軽自動車に対しては、アルトが撤退して以来『安かろう悪かろう』というイメージが根強く、現在でも敬遠される傾向が強いようです。

 そのため、われわれがタイ向けのエコカーを企画した際、軽自動車のサイズではなく5ナンバーサイズを選びました。

 こうした背景から、今回確認されたN-BOXは利便性で選ばれたものではなく、単なる興味本位のユーザーによる個人利用目的の並行輸入ではないかと思われます」

※ ※ ※

 タイでは、税制優遇があることに加えて、都市部以外では道路インフラが整っていないことや高速域での走行が多いことなどから、頑丈で衝突安全性に優れたピックアップトラックが高いシェアを誇っています。

 実際、2022年の新車販売台数のうち、およそ60%をピックアップトラックが占めました。

 いかに日本車の比率が高いとはいえ、そのような現状のなかでは、日本の軽自動車が積極的に受け入れられる可能性は低いというのが自動車メーカーの見解のようです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web

みんなのコメント

12件
  • さすがnbox
  • 軽乗用車としてではありませんが、タイの一部には昔から軽自動車が走っています。
    タイにはトゥクトゥクという乗り合いタクシーがありますよね。タイ本土では3輪の専用車両ですが、プーケット島に行きますと、日本の軽トラックの荷台に座席を作ってトゥクトゥクとして走っています。
    もう30年以上前から日本の中古の軽トラックがしっかりと走っています。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

169.0192.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0417.5万円

中古車を検索
N-BOXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

169.0192.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0417.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村