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ジーカー001へ試乗 543psと100kWh 欧州へ上陸か 純EV市場へ大インパクト

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ジーカー001へ試乗 543psと100kWh 欧州へ上陸か 純EV市場へ大インパクト

最高出力543ps 駆動用バッテリー100kWh

中国のジーリー・ホールディング社のことは、AUTOCARの読者ならご存知かと思う。複数の自動車メーカーの筆頭株主であり、ジーリー・モータース社の親会社でもある、グローバル企業だ。

【画像】ジーカー001 中国で作られる純EVたち 韓国ヒュンダイのアイオニック5も 全98枚

だがジーカーという名前は、初めて聞く方も多いだろう。これは、リンク&コーから分身した、ジーリー・モータース社が有する新ブランド。純EVに特化しており、より上級の位置付けがされている。高性能な純EVに対する需要増加を狙っているようだ。

モデル名は001。その数字の通り、ジーカー・ブランドとして最初のモデルに当たる。

001の基礎骨格をなすのは、ジーリー・モータースのサスティナブル・エレクトリック・アーキテクチャ(SEA)と呼ばれるプラットフォーム。今後、スマートやポールスターといったブランドの純EVも、採用する計画にある。

ボディスタイルは、純EVとしては目新しいシューティングブレーク。トップグレードとなる四輪駆動の場合、前後2基の駆動用モーター合計での最高出力は543ps。0-100km/h加速を3.8秒でこなし、ドイツのBMW i4 M50に匹敵する加速力を備えている。

駆動用バッテリーの容量は、86kWhか100kWhから選択が可能。エアサスペンションを装備し、117mmから205mmの範囲で、最低地上高を変えることができる。

今回試乗したのは、容量の大きい100kWh仕様。航続距離は四輪駆動で606km、後輪駆動で712kmをジーカーは主張するものの、甘い数字が出るNEDCでの値となっている。急速充電能力は、360kWまで対応可能だという。

上質な素材で仕立てられたインテリア

試乗車のボディカラーは、落ち着いたダークパープル。それでも、少なくない歩行者の注目を集めていた。前後オーバーハングは非常に短く、ホイールベースは約3mと長い。ちなみに、ヒュンダイ・アイオニック5と同等だ。

ルーフラインは後方に向けてなだらかに傾斜し、テールゲートは大きく傾いている。空気抵抗を示すCd値は、0.23を達成している。小さいほど空気抵抗が良いことになり、現行型のトヨタ・プリウスは0.24だ。

シューティングブレーク風のシルエットだけあって、後席側の空間も悪くない。身長が180cmくらいまでの大人なら、問題なく過ごすことができるだろう。ホイールベースが長いから、足もと空間はゆったりしている。

また後席側にもパワーシートが奢られ、スイッチ1つで角度調整が可能。ボタンはアームレストと、センターコンソールの後端に付いている。

滑らかなボディ面を作る目的もあり、ドアハンドルやドアの開閉動作は、純EVのデザインで見せ場の1つ。001の場合、開閉ボタンをそっと押すと、電動でドアが開く仕掛けだ。席に座りドアハンドルを軽く引くと、電動でスッと閉まる。

前後のドアは、ダッシュボード中央の15.4インチ・インフォテインメント用タッチモニターでも操作できる。すべてのドアを同時に開閉できるメニューもある。

インテリアに用いられている素材は上質で、仕立ても感心するほど良い。好印象な造形は、上下で層になったダッシュボードがハイライト。センターコンソールは、運転席側を軸にデザインされている。

適度にスポーティでコンフォート

001は装備も充実しており、ヤマハ社製のサウンドシステムを搭載する。ジーカーによれば、量産車初だという。ヘッドアップ・ディスプレイも備わる。

車載機能の多くのインターフェイスは、中央のタッチモニターが担う。細長いメーター用モニターと組合わさり、前面の雰囲気はテスラ風。すべてが扱いやすいわけではないものの、実際に押せるハードボタンが残されている点がうれしい。

001を発進させてみると、ジーカーがスポーティさを与えようとした成果が表れている。ステアリングホイールの入力へ、フロントタイヤは正確で軽快に反応。純EVとしては、良好な手応えがあると感じた。

ドライブモードには、ダイナミック・モードも用意されている。コンフォートから切り替えると、ステアリングホイールの重み付けが増え、エアサスペンションが引き締まる。

四輪駆動版の001は、543psという最高出力に偽りなく、勢いよく加速する。スポーツカーとは呼べないにしろ、カーブが連続するような区間でも心地よく飛ばせそうだ。

コンフォート・モードへ戻すと、エアサスペンションが路面の凹凸を巧みに吸収してくれる。他にも、エコ、スノー、オフロードというモードがあり、車高も自動的に変化する。乗り味の変化の幅は大きい。

回生ブレーキの効きを調整すれば、アクセルペダルだけで発進から停止までまかなえる、ワンペダル・ドライブも可能。50km/hを下回った辺りから、急に制動力が強まる印象だった。

純EV市場に与えるインパクト大

001の出だしは順調のようで、サプライチェーンの供給が間に合わず、生産は中国国内の需要に追いついていないという。今後、量産態勢が本調子に乗れば、ジーカーは欧州市場へ上陸してくる可能性が高い。

ただし001は、リンク&コー・ブランドから販売される見込み。ブランド名が変わっても、純EV市場に与えるインパクトが大きい仕上がりであることは、間違いないだろう。

ジーカー001 ユー(中国仕様)のスペック

中国価格:36万元(約648万円)
全長:4970mm
全幅:1999mm
全高:1548mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:3.8秒
航続距離:606km(NEDC値)
電費:6.0km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2350kg
パワートレイン:ツインAC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:100.0kWh
最高出力:543ps
最大トルク:−
ギアボックス:−

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みんなのコメント

8件
  • フロントはフィスカーカルマ顔だね。
    中国もデザイン良くなってきた。
  • カッコいいじゃん。
    吉利汽車はメルセデスの直4エンジン作ってるんだよね。
    ルノー製からどんどん切り替わっていく。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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