現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ジムカーナ、デート、ゴルフも行けるトヨタの2シータースポーツ「コペン GRスポーツ」

ここから本文です

ジムカーナ、デート、ゴルフも行けるトヨタの2シータースポーツ「コペン GRスポーツ」

掲載 更新 52
ジムカーナ、デート、ゴルフも行けるトヨタの2シータースポーツ「コペン GRスポーツ」

■石川真禧照のK-CAR徹底解剖

 現在の「コペン」は、ダイハツが2022年に発売した軽自動車の2シータースポーツ。2014年にフルモデルチェンジを行ない2代目を発売している。トヨタとダイハツの関係は、2002年にトヨタがダイハツに小型車の生産を委託したことに始まる。その後、小型車を中心に関係が深まって、トヨタの小型車の多くをダイハツが開発・生産しており、トヨタにOEM供給するモデルが増えている。「ルーミー」「パッソ」「ライズ」などは、まさにダイハツ製だ。

トヨタ「GR86」VSマツダ「ロードスター 990S」ニッポンが誇る最新スポーツカー対決

 そのトヨタが目をつけたのが、軽スポーツカーの「コペン」。GRブランドのエントリーモデルとして「コペン」をベースに独自のチューニングを施したモデルを4代目(ローブ、エクスレイ、セロに次ぐ)として3年前に発売した。ダイハツも同じモデルを販売している。

「GRコペン」のベースになったのは、ダイハツ「コペン」のベースモデルである「ローブ」のボディー。とは言っても、ヘッドライトの形状にはじまり、フロントグリルやリアバンパーなどのデザインはGR専用。ボディー側面の形状にも整流効果を持たせている。空力抵抗の軽減はさらにボディー床下面の風の流れも整えたことで、ベース車両の「ローブ」より車体にかかる揚力を約10%抑制している。これにより、接地性や直進安定性が向上したという。



 ボディーそのものも剛性アップのために床下面に補強材を追加している。さらにショックアブゾーバとバネを刷新し、路面との接地感を向上させている。室内もGR専用パーツがいくつか見受けられる。

 まず、目につくのは、レカロシート。ハイパックのホールドのよいシートだ。ハンドルはMOMO社製のグリップはやや太めで、小径のスポーツハンドルだ。ドアを開けて、運転席に座る。目の前にはピアノブラック調のセンターメータークラスター、ドアグリップが備わっている。メーターは自発光式3眼メーター。エンジン回転計は9000回転までで、7500回転からがレッドゾーンに設定されている。



 パワーユニットは直列3気筒DOHC、0.658ℓのガソリンターボ。64PS、92Nmの性能を誇る。ミッションは5速マニュアルと6速マニュアルモード付きCVTが選べる。

 試乗したのは後者。ハンドルと一体となったパドルシフトも備わっている。ドアを開け、低い位置のシートに座る。コクピットはタイト。ヘッドスペースは身長170cmクラスだと、天井ギリギリになる。やや閉所感あり。室内スペースは大人2名にはミニマムサイズといえる。デートカーとしてはいいかもしれない。

 やや重めのハンドルを操作しながら、走り出す。直進性が強めなのは、GRチューンの味付け。乗り心地はかなり硬め。ソリッドなゴツゴツとした動きも伝わってくる。車速を高めていくと、ゴツゴツとした動きも伝わってくる。荒れた路面ではハネ気味。

 表現はむずかしいが、ボディ剛性を高めたことで、カチッとしすぎてしまった、という感じ。「GRコペン」でのロングドライブは、肉体的にキツい。ジムカーナやサーキット走行用のホビーカーとして割り切った使い方をしたい。もともと「GRブランド」はそっちを目指しているのだ。

 こう割り切ってしまうと「GRコペン」は楽しい。カーブでのハンドルの切りこみは抵抗があり、戻しも強め。かなり重い操舵力。力での戦いだ。それはカーブの曲径がきつくてもゆるくても同じ。常にハンドルは重めのスポーツモード設定だ。

 ちなみにパドルシフトを使ってのマニュアル走行では、各ギアで5000回転まで引っ張ると1速35、2速50、3速70km/hに達する。0.658ℓのガソリンターボエンジンは7000回転まで使えるので、コンペティションでは4速まで使えば十分走りを楽しむことができる。重めのハンドルと戦っているときに、パドルシフトは助かる。

 100km/hは6速3800回転、5速では4500回転に達する。ターボトルクは3000回転からグンッと伸びるので、Dレンジをキープしていても、スポーツ走行は楽しめる。足回りだがBBS製のアルミホイールは純正。タイヤはBSの「ポテンザRE050A」、165/50R16を装着していた。

「GRコペン」のルーフはカーボン調のハードルーフ。フロントのルーフロックを2か所解除し、センターコンソールのスイッチを引くだけで、約20秒でルーフが折り畳まれて、トランクに収まる。開閉はクルマを停止させないと行なうことはできない。ルーフをトランクに収納した状態でも、トランクはスポーツバッグぐらいは収納できる空間は確保されている。



 さらに信じられなかったのは、ルーフを閉じた状態なら、ゴルフバッグが1セット収納できること。「GRコペン」に乗って、ゴルフに行くことができる。このサイズの2人乗りスポーツカーで、これができるのは、日本車だけ。ここでも、あらためて日本メーカーの軽自動車づくりの凄さを実感した。

・関連情報
https://toyota.jp/copen/

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

こんな記事も読まれています

ランドローバー・ディスカバリーの2025年モデルの日本における予約受注がスタート
ランドローバー・ディスカバリーの2025年モデルの日本における予約受注がスタート
カー・アンド・ドライバー
米ジャンクヤードで見つけた「廃車」 40選 前編 朽ちた名車の味わい
米ジャンクヤードで見つけた「廃車」 40選 前編 朽ちた名車の味わい
AUTOCAR JAPAN
ベントレーの「V8」がハイブリッドで新設計! W12を上回る750馬力以上の「ウルトラ パフォーマンス ハイブリッド」に期待大
ベントレーの「V8」がハイブリッドで新設計! W12を上回る750馬力以上の「ウルトラ パフォーマンス ハイブリッド」に期待大
Auto Messe Web
リカルド、RB母国戦での予選Q3ダブル進出を喜ぶ「ユウキに比べて苦戦していたけど、僕も少し前進できた」
リカルド、RB母国戦での予選Q3ダブル進出を喜ぶ「ユウキに比べて苦戦していたけど、僕も少し前進できた」
motorsport.com 日本版
「主人公」のような高揚感 フォード・マスタング 289  中毒性あるV8の加速! 誕生60年をルート66で祝福(1)
「主人公」のような高揚感 フォード・マスタング 289  中毒性あるV8の加速! 誕生60年をルート66で祝福(1)
AUTOCAR JAPAN
「ポニーカー」では表現不足 フォード・マスタング 289  誕生60年をルート66で祝福(2) 夢のロードトリップ
「ポニーカー」では表現不足 フォード・マスタング 289  誕生60年をルート66で祝福(2) 夢のロードトリップ
AUTOCAR JAPAN
涙があふれ続けた……牧野任祐、SF初優勝でチェッカー直後から半周ずっと大号泣「多分、俺意外と泣くタイプの人間です(笑)」
涙があふれ続けた……牧野任祐、SF初優勝でチェッカー直後から半周ずっと大号泣「多分、俺意外と泣くタイプの人間です(笑)」
motorsport.com 日本版
それは超小型“軽トラ”? スズキの「新モビリティ」はめっちゃ仕事向け! トラックショーでアピール
それは超小型“軽トラ”? スズキの「新モビリティ」はめっちゃ仕事向け! トラックショーでアピール
乗りものニュース
日産が低CO2アルミニウム製部品の採用を開始! 2030年までにすべてを置き換え!? CO2排出量の大幅削減を目指す
日産が低CO2アルミニウム製部品の採用を開始! 2030年までにすべてを置き換え!? CO2排出量の大幅削減を目指す
くるまのニュース
岩佐歩夢「鈴鹿と違って朝からいい感触」。牧野と山本は「徐々に調子を上げられた」【SF第2戦予選会見】
岩佐歩夢「鈴鹿と違って朝からいい感触」。牧野と山本は「徐々に調子を上げられた」【SF第2戦予選会見】
AUTOSPORT web
角田「タイムを出すときはほぼ全コーナーでいい動きだった」マシンには一貫性があり、コースとの相性も問題なし/F1第7戦
角田「タイムを出すときはほぼ全コーナーでいい動きだった」マシンには一貫性があり、コースとの相性も問題なし/F1第7戦
AUTOSPORT web
アストンマーティン、F1エミリア・ロマーニャGPで大型アップデート投入もライバル追従には「不十分」とストロール語る
アストンマーティン、F1エミリア・ロマーニャGPで大型アップデート投入もライバル追従には「不十分」とストロール語る
motorsport.com 日本版
ディーゼルってどんなエンジン? 使われる軽油ってどんな燃料? 知ってるようで知らないガソリンエンジンとの違いとは
ディーゼルってどんなエンジン? 使われる軽油ってどんな燃料? 知ってるようで知らないガソリンエンジンとの違いとは
WEB CARTOP
本当に悔しい……2位に終わり奥歯を噛む岩佐歩夢。PPスタートでのポジションダウンも響く「データをしっかりと見直さないと」|スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス
本当に悔しい……2位に終わり奥歯を噛む岩佐歩夢。PPスタートでのポジションダウンも響く「データをしっかりと見直さないと」|スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス
motorsport.com 日本版
シボレーの新型電動SUV、航続513km…『エクイノックスEV』の米国受注開始
シボレーの新型電動SUV、航続513km…『エクイノックスEV』の米国受注開始
レスポンス
ワークスマシンに近い走りを楽しめるTOM’S「GRヤリス TSS340」の魅力
ワークスマシンに近い走りを楽しめるTOM’S「GRヤリス TSS340」の魅力
@DIME
予選大失敗のアロンソ、エミリア・ロマーニャGP決勝に向けセットアップ変更。ピットレーンスタートを選択「その方が、いくつかメリットがある」
予選大失敗のアロンソ、エミリア・ロマーニャGP決勝に向けセットアップ変更。ピットレーンスタートを選択「その方が、いくつかメリットがある」
motorsport.com 日本版
レッドブル&HRC密着:RB20に5つのアップデートを実施。初日は「期待ほどパフォーマンスはよくなかった」と不安が残る
レッドブル&HRC密着:RB20に5つのアップデートを実施。初日は「期待ほどパフォーマンスはよくなかった」と不安が残る
AUTOSPORT web

みんなのコメント

52件
  • 2002年よりも古くからトヨタとダイハツの関係はある。
    スターレットははダイハツに生産委託されていたし。
    今でもプロボックスはダイハツの工場で産まれている。
  • CVTは6速じゃなくて7速だよ。
    ステアリングが重たいだの長距離移動には向かないだのと酷評する前に、自身の知識や理解度を見直した方がいいんじゃないのかな。
    信憑性に欠けちゅうよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

188.9243.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0292.1万円

中古車を検索
コペンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

188.9243.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0292.1万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村