運営元:外車王SOKEN
著者 :高岡 ケン
実際に試乗して考えた。スポーツカーが21世紀に大進化を遂げたのはなぜか?
1986年、ドイツのツフェンハウゼンから一台のポルシェが生まれた。
後にこのクルマは世界でも有数の希少なコレクターズアイテムとなる。
その名も「ポルシェ959」である。
まだ、多くは語られていない伝説の名車について、ドイツ現地から解説していく。
■最高時速317km/hのスーパースポーツ
ポルシェ959は、元々1980年代の世界ラリー選手権のために開発されたクルマだ。
フロントは一見すると911と似たデザインとなっているが、リアは超ワイドなスポイラーが付いており、ポルシェ959の初登場は多くの物議を醸した。
それは視覚的にもデータ上でも。
搭載されている排気量2.85リッター、ツインターボターボ6気筒ボクサーエンジンからは最高出力450馬力を発揮し、最高速度は317km/hにも達する。
このデータを見れば、959が本物のスーパースポーツカーであることは疑いようのない事実といえる。
1986年に初めて納入されたとき、このクルマは当時世界最速の公道市販車とみなされていた。
また、生産台数はわずか292台と、希少性の高さから販売価格42万マルク(日本円では4500万円で販売された)と非常に高額であるにも関わらず、即完売となった。
当時の価格から考えたら、想像を遥かに超えた価値であることがお分かりいただけるだろう。
■パリ・ダカールレースで優勝
ポルシェ959のモータースポーツ界における伝説はこんな言葉から始まった。
当時、ポルシェのチーフエンジニアを務めていたヘルムート・ボット氏は新しい911の開発会議でこう言い放った。
「リアエンジンのスポーツカーは世界ラリー選手権のグループBでトップになる可能性がある」
こうして1982年から、プロジェクト959が始まった。
そして開発されたのは、全輪駆動で他のどのポルシェよりも強力なパワーを備えた「ポルシェ911 4×4」と呼ばれていたプロトタイプだ。
莫大な開発資金が投じられたこのプロトタイプは、1984年のパリ ダカール レースで見事優勝を果たした。
また、ポルシェ959はサーキット用にさらなる改良が加えられ、1986年のル・マンでは総合7位となった。
ポルシェ959がモータースポーツでの実力を証明したのだ。
■ビル・ゲイツもポルシェ959所有?
ポルシェ959は1986年から1987年のわずか2年間のみ製造され、292台が販売された。
1992年には復刻版として、8台の特別モデルが復活した。
当時の販売価格は747,500マルク(日本円で約5230万円)となっている。
コレクターの間で特に人気があるのが復刻版の特別モデルだか、8台のうちは2台は事故により廃車となったため、現存する959の復刻版は6台のみと言われている。
しかし、当然このモデルが市場に出回ることはほとんどなく、実際の市場価値は時価といわざるを得ない。
959の販売当時、ポルシェは自ら顧客を選び、その中にはマイクロソフト創設者のビル・ゲイツやポール・アーレン、テニスのスター選手ボリス・ベッカーなども含まれていたそうだ。
また、中古車市場での更なる高騰を避けるため、顧客には最初の6ヶ月間は売却しないことが条件であった。
つまり、このクルマは自由に買うことも、売ることもできなかったのだ。
現在、959の取引価格は100万ユーロから150万ユーロ(日本円で約2億4000万円)と言われている。
しかし、ヨーロッパ最大の中古車掲載サイトを確認したところ、2023年10月現在では1台も掲載されていないのが現状だ。
そもそも登録されている車両はほんのわずかで、現在959を所有しているオーナーはほとんどがコレクションとなっているため、市場に出回らないのも当然だ。
滅多にお目にかかることがない、まさに伝説のクルマである。
959を見た人が、かつては砂ぼこりや砂利、雪の上を走行するために開発されたラリーカーとは思いもしないだろう。
後に911ターボが959のスプリント値を上回ったのは、2004年以降に開発された997シリーズになってからだ。
ポルシェ959は、ポルシェの技術の結晶であり、ポルシェを語る上で欠かせない、伝説のクルマなのだ。
[ライター・高岡ケン/画像・PORSCHE]
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みんなのコメント
塗装は黒で内装はブラウンにしました。確かに巨大なリヤスポが、今でも印象に残っています。
自分は10年程保有してましたが、友人に懇願され譲りましたが。今でもよく思い出します。
タミヤから発売された縮尺1/24スケールでしたが、ストレスなく組み上がり塗装もしやすく、すぐに完成しました。再販されたら、再び購入したいですね。