この記事をまとめると
■ジャカルタ市内で路線バスを運行する会社の「バス車庫」を見学
バスの運転席をガン見できる助手席最前列の「オタシート」! インドネシアのそれはマニアが狂喜するレベルだった
■「PT MAYASARI BAKTI」社は車両架装工場跡地を車庫として利用していた
■現在運行中のBYD製BEVバスに関しては車両自体の故障はほとんどない
インドネシア・ジャカルタでは約100台のBEVバスが運行中
新型コロナウイルスの感染拡大が収束し、再び海外渡航が比較的容易にできるようになった2022年にインドネシアのジャカルタを訪れると、複数のBEV(バッテリー電気自動車)路線バスが街なかを走っていた。その後も普及は進み、調べてみると2023年末までに100台ほどのBEV路線バスが運行しているそうで、さらに100台の導入予定があるとのことであった。
そのようななか、ジャカルタ市内で路線バスを運行している3つの事業者のうちのひとつ、「PT MAYASARI BAKTI(マヤサリ・バクティ)」社のBEV路線バスデポ(つまり車庫)を見学することができた。同社では現在、中国BYDオート(比迪亜汽車)製のBEV路線バス52台を保有し運行している。訪れたときはそろそろ夕方の帰宅ラッシュが始まろうかという時間帯で、48台が出庫し市内で営業運行しており、サービス入庫やスペア車両として4台のみが残っていた。ちなみにこのデポはもともと同社の車両架装工場の跡地とのことであった。
このBEV路線バス車両については、2024年2月に「VKTR」というアストラグループ系のBEVバス製造事業者によって、インドネシア国内において完全CKD(ノックダウン)生産のための工場建設が公式に発表されている。
バスの運行シフトは午前4時から午後10時が運行時間帯となり、午前4時から午後1時、午後1時から午後10時とふたつの運行シフトを設けており、1日に2名の運転士で運行されている。デポ内には15基の充電器が設置されており、帰庫した際には充電及び車両清掃を行うとのことでもあった。200kWの充電器での充電時間は約1時間半となり、続々とBEV路線バスが戻ってくると、充電を先に行い、その後に清掃を行うか、清掃を先に行いながら充電待ちをするとのことであった。
後部のICE(内燃機関)バスではエンジンルームとなっている場所には、エアコン以外を制御するコンプレッサーとインバーターが搭載されていた。蓄電池については、車両のリヤサイド部とフロントルーフ部に計16個が搭載されているとの説明であった。
日々営業運行するなかでのトラブルについて聞くと、南国なので年中エアコンを使用することもあってエアコンのコンプレッサーの故障や、かなりの頻度で開閉を繰り返す自動扉の不具合があるぐらいで、車両自体にはほとんどトラブルはないとのことであった。
デポにはBEVとなるトラックも置いてあった。こちらはインドネシア国内のヤシの実畑でヤシの実の収穫のために15台ほどが活躍しているとのことである。車体下部に電池を搭載しているので、最低地上高が短いので、川に入ったときや荒れ地を走ることを考慮して、最低地上高のアップが課題になっているとのことであった。
ジャカルタ市内でのBEV路線バスは市内中心部で運行されており、訪れたデポからは距離が離れていた。デポと運行路線と距離があるのは効率がよくないとのことで、最近ではデポ周辺の路線で運行するようにしているとのことであった。
同社では、今後80台のBEV路線バスの導入予定があるとの話であったが、その多くはジャカルタ市内中心部で専用プラットフォームで乗降を行い、専用道路を走ったりするBRT(バス高速輸送システム/一般道路も走るので『なんちゃって』ともいわれている)専用車両になるとのことであった。
市内ではすでにほかの事業者もBYD以外の中国系メーカーのBEV路線バス車両を使用して運行しているが、同社では引き続きBYD車両のみの導入を続けるとのことであった。
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みんなのコメント
中国、韓国製EVバッテリーの爆発が各国で頻繁に起きてるのに
インドネシアだけ何もないなんて信じられない