新型フォレスターを雨の袖ヶ浦サーキットで初試乗! 新型ストロングハイブリッドと先代マイルドハイブリッド、1.8Lターボを乗り比べ!! はたして加速フィール、ハンドリング、乗り心地、静粛性はいかに?
文:ベストカーWeb編集部/写真:大西靖、スバル、ベストカーWeb編集部
新型フォレスターをサーキット初試乗!!! ストロングハイブリッドの走りは? え、SUVですよね? こんなに速くて楽しくていいの?
【画像ギャラリー】新型フォレスターのストロングハイブリッドの走りは忖度なしに超絶だった!!!!(29枚)
先代の2Lマイルドハイブリッドと新型2.5Lストロングハイブリッドを乗り比べ
ウエット路面の袖ヶ浦フォレストレースウェイで試乗
新型フォレスターに新たに搭載されたストロングハイブリッドは、トヨタTHSIIをスバルの水平対向4気筒2.5Lを組み合わせ、独自にチューニングした、シリーズパラレル方式の2モーターのストロングハイブリッドシステム。ただし、4WDシステムはトヨタE-FOURの電気式ではなく、プロペラシャフトを付けたスバル独自のシンメトリカルAWDを組み合わせている。
先代フォレスターに搭載されている2Lのマイルドハイブリッドは145ps/19.2kgm+モーター13.6ps/6.6kgm、それに対し2.5Lストロングハイブリッドは160ps/21.3kgm+モーター119.6ps/27.5kgmを発生する。
2.5Lストロングハイブリッドと1.8Lターボエンジン
アクセルを徐々に踏んでいくと走り出しからクルマの重さを感じる。たしかに1780kgと1.8Lターボに比べて110kg重く、先代の2Lマイルドハイブリッドのアドバンスから140kg重いから当然と言えば当然。
しかしアクセルを強めに踏んでいくと、下からのトルクの盛り上がりがマイルドハイブリッドとは段違い。しかも、段付きがなくスムーズ、加速フィールはさすがストロングハイブリッドという感じだ。思わず「これだよ、コレ」と呟いてしまうほど。
まず中速コーナーをアクセルオフで進入する。車重の重さでアンダーステア気味になるが、滑り出しはマイルドで、ロールは浅く、終始安定しており、いわゆるお釣りはない。
コーナー出口でアクセルを思いっきり加速していくと、おお~立ち上がりの加速が気持ちいい! ボディがしっかり作り込まれているのを感じる。ラダーフレームではなく、モノコックだから堅い、頑強という感じではなく、しなやかにいなしていく感じだ。
ウエット路面だったが挙動の変化を感じとることができた
新型フォレスターはリア回りのプラットフォームと、上屋の骨格との結合を強化したフルインナーフレーム構造を加えたスバルグローバルプラットフォームをフォレスター初採用。車体剛性そのものは6%の向上にとどまっているが、走らせてみると進化ぶりはそれ以上のものを感じる。
とはいえ、先代フォレスターの走りが悪いというわけではない。今回、比較車両として先代フォレスターの2Lマイルドハイブリッドに乗ったのだが、さすがにストロングハイブリッドに乗った後では、加速フィールに物足りなさを感じるものの、軽快感やロールしてからのリアの戻りの速さ、操舵の安定感など、どれをとっても実に良くできていて「侮れない」と感じた。
先代のフォレスターマイルドハイブリッド
それを超える想定以上のよさがフォレスターのストロングハイブリッドに確実にある。開発責任者は、「ストロングハイブリッド化してもシンメトリカルAWDをしっかり入れてスバルらしさを出しています」と言っていたが、この新型フォレスターに乗っているとこれがSUVか? と運転中に感じるほど、アジリティ(俊敏性)をビシビシ感じた。
プロペラシャフトを装着することで前後のミューが違っても駆動力をしっかり後輪に伝えることができる
やはり4WDシステムが電気式ではなく、プロペラシャフトが入った機械式4WDというところが大きい。前後輪のミューが違ってもトルク移動の遅れがなく、しっかり後輪に駆動力をダイレクトに伝えるので挙動が安定。今回のウエットの路面状況でもスリップは起きなかった。新型ストロングハイブリッドの走りの魅力は、ここに集約しているように思う。
参考までにWLTCモード燃費はRAV4 E-FOURが20.3~20.6km/L、フォレスターは先代の2Lマイルドハイブリッドの14.0km/Lに対し、2.5Lストロングハイブリッドは18.4km/L(プレミアムグレード)、18.8km/L(X-BREAK)と、4.4~4.8km/Lも燃費が向上。RAV4よりも約2km/L燃費が悪い。
2.5LストロングハイブリッドのWLTCモード燃費は18.4~18.8km/L
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1.8LのSPORTの走りは?
1.8L直噴ターボDITを搭載するSPORT
SPORTに搭載されている1.8L直噴ターボDIT(177ps/30.6kgm)は車重が1640~1660kgと、ストロングハイブリッドに比べ110kg軽いので、乗り換えると鼻先の軽さ、ハンドリングに軽快感がある。
4WDシステムはストロングハイブリッドとは違い、アクティブトルクスプリットAWD(ACT-4)を採用する。前60:後40のトルク配分を基本に、加速、登坂、旋回などの走行状態に合わせてリアルタイムにトルク配分をコントロールし、前輪のスリップを検知したときは、後輪へのトルクを増やして駆動力を確保できるよう制御する。
ストロングハイブリッドと同様、コーナーでアクセルオフにし進入していくと、アンダーが出るが、ここでもロールがやや抑えられており、安定している。
1.8Lの直噴ターボのレスポンスも鋭い。加速フィールは、さすがにストロングハイブリッドにはかなわないものの、軽さもあり、速く感じる。アクセルのON/OFFによる挙動の変化はそれほど大きくなく素早い。このあたりは先代からのシャシー性能の進化を感じる。
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乗り心地、静粛性は?
1.8LターボのSPORTに採用されている超飽和特性ダンパーは、ピストンのポート孔を縮小する改良を加え、操安・乗り心地性能と伸びきり音の両立を実現したという
乗り心地についてはミュー(摩擦係数)の高いサーキットなのでなんともいえないが、ウエット路面で試乗した今回は、乗り心地はよく、ストロングハイブリッド、1.8Lターボともに上質だった。
振動や静粛性については先代よりもよくなっているのが明らかにわかる。これはインシュレーターや吸音材、フロアマット素材最適化などにより、加速時の車内音、走行時の静粛性を全面的に刷新している効果が出ているのだろう。
資料によれば、ストロングハイブリッドのリアダンバーはロッドを延長することによってダンパーの動き出しをスムーズにし、車重増に伴う横力時のフリクション荷重依存を減らし、低速から高速までしなやかな乗心地を実現しているとのこと。
いっぽう、現行1.8LDITにも採用している超飽和特性ダンパーは、ピストンのポート孔を縮小する改良を加え、操安・乗り心地性能と伸びきり音の両立を実現したという。
具体的には微低速域の減衰力を適度に持たせ、バタつきを抑え路面追従性を向上。中速域は減衰力を下げ、硬さを緩和し乗り心地性を向上。高速域は減衰力を上げ、伸びきり時の打音を改善。このあたりは今回、正直わからなかったので、一般道で進化ぶりを試したいと思う。
ストロングハイブリッドのリアダンパーはロッドを延長
先代フォレスターオーナーの編集部員に聞いてみたが、「先代は多少乗り心地に粗さというか、大味なところを感じますが、新型は後席に乗っていてもクルマ酔いすることなく、静かで乗り心地がよかったです。上質です!」とのことだった。
※ ※ ※ ※ ※
では最後に、エンジンフィール、ハンドリングのよさ、乗り心地の観点から、ストロングハイブリッドか、1.8L直噴ターボのどちらを選ぶか? と言われたらう~んと唸るほど悩んでしまった。どちらもハンドリングはいいし、腰高感はないし、運転していて楽しい。
よほど内燃機関のターボ、というこだわりがあれば別だが。もちろん、価格差も考慮しなければいけないが……。微低速域のハイブリッドのインバーター音は聞こえるものの、アクセルを強く踏んでも一歩遅れて段付き加速するようなこともないし、コーナー途中でロールが大きく、ヒヤッとすることもない。
プロペラシャフトがしっかりリアに駆動を伝えるので、ダイレクト感があって楽しい。最終的にはストロングハイブリッドでしょうか。
忖度なしに新型フォレスターはよかった。首都高や一般道で再度評価したい
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じゃあ、ストハイの4WDシステムは?