4基の駆動用モーターが放つノイズ
アリエル・ハイパーカーのサイドシルは広いものの、低く乗り越えやすい。ガスタービン・エンジンが高い位置にあり、リアガラスは存在しない。後方視界はサイドミラー頼りだが、前方の視界は素晴らしい。
【画像】アリエルの最新BEV 未来は素晴らしい? ハマーやフィアット500、VWバスも電動化 全120枚
インテリアは、完成前のプロトタイプとはいえ、質実剛健的なデザインで美しい。量産仕様では素材の質感が改められ、さらに魅力的になるそうだ。レンジエクステンダーの起動スイッチは、ミサイルの発射ボタンのようだった。
飛行機のコックピット的に、ルーフ側にコンソールパネルがある。手を伸ばしドライブを選択すれば、準備完了。アクセルペダルを徐々に傾けると、静かにハイパーカーが発進した。
シャシーには、まだ防音材が備わらない。ミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2の巻き上げる小石が、アルミ製のタブシャシーに当たる。
前後左右から、合計4基の駆動用モーターが放つノイズが響いてくる。ちなみに、2基の後輪駆動版も予定されている。BEVとして悪くない音だから、量産版にも残って欲しい。人工的なサウンドチューニングは必要ないように思う。
車外には、クルマの接近を知らせる低いハミングのような音が再生されるが、車内ではほとんど聞こえない。モーターのローターが発する悲鳴のような高音と、高圧電流が流れるシステムの電気的な唸りが、速度の上昇とともに大きくなる。
ドリフト・モード付きのドライブモード
静止からの加速は、1197psという最高出力から想像するほど野蛮ではない。アクセルペダルの操作に対する、駆動用モーターの調律が穏やかなためだ。
乗り心地は若干硬め。ステアリングホイールは重く、安定感がある。レシオはロックトゥロックが3回転と、クイックではない。開発技術者のトム・マクラーレン氏によれば、あくまでも現在は仮の設定だそうだ。
「まだチューニングには殆ど時間を割けていません。ダイナミックな性格付けにしたいと考えているので、サスペンション・スプリングやダンパー、ステアリングのレシオなどは、これから徐々に詰めていく予定です」
ドライブモードとして、エコとスポーツ、シリアス、ファンという4種類が用意されていた。最後のファンは、いい換えればドリフト・モードだ。デルタ・コスワース社によるシステムを実装するが、これも開発段階とのこと。
駆動用モーターの制御には、トルクベクタリング機能も加えられる予定。スポーツ・モードを選ぶと、最高出力の80%まで引き出せるようになる。というわけで、このハイパーカーの実力を確かめられる段階にはまだない。
ブガッティ・ヴェイロンを超える加速力
少なくともプロトタイプでは、駆動用モーターは回転開始からフルパワーを発揮するまで1秒ほど掛かる様子。静止状態でアクセルペダルを踏み込むと、初動の勢いの次に、65km/h前後で第2のパワーの波が襲ってくる。
恐らく、トラクションコントロールが低速域でトルクを抑制しているためだろう。試乗した古い滑走路の路面は良くなかった。
グリップ力が高まると、あっという間に160km/h以上へ急加速する。シートへ背中を押し付ける、凄まじい勢いで。
アリエルの技術者によれば、0-161km/h加速を5秒以下でこなすという。ブガッティ・ヴェイロンを超える加速力といえるが、今回の体験の限り、大げさな主張ではないようだ。
カント角のないコーナーで操縦性を確かめてみたが、シャシーの能力は上澄み程度しか味わえなかった。それでも、グリップ力だけでなく横方向の姿勢制御、操縦性のバランスなどは感心するほど高いといえる。
コーナーの進入時にフロント側へ荷重を移せば、テールスライドへ持ち込むことも難しくない。アクセルペダルを緩めるとフロント側に回生ブレーキが掛かり、リア側の自由度が高まる。
カーボン・ポジティブの工場で生産
アリエル・ハイパーカーの運転は、プロトタイプでも間違いなく楽しい。完成したクルマへ試乗できるまで、これから2年ほどの開発期間が必要らしいが、その時が待ち遠しい。
それまでに、ハイパーカー用の新しい工場も竣工する予定。カーボン・ニュートラルではなく、カーボン・ポジティブ、実質的にはCO2を回収できる施設になるとのこと。
BEV化が迫るなかで、画期的な変革が生じようとしている。英国の小さなアリエルは、同規模のメーカーが追従すべき新スタンダードを生み出そうとしている。
21世紀が始まって20年が経過した。次の20年は、これまで以上に印象的なものになるのかもしれない。アリエル・ハイパーカーへの試乗で、素晴らしい時代が始まるような気がした。
アリエル・ハイパーカー4WD プロトタイプのスペック
英国価格:100万ポンド(約1億6500万円)以下(予定)
全長:4298mm
全幅:2152mm(ドアミラー含む)
全高:1354mm
最高速度:249km/h(予想)
0-100km/h加速:2.09秒
航続距離:−
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:1685kg
パワートレイン:クワッド電気モーター+ガスタービン・エンジン
バッテリー:62.0kWh
急速充電能力:−
最高出力:1197ps
最大トルク:185.1kg-m
ギアボックス:−
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント