15代目となる現行型クラウンが発表されてから、2022年6月で4年を迎える。4~6年でモデルチェンジを迎えるクラウンでは、そろそろ代替わりの話が出てきてもおかしくない頃だ。
SNS上では2022年5月に現行クラウンが廃止となるといった情報が流れているが、どうもその情報は正しくない可能性も出てきた。現在一部の販売店でオーダーストップとされているクラウンについては、法対応を目的とした小改良のためという最新情報が入電したのだ。
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さらになんとクラウンマジェスタの後継モデルが2022年内にデビューするという情報をキャッチ。廃止やSUV化など、様々な情報が飛び交うクラウン。情報の多さは注目度の高さに比例するわけだが、本当のところはどうなのだろうか。クラウンの今、そしてこれからを考えていく。
文/佐々木 亘、写真/ベストカー編集部、TOYOTA
[gallink]
■各所で話題沸騰のクラウンSUV! 注目度は激高
2020年11月に報じられたクラウンのSUV化。実現するとしても投入はまだ先か?(画像はベストカーが作成した予想CG)
2018年に現行型クラウンが登場したものの、大きな人気の波は作れずに現在に至る。しかし、現行型クラウンの登場から4年の間、クラウンに関する様々な報道が、自動車業界、そして世の中を駆け巡った。
クラウンが消滅する、クラウンがミニバン化、そして今でも話題の中心にあるのが、2020年11月に中日新聞が報じた「クラウンSUV化」だろう。大きく取り上げられ、話題沸騰となるのは、それだけ注目度が高いクルマであることを意味するのだが。
こうした話題が、現場ではどのように扱われているのだろうか、取材を行った。
■クラウンマジェスタ後継が登場? 新型は2023年に発表か
先代クラウンで設定が終わっていたクラウンマジェスタ。2022年中に後継車が登場するという情報が出てきた。クラウンの上級モデルとして追加投入されるようだ
SUV登場や現行型のオーダー停止など、様々な情報が飛び交っているが、今のところ、販売店に対して確定的な情報は通知されていないようだ。
各販社の代表者は、2022年度に発表されるクルマのラインナップと、その大まかなスケジュールを既に知っているようだ。
ただし、書面ではなく口頭での説明のようで、タイミングについてはメーカー側でいつでも変更可能な状態。販売店全体で情報共有するのも、年度初め(4月)まで待ち、情報展開には様子をみているようだった。
ただ、取材の中では、「新型は来年ですかね」「SUVは出るような話ですが、まだ時期はわかりません」と、様々な形で新型クラウンの雰囲気を感じられる話が出てきている。少なくとも、2022年中に、クラウンに関して何かしらの変化が発生するのだろう。
まず、新型クラウンに関してだが、発表時期から概要まで具体的な内容はわからない。2023年という話が濃厚だが絶対とも言い切れず、販売店も伝え方を迷っている段階にあるという。
また、2022年4月頃に一度現行型クラウンはオーダーストップするようだが、これは2022年5月の法改正を機に、装備を拡充させるためのようだ。現在ベースグレードには装着されていない、パーキングサポートブレーキ(後方車両用)を、標準装備とするなどの一部改良が行われるとみられる。
大きな情報としては、クラウンマジェスタの後継車が発表されるという話が出てきた。クラウンは継続的に販売し、上級の追加モデルとして2022年中の投入を目指す。FRからFFへ切り替わる、水素やBEVといった話もあるが、伝統のクラウンは、新時代にどのような答えを出すのか、詳細な情報の判明が待ち遠しい。
■改革せずとも、クラウンは死なない
2018年登場の現行型クラウン。4年から6年でモデルチェンジされるクラウンは、そろそろ新型の話が出てきてもおかしくない頃だ
「若年層への訴求を強くする」と告げ、グレードを刷新、シックスライトキャビンの新しいエクステリアを導入するなどして、古さからの脱却を模索した15代目クラウンだが、トヨタが想像したような評価には至っていない。
古さを脱ぎ捨てた結果、これまでのクラウンオーナーのクラウン離れが加速した。クラウンにとって「変革」や「改革」という言葉は似合わないのかもしれない。
伝統に沿いながら、ゼロに立ち返る。12代目(2003年発表)のゼロクラウンと称されたモデルのような、変わり方がクラウンには合っていると筆者は思う。
柔らかい大きなシートに体を包み込み、段差を越えても優しく衝撃を和らげるフワっとしたサスペンション。アクセルを踏み込めば、車体後部が一瞬下がって進んでいく姿が、誰がどう見ても「クラウン」と言えるものなのではないだろうか。マジェスタ後継車が、こうした方向性であることに期待したい。
変わることは簡単であり、普遍的な価値を維持し続けることの方が難しいだろう。トヨタ・クラウンには、己の力で作り上げた価値を、後世にもつなげる動きを見せてもらいたいものだ。
メーカーが気にする「若返り」の部分だが、クラウン自体が若返らなくとも、販売の力で若返らせることも可能だろう。これまではトヨタ店だけでの取り扱いだったクラウンも、次期型では全チャネルが一斉にプロモーションを行い、販売を推進する。
ランクルが予想以上に跳ねたように、クラウンもネッツ・カローラ両チャネルからの販売が増えれば、自然と若返りも進むだろう。若返りは、販売のトヨタの肝でもある、全国各地の販売店に任せてみるのが得策ではなかろうか。
クラウンに関する情報は、まだまだ不確定な物が多い。それでも日々、様々なところで「クラウン」の4文字を見るのは、大きな注目と期待が集まっている証でもあろう。伝統のクラウンは、どうなっていくのか。今後も続報をお届けしていく。
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